7月の七十二候|小暑・大暑に巡る候の意味と2026年の日付

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暦の上で夏が深まる7月は、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」と「大暑(たいしょ)」が巡る時期です。さらにこの二つをそれぞれ3つに分けたものが、七十二候(しちじゅうにこう)と呼ばれる細やかな季節の区切りです。

温かい風が吹き始める「温風至」から、夕立が降る「大雨時行」まで。7月の七十二候をたどると、盛夏へと向かう自然の移ろいが見えてきます。この記事では、7月に巡る候の読み方・意味・2026年のおおよその時期をまとめて紹介します。

目次

7月の七十二候とは|二十四節気「小暑・大暑」と6つの候

7月の七十二候は、二十四節気の「小暑」と「大暑」に属する6つの候を指します。まずは七十二候そのものの仕組みと、7月の全体像を確認しておきましょう。

6つのうち5つは7月のうちに始まり、最後のひとつだけが8月に入ってから巡ります。名前を順に並べると、風・花・鳥・木の実・土・雨と主役が移り、目を向ける先が空から地面へ、そしてまた空へと動いていきます。暑さの盛りへ向かうひと月を、5日前後の短い区切りで追えるようになっているわけです。

そもそも七十二候とは

七十二候は、一年を72に分けて季節の移ろいを表した暦です。中国から伝わり、日本の気候に合わせて何度か改訂されてきました。

仕組みはシンプルで、二十四節気の一つをさらに3つに分けたものが七十二候です。それぞれを初候(しょこう)・次候(じこう)・末候(まっこう)と呼びます。1つの候はおよそ5日間にあたり、植物や生き物、自然現象の名前がつけられているのが特徴です。

ただし、もとになる節気そのものの長さが15日前後でわずかに違うため、期間が6日になる候もあります。あとの一覧表で日数がきれいにそろっていないのは、この端数が理由です。

節気が「季節の大きな章」なら、七十二候は「その中の小さな見出し」のようなものですね。

7月は「小暑」と「大暑」を巡る

7月は、前半に小暑、後半に大暑が訪れます。小暑は梅雨明けが近づき、本格的な暑さが始まる頃。大暑は一年でもっとも暑さが厳しくなる時期です。

2026年の場合、小暑は7月7日ごろ、大暑は7月23日ごろから始まります。それぞれに3つずつ候があるため、7月から8月初旬にかけて全6候が巡ります。一覧で見ると次のとおりです。

節気名称(読み)2026年の時期(目安)
小暑初候温風至(あつかぜいたる)7月7日〜12日ごろ
小暑次候蓮始開(はすはじめてひらく)7月13日〜17日ごろ
小暑末候鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)7月18日〜22日ごろ
大暑初候桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)7月23日〜27日ごろ
大暑次候土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)7月28日〜8月1日ごろ
大暑末候大雨時行(たいうときどきふる)8月2日〜6日ごろ

大暑の末候「大雨時行」は8月に入ってから巡ります。7月のうちに味わえるのは、小暑の3候と大暑の前半までと考えておくとわかりやすいでしょう。

小暑の七十二候|7月7日ごろからの3候

小暑に属するのは、温風至・蓮始開・鷹乃学習の3候です。梅雨の終わりから夏本番へと向かう、生き物や植物の動きが名前に込められています。

小暑にあたるのは7月7日ごろに始まるおよそ半月間で、その間に3つの候が順に入れ替わります。名前の主役は風・花・鳥と移りますが、どれも熱と水がそろって生き物が動きだす場面を切り取っている点は共通しています。暦の上ではここが夏の入り口で、梅雨の終盤と重なる年も少なくありません。3つを続けて読むと、湿った空気が乾いた暑さへ入れ替わっていく順序が見えてきます。

池に咲く蓮の花のイメージ写真

初候 温風至(あつかぜいたる)

温風至は、温かい風が吹いてくる頃という意味です。2026年は7月7日ごろから始まります。

ここでの「温風」は、梅雨明けのあとに南から吹いてくる熱を帯びた風を指します。じめじめした空気から、夏らしい蒸し暑い風へと変わっていく時期です。ちょうど七夕の頃にあたるのも、覚えやすいポイントです。

風向きが南寄りに定まり、朝から生ぬるい空気が動くようになったら、この候に入った合図です。雨がまだ残る年でも、風だけが一足先に夏へ切り替わっていることがあります。窓を開けた瞬間の空気の重さは、気温計よりも季節の変わり目を素直に教えてくれます。

次候 蓮始開(はすはじめてひらく)

蓮始開は、蓮(はす)の花が咲き始める頃を表します。2026年は7月13日ごろからです。

蓮の花は早朝に開き、昼にはしぼんでしまう短命な花として知られています。澄んだ大きな花が水面に浮かぶ様子は、夏の朝ならではの風景です。早起きして観察すると、この候を肌で感じられます。

正確には一日で終わるのではなく、開いては閉じる動きを4日ほど繰り返し、4日目の午後に花びらが散ります。千葉市が公開している大賀ハスの観察資料では、2日目の朝7時から9時ごろに満開になると説明されています。見に行く日を選べるなら、この時間帯に合わせると花の姿がいちばん整っています。

末候 鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)

鷹乃学習は、鷹(たか)の幼鳥が飛び方を覚える頃という意味です。2026年は7月18日ごろから巡ります。

春に生まれた若い鷹が、飛ぶことや獲物をとる技を学び、巣立ちの準備をする時期にあたります。「学習」という言葉が入った珍しい候で、生き物が成長していく夏の力強さが感じられます。

身近な猛禽であるオオタカの場合、ひなが巣を離れるのは6月中旬から7月ごろです。環境省が公開している「猛禽類保護の進め方」では、巣立ったあともしばらくは営巣地の周辺にとどまり、親から餌を受け取りながら飛ぶ力をつけていくと整理されています。候の名前は、この巣立ち直後のひと月ほどの姿とちょうど重なります。

小暑の3候まとめ

  • 温風至:温かい夏の風が吹き始める
  • 蓮始開:蓮の花が咲き始める
  • 鷹乃学習:若い鷹が飛び方を覚える

大暑の七十二候|7月23日ごろからの3候

大暑に属するのは、桐始結花・土潤溽暑・大雨時行の3候です。一年でもっとも暑い時期にあたり、夏の盛りと夕立の気配が名前に表れています。

おもしろいのは、3つとも暑さそのものを言い表していない点です。木が実を結び、土が湿り、大きな雨が降る。名前が写しているのは暑さが引き起こした変化のほうで、見る場所も木の上、足もと、空と入れ替わります。同じ「暑い」でも、どこを見るかで季節の表情が変わることを教えてくれる3候です。候の名前を読むときは、暑さの度合いではなく「何がどう変わったか」を思い浮かべると、それぞれの違いがつかみやすくなります。

初候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

桐始結花は、桐(きり)の木が花の後に実を結び始める頃を表します。2026年は7月23日ごろからです。

桐は初夏に薄紫の花を咲かせ、夏になるとその後に実をつけ始めます。「結花」という字ですが、花が咲くのではなく実を結ぶ段階を指している点がポイントです。桐は古くから家具や箱の材料として親しまれてきた、暮らしに身近な木でもあります。

この時期にできる実は先のとがった卵形で、直径2〜3センチほどまで育ちます。秋になって熟すと殻が二つに割れ、翼のついた小さな種子が風に乗って飛び出します。桐は五百円硬貨の表側の図柄にもなっている木で、裏側の竹・橘とあわせて、暮らしのすぐそばに残ってきた植物です。

次候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

土潤溽暑は、土が湿って蒸し暑くなる頃という意味です。2026年は7月28日ごろから巡ります。

「溽暑(じょくしょ)」とは、じっとりとまとわりつくような蒸し暑さのこと。地面からも熱と湿気が立ちのぼり、一年でもっとも体にこたえる時期にあたります。水分補給や休息を意識して過ごしたい候です。

「溽」の字はもともと蒸れる状態を表す漢字で、この候は気温だけでなく空気の湿りけまで含めて夏を言い当てています。同じ気温でも湿度が高い日は汗が乾きにくく、日陰に入っても涼しさを感じにくくなります。外での作業を朝夕に回す、風の通り道をつくるなど、無理をしない段取りに切り替える目安として使える候です。

末候 大雨時行(たいうときどきふる)※8月初旬まで

大雨時行は、夏の激しい雨が時々降る頃を表します。2026年は8月2日ごろからで、7月の終わりに続く候です。

夕立や急な大雨が降りやすくなる時期で、近年でいう集中豪雨や雷雨もこの頃に多く見られます。蒸し暑さがピークを迎えるなか、雨がひととき暑さをやわらげてくれる候ともいえます。

強い日ざしで地面近くの空気が暖められると、その空気が上へ持ち上げられて背の高い雲に育ちます。午後から夕方に雨が集中するのはこのためで、短い時間に強く降り、雷をともなうことも珍しくありません。遠くで雷の音が届いたら、洗濯物を取り込み、屋外の用事を切り上げる合図になります。

大暑の3候まとめ

  • 桐始結花:桐の木が実を結び始める
  • 土潤溽暑:土が湿り蒸し暑さが増す
  • 大雨時行:夏の激しい雨が時々降る(8月初旬まで)

ひと月ぶんの候をたどり終えると、暦は次の節気へと進みます。境目になるのが立秋で、ここから先は候の名前にも涼しさを含んだ言葉が並びはじめます。立秋・処暑に巡る候の名前と2026年の日付は、8月の七十二候を扱った記事で確認できます。

小暑・大暑の日付が年ごとに動く理由と、翌年以降の調べ方

七十二候の日付は、祝日のようにカレンダー上で固定されているわけではありません。もとになる二十四節気が1日前後すると、そこにぶら下がる3つの候もまとめて動きます。2027年以降の時期を自分で確かめたくなったときのために、日付の決まり方と調べ先を押さえておきましょう。

先に要点を書くと、追いかけるべきなのは候ではなく節気の日付です。小暑と大暑の日付さえ分かれば、初候・次候・末候はその期間を3つに区切って割り出せます。

日付を決めているのは太陽の位置

二十四節気は、空のどこに太陽があるかで決まります。天球上の太陽の位置を角度で表したものを黄経(こうけい)といい、それが105度に達した瞬間を含む日が小暑、120度が大暑、135度が立秋にあたります。「何月何日」ではなく角度で定義されているところが、日付が固定された行事との大きな違いです。

地球が太陽を一周するのはちょうど365日ではないため、同じ角度に達する時刻は毎年少しずつ後ろへずれ、うるう年でまた戻ります。小暑や大暑の日付が年によって1日前後するのはこの繰り返しによるもので、暦が乱れているのではなく定義どおりに動いた結果です。境目の時刻が真夜中に近い年ほど、日付が動きやすくなります。

翌年以降は国立天文台の「暦要項」で確かめる

翌年の節気の日付は、国立天文台が毎年2月最初の官報で発表する「暦要項(れきようこう)」で公式に定まります。2026年分は2025年2月3日に発表されました。各年の内容は国立天文台暦計算室の暦要項のページで公開されており、二十四節気の日付を1件ずつたどれます。

気をつけたいのは、暦要項に載るのが二十四節気と雑節までで、七十二候の名前や日付は含まれない点です。そのため翌年の候を知りたいときは、まず暦要項で小暑・大暑の日付を確認し、そこから期間を3等分して初候・次候・末候にあてる、という順番になります。手元のカレンダーの表記が資料と食い違ったときも、節気の日付を先に確かめれば判断がつきます。

7月の七十二候を暮らしに取り入れるヒント

七十二候は知識として知るだけでなく、日々の暮らしや手紙に取り入れると季節をより豊かに感じられます。ここでは7月ならではの楽しみ方を紹介します。

候の言葉が便利なのは、日付を書かなくても時期が伝わるところです。「蓮始開のころ」と置くだけで、読み手の頭には7月中旬の朝の景色が浮かびます。日付で区切るより幅があるぶん、多少ずれても不自然になりにくく、季節の話題として扱いやすいのが利点です。特別な準備がいらず、覚えた候の名前をその期間に一度使ってみるだけで始められます。

時候の挨拶・手紙に使う

七十二候の言葉は、手紙やメールの時候の挨拶にそのまま生かせます。たとえば「蓮の花が咲き始める頃となりました」「蒸し暑い日が続いておりますが」といった一文を添えるだけで、季節感のある書き出しになります。

暑中見舞いを書く時期とも重なるため、候の名前を意識すると言葉選びの幅が広がります。

使うときは、候の名前をそのまま置くより「〜のころ」と受けると、数日のずれを気にせずに書けます。相手が漢字の読みを知らなくても意味が通るのも、この形の利点です。手紙に限らず、社内メールの書き出しや店先の黒板、日記の見出しなど、一行だけ季節を添えたい場面でそのまま使えます。

候の名前を一つ知っているだけで、挨拶文がぐっと品よく感じられますよ。

旬の食材・季節の風物を楽しむ

7月は旬の食材や季節の行事も豊富です。候の移ろいと合わせて楽しむと、暮らしにメリハリが生まれます。

  • 蓮の花や朝顔など、夏の朝に咲く花を観察する
  • うなぎ・きゅうり・とうもろこしなど旬の食材を味わう
  • 七夕やほおずき市など、夏ならではの行事に出かける

朝顔のように、実際は夏に咲いていても歳時記では初秋に置かれている花もあります。観察するぶんには気にならなくても、手紙や句に持ち込むときは分類のほうを確かめておくと安心です。7月に使える季語は、読み方と使う時期を語ごとに整理した記事で引けます。

小さな自然の変化に目を向けることが、七十二候を暮らしに取り入れる第一歩です。

7月の七十二候に関するよくある質問

7月の七十二候はいくつありますか?

小暑に3候、大暑に3候の計6候があります。ただし大暑の末候「大雨時行」は8月初旬に巡るため、7月のうちに味わえるのは実質的に5候までです。

七十二候と二十四節気はどう違うのですか?

二十四節気は一年を24に分けた暦で、小暑や大暑などがこれにあたります。七十二候はその一つをさらに3つに分けたもので、より細やかに季節を表しています。

候の日付は毎年同じですか?

二十四節気の日付は年によって1日ほど前後するため、七十二候の時期も毎年わずかにずれます。この記事の日付は2026年のおおよその目安です。

大雨時行が終わると、次はどの候になりますか?

大雨時行は大暑の末候なので、次の節気である立秋に入る前日で区切られます。立秋からは8月の七十二候に移り、最初に巡るのは「涼風至(すずかぜいたる)」です。7月の候は大雨時行で締めくくり、と覚えておくと前後のつながりがつかめます。

候の名前と実際の天気が合わないのですが、間違いですか?

間違いではありません。候の日付は太陽の位置で決まるため、その年の天気とは連動しないからです。梅雨明けが早い年と遅い年では、同じ「温風至」でも窓の外の景色はまったく違います。名前と実際の空模様の差を書き留めておくと、その年の夏の記録として後から読み返せます。

まとめ|7月の七十二候で盛夏の移ろいを味わう

この記事のまとめ

  • 7月は二十四節気「小暑」と「大暑」が巡る
  • 小暑の3候:温風至・蓮始開・鷹乃学習
  • 大暑の3候:桐始結花・土潤溽暑・大雨時行(末候は8月初旬)
  • 候の言葉は時候の挨拶や暮らしに取り入れやすい
  • 日付は太陽の位置(黄経)で決まり、年によって1日前後する
  • 翌年以降の節気は国立天文台の「暦要項」で確認できる

7月の七十二候は、温かい風から始まり、蓮の花、若い鷹の成長を経て、蒸し暑さと夕立へと移ろっていきます。盛夏へ向かう自然の変化が、5日ごとの候に丁寧に刻まれているのです。

暑さが厳しい季節だからこそ、こうした小さな季節の区切りに目を向けると、毎日の暮らしが少し豊かに感じられます。ぜひ手紙や日々の会話に、7月の候を取り入れてみてください。

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