穀雨とは?読み方・意味と2027年は4月20日から5月5日

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カレンダーに「穀雨」と書かれているのを見かけても、読み方も意味もよくわからないまま4月が過ぎていく。二十四節気のなかでも、穀雨は立春や春分ほど話題にならない、少し地味な存在かもしれません。この記事では、穀雨の読み方と言葉の意味、2027年の日付と期間、年によって日付が動く理由をまず整理します。あわせて穀雨に割り当てられた七十二候、この時期に降る雨の呼び名、旬の味覚や行事、暮らしへの取り入れ方までまとめました。結論からいうと、穀雨は「こくう」と読み、春を締めくくる二十四節気です。2027年なら4月20日から5月5日までが穀雨の期間にあたります。

2027年の穀雨は4月20日(火)。次の節気である立夏が5月6日なので、期間としての穀雨は4月20日〜5月5日です。年によって4月19日になることもあります。

目次

穀雨とは?読み方は「こくう」・2027年は4月20日から

穀雨は「こくう」と読み、春にやわらかく降る雨が穀物を育てる時期を指す二十四節気です。日付は年によって4月19日か20日のどちらかになります。まずは読み方と意味、そして具体的な日付を押さえておきましょう。

読み方と言葉の意味|春の雨が百穀をうるおす

読み方は「こくう」。「穀」は米や麦などの穀物、「雨」はそのまま雨のことです。文字どおりに読めば「穀物の雨」となりますが、もう少していねいに言えば穀物を育てる春の雨という意味になります。

江戸時代に編まれた暦の解説書『暦便覧』には、穀雨について「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されています。百穀とは、さまざまな穀物をまとめて指す言い方です。春の雨が降ることであらゆる穀物が生まれ育つ、というのが穀雨という名前の由来にあたります。

この時期の雨は、夏の夕立のように激しく降るものではありません。しとしとと静かに降り、地面にゆっくりしみこんでいきます。田畑をうるおし、まいた種を芽吹かせる雨。昔の人はそこに、作物を育てる力をはっきりと感じ取っていたのでしょう。

2027年の穀雨は4月20日〜5月5日

二十四節気には「その日1日」を指す使い方と、「次の節気までの約15日間」を指す使い方の2通りがあります。どちらも間違いではありません。ニュースや歳時記で「今日は穀雨です」と言うときは前者、「穀雨のころ」と言うときは後者だと考えるとわかりやすくなります。

項目内容
読み方こくう
2027年の日付4月20日(火)
期間としての穀雨4月20日〜5月5日
二十四節気の順番6番目(春の6つの節気の最後)
前の節気清明(せいめい/4月5日ごろ)
次の節気立夏(りっか/2027年は5月6日)

期間の終わりが5月5日になるのは、翌6日が立夏だからです。立夏の前日までが穀雨、という考え方になります。つまり穀雨が明けた瞬間、暦の上では夏が始まることになります。

4月19日になる年もある|日付が動く理由

穀雨の日付が年によって1日ずれるのは、二十四節気が太陽の位置で決まっているからです。地球から見た太陽の通り道を360度に分け、そこを24等分して割り当てたものが二十四節気で、穀雨は太陽黄経が30度になる瞬間を含む日と決められています。

ところが地球が太陽を一周するのにかかる時間は、365日ちょうどではありません。約6時間ずつ余っていきます。この余りをうるう年でまとめて調整するため、節気の日付は「同じ日が3年続いて、うるう年に1日早まる」という動き方をします。

穀雨の日付期間
2025年4月20日4月20日〜5月4日
2026年4月20日4月20日〜5月4日
2027年4月20日4月20日〜5月5日
2028年4月19日4月19日〜5月4日
2029年4月20日4月20日〜5月4日
2030年4月20日4月20日〜5月4日

二十四節気の日付は、毎年2月に国立天文台が発表する「暦要項(れきようこう)」で正式に決まります。先の年の日付を確認したいときは、国立天文台の暦計算室のページが確実です。

しとしとと雨が降る春の田園風景。水を張った田んぼと若葉の木々、やわらかな曇り空

穀雨は二十四節気の6番目|春を締めくくる節気

穀雨は二十四節気の6番目で、春に属する節気としては最後にあたります。立春から始まった春が、穀雨でひと区切りを迎えるという位置づけです。前後の節気とのつながりを知っておくと、春という季節の流れがつかみやすくなります。

春の6つの節気のなかでの位置

二十四節気の春は、立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨の6つで構成されています。2月の立春で始まり、4月下旬の穀雨で終わる流れです。

  • 立春(2月4日ごろ)……暦の上で春が始まる
  • 雨水(2月19日ごろ)……雪が雨に変わる
  • 啓蟄(3月6日ごろ)……土の中の虫が動き出す
  • 春分(3月21日ごろ)……昼と夜の長さがほぼ等しくなる
  • 清明(4月5日ごろ)……草木が生き生きと芽吹く
  • 穀雨(4月20日ごろ)……春の雨が穀物を育てる

こうして並べてみると、春の節気が「寒さがゆるむ」から「草木が育つ」へと、少しずつ主役を移していることがわかります。啓蟄までは気温や生きものの変化が中心で、清明・穀雨になると植物と農作業の話になる。穀雨はその総仕上げの位置にあります。

穀雨は「春の土用」とも重なる時期

穀雨の期間は、雑節のひとつである春の土用とほぼ重なります。土用というと夏のうなぎを思い浮かべる人が多いのですが、実際には立春・立夏・立秋・立冬それぞれの直前18日間に、年4回めぐってきます。

春の土用は立夏の前18日間なので、2027年なら4月17日から5月5日まで。穀雨の始まりの3日前から土用に入り、そのまま穀雨の終わりと同時に土用も明ける形になります。土用の期間は土をいじるのを避けるという考え方が古くから伝わっており、種まきの適期と重なるこの時期には、間日(まび)と呼ばれる例外の日を選んで作業する習わしもありました。

穀雨が明けると、暦の上では夏になる

穀雨の翌日は立夏です。桜も散り、日差しが少しずつ強くなる4月下旬から5月初旬は、体感としてもちょうど春と夏の境目にあたります。日中は汗ばむのに朝晩は冷える、という日が続くのもこの時期の特徴です。

言いかえれば、穀雨は春を味わえる最後の2週間です。八重桜や藤が咲き、新緑が日ごとに濃くなっていく。短い期間ですが、春らしさがいちばん充実するころでもあります。

穀雨の七十二候|晩春をえがく3つの候

二十四節気をさらに3つずつに分けたものが七十二候です。1つの候はおよそ5日間。穀雨にも3つの候が割り当てられていて、水辺の草・田んぼの苗・庭の花と、視線がだんだん身近な場所へ移っていく構成になっています。

名称と読み方時期の目安
初候葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日ごろ〜
次候霜止出苗(しもやんでなえいずる)4月25日ごろ〜
末候牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日ごろ〜

初候:葭始生(あしはじめてしょうず)

水辺に生えるヨシ(葭・葦)が、芽を出しはじめるころという意味です。ヨシはイネ科の多年草で、夏に向かって背丈を伸ばし、秋には穂をなびかせます。川べりや湖のほとりで、茶色く枯れた去年の株のあいだから細い緑が立ち上がってくる。そんな景色を言葉にした候です。

ヨシは「アシ」とも読みますが、「悪し」に通じるのを避けて「ヨシ(良し)」と読み替えるようになった、という説明がよく知られています。すだれや茅葺き屋根の材料としても使われてきた、暮らしに身近な植物です。

次候:霜止出苗(しもやんでなえいずる)

霜が降りなくなり、苗代で稲の苗がすくすく育つころ、という意味です。穀雨の3つの候のなかで、いちばん農作業と結びついているのがこの候です。

霜は、若い苗にとって大敵でした。遅霜が降りると芽が傷んでしまうため、昔の農家は「もう霜は降りないか」を見きわめてから苗を外に出しました。霜の心配がなくなることと苗が育ちはじめることがひとつの候にまとめられているのは、この2つが分けられない関係だったからでしょう。

末候:牡丹華(ぼたんはなさく)

牡丹が大きな花を開くころ、という意味です。牡丹は「百花の王」と呼ばれるほど華やかで、ひとつの花の直径が20センチ近くになる品種もあります。

この候をもって穀雨が終わり、暦は立夏へと進みます。春の締めくくりに、いちばん大きく豪華な花を置いた並びだと考えると、覚えやすいかもしれません。牡丹の名所として知られる寺社では、ちょうどこの時期に見ごろを迎えます。

穀雨の雨と農作業|春の雨の呼び名と八十八夜

穀雨が「種まきの目安」とされてきたのは、雨と気温の条件がそろうからです。日本語には春の雨を表す言葉がいくつもあり、そのことばを知ると、この時期の空模様の見え方も少し変わってきます。

種まきの好期といわれる理由

種が芽を出すには、適度な水分と一定の地温が必要です。4月下旬になると、日中の気温が安定して上がり、土もじゅうぶんに温まってきます。そこへ穀雨の雨が加わることで、種まきに向いた状態がそろいます。

加えて、この時期の雨は日数が読みやすいという特徴もありました。「春に3日の晴れなし」ということわざがあるように、春は数日おきに天気が変わります。まいた種が乾ききる前に次の雨が来る。カレンダーも天気予報もない時代には、この見通しの立てやすさが大きな意味を持っていたはずです。

穀雨は「雨が多い時期」という意味ではなく、「雨が作物を育てる時期」を表す言葉です。梅雨のように長雨が続くわけではありません。

春の雨の呼び名|菜種梅雨・催花雨・甘雨

春に降る雨には、季節の進み方に応じた呼び名がいくつもあります。どれも気象用語として厳密に定義されたものではなく、俳句や手紙で使われてきた言葉です。

呼び名読み方意味
春霖しゅんりん春に降り続く長雨
菜種梅雨なたねづゆ菜の花のころに続くぐずついた天気
催花雨さいかう花の開花をうながすように降る雨
甘雨かんう草木をうるおす、ほどよい雨
穀雨こくう穀物を育てる春の雨

並べてみると、菜種梅雨から催花雨、そして穀雨へと、春の雨の役割が「花を咲かせる」から「作物を育てる」へ移っていくのがわかります。同じ雨でも、降る時期によって受け取り方が違ったということです。

穀雨の終わりごろにくる八十八夜

「夏も近づく八十八夜」と歌われる八十八夜は、立春から数えて88日目にあたる雑節です。年によって変わりますが、2027年は5月2日。穀雨の期間の終わりごろにあたります。

八十八夜は、遅霜への注意をうながす目安として使われてきました。「八十八夜の別れ霜」という言い方があるとおり、このころを境に霜の心配がほぼなくなるとされます。七十二候の「霜止出苗」と同じことを、別の角度から言っているわけです。

お茶の産地では、この時期に摘まれた新茶を八十八夜の茶として大切にしてきました。「八十八」の字を組み合わせると「米」になることから縁起のよい日とされ、農作業の節目としても意識されてきた日です。

新茶の茶畑で若葉が芽吹いている様子。あざやかな黄緑色の新芽が並ぶ茶畑の風景

穀雨のころの旬と風物詩

穀雨のころは、春の味覚が出そろい、花も見ごたえのある時期です。ゴールデンウィークの入り口とも重なるため、出かける予定と季節の楽しみを合わせやすいタイミングでもあります。

旬の味覚|たけのこ・そら豆・初がつお

4月下旬から5月初旬に出回りが増える食材には、次のようなものがあります。地域や年によって前後するので、店頭で見かけた時期が実際の目安になります。

  • たけのこ……えぐみが少ないうちに手早くゆでるのが基本
  • そら豆……さやから出すと味が落ちやすいので、調理直前にむく
  • アスパラガス・新玉ねぎ……やわらかく、加熱時間は短めで足りる
  • 初がつお……黒潮に乗って北上してくる、さっぱりした味わいのかつお
  • 新茶……八十八夜のころに摘まれる、一番茶

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という江戸時代の句は、まさにこの季節を詠んだものです。新緑と初がつおが同時にそろうのは、春から夏へ移るこの短い期間だけになります。

咲く花|牡丹・藤・八重桜

ソメイヨシノが散ったあと、入れ替わるように咲くのが八重桜です。花びらが幾重にも重なり、ぽってりとした姿になります。少し遅れて藤が房を垂らし、庭では牡丹が大輪を開く。派手な花が続く、目にぎやかな時期です。

つつじやシャクナゲも見ごろに入ります。公園や寺社では、このころに合わせて花まつりや藤まつりが開かれることが多く、地域の行事として定着しているところもあります。

この時期の行事|昭和の日からゴールデンウィークへ

穀雨の期間には祝日が集まります。4月29日の昭和の日に始まり、5月3日の憲法記念日、5月4日のみどりの日、5月5日のこどもの日と続く並びです。穀雨の最終日がこどもの日にあたる年もあります。

少し前には、4月8日のお釈迦様の誕生日を祝う花祭りもあります。春の行事が立て込むこの時期は、暦をひととおり眺めておくと予定を立てやすくなります。

穀雨を暮らしに取り入れる過ごし方

穀雨は、行事として何かをする日ではありません。そのぶん、季節の変わり目の準備にあてるのに向いた時期です。衣類の入れ替え、植物の世話、手紙のあいさつ。どれも数日あればできることばかりです。

衣替えと、梅雨支度の助走

本格的な衣替えは6月1日が目安とされますが、実際には4月下旬から少しずつ進めるほうが楽です。穀雨のころは晴れの日と雨の日が交互に来るので、晴れた日を見計らって冬物を干し、片づけていくとちょうどよく進みます。

合わせて、梅雨に向けた準備を始めるのにも向いています。湿気取りの補充、傘やレインウェアの点検、押し入れの風通し。梅雨に入ってから慌てるより、雨が穏やかなこの時期のうちに手をつけておくほうが気が楽です。

家庭菜園・ガーデニングの適期

霜の心配が薄れ、地温も上がる穀雨のころは、夏野菜の苗を植えるタイミングとして知られています。トマトやきゅうり、なすなどの苗が園芸店に並ぶのもこの時期です。

ただし、地域によっては5月に入ってから遅霜が降りることがあります。植えつけの時期は住んでいる地域の気候に合わせ、寒の戻りが予報されたら夜間だけ覆いをかけるなどの対応をとると安心です。八十八夜を目安にする、という昔ながらの考え方も、いまの家庭菜園にそのまま当てはまります。

時候の挨拶「穀雨の候」の使い方

手紙やメールの書き出しに使う時候の挨拶にも、穀雨は登場します。使える期間は穀雨の当日から立夏の前日まで、つまり4月20日ごろから5月5日ごろまでです。立夏を過ぎたら使わないのが決まりになります。

  • 穀雨の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 穀雨のみぎり、皆様におかれましてはお変わりございませんか。
  • 春雨が百穀をうるおす季節となりました。
  • 若葉の緑が日ごとに濃くなってまいりました。

上の2つは改まった相手向け、下の2つはやわらかい言い方です。親しい相手には「穀雨」という言葉を使わず、季節の様子をそのまま書いたほうが伝わることもあります。

穀雨についてよくある質問

穀雨は毎年同じ日付ですか

いいえ、年によって4月19日か20日のどちらかになります。二十四節気は太陽の位置で決まるため、うるう年の前後で1日ずれます。2027年は4月20日です。

穀雨の時期は雨が多いのですか

梅雨のように長雨が続く時期ではありません。穀雨という名前は「雨の量が多い」ことではなく、「春の雨が穀物を育てる」という意味を表しています。

穀雨と八十八夜はどちらが先ですか

穀雨が先です。八十八夜は立春から88日目にあたり、穀雨の期間の終わりごろ(5月1日か2日ごろ)にきます。2027年の八十八夜は5月2日です。

穀雨に行う決まった行事はありますか

穀雨そのものに、全国共通の行事はありません。もともと農作業の目安として使われてきた節気のためです。種まきや茶摘みなど、地域の農事と結びついた習わしが各地に残っています。

「穀雨の候」はいつまで使えますか

立夏の前日までです。2027年なら5月5日まで使えます。5月6日以降は「新緑の候」「立夏の候」などに切り替えます。

穀雨の次の節気は何ですか

立夏です。穀雨は春の最後の節気なので、翌日からは暦の上で夏が始まります。2027年の立夏は5月6日です。

まとめ|穀雨は春を締めくくる、雨の節気

穀雨は「こくう」と読み、春の雨が穀物を育てる時期を表す二十四節気です。2027年は4月20日から5月5日まで。春の6つの節気の最後にあたり、明ければ立夏、つまり暦の上の夏が始まります。

七十二候では、水辺のヨシが芽吹き、霜が止んで苗が育ち、牡丹が咲く、という順に晩春の景色が移ります。期間の終わりごろには八十八夜がきて、新茶の季節を迎えます。行事こそありませんが、旬の味覚も花も出そろう、いちばん春らしい2週間です。

穀雨は春の最後の節気で、2027年は4月20日〜5月5日。雨の多さではなく「穀物を育てる雨」を意味します。衣替えや夏野菜の植えつけを始めるなら、ちょうどよい合図になる時期です。

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