カレンダーで「10月25日は世界パスタデー」と見かけて、どんな記念日なのか気になった方もいるのではないでしょうか。スパゲッティやマカロニは、いまや日本の家庭の食卓でもすっかりおなじみの食べものです。そのパスタを世界じゅうで祝う日が、毎年秋にめぐってきます。
この記事では、世界パスタデーの日付と由来、パスタとスパゲッティの違い、明治から始まる日本のパスタの歩みを整理しました。ナポリタンの日など似た記念日との違いや、当日の楽しみ方もあわせて紹介します。
世界パスタデーは毎年10月25日で、2026年は日曜日です。1995年10月25日にイタリアのローマで「第1回世界パスタ会議」が開かれたことにちなみ、1998年から世界各地で祝われるようになりました。
世界パスタデーは毎年10月25日|2026年は日曜日
世界パスタデーは毎年10月25日です。日付で決まっている記念日なので、年によって動くことはありません。国民の祝日ではないため、学校や会社はふだんどおりです。
ここでは、まず世界パスタデーがどんな性格の記念日なのかを確かめ、続いて2026年と2027年の曜日を紹介します。日本の記念日の多くは語呂合わせで日付が決まっていますが、世界パスタデーは語呂合わせではありません。実際に国際会議が開かれた日を記念日にしている点が、ほかの食べものの記念日との大きな違いです。
日付が固定の国際的な記念日(英語名は World Pasta Day)
世界パスタデーは、英語で「World Pasta Day」と呼ばれる国際的な記念日です。イタリアをはじめ、パスタを作る国の業界団体が中心となって呼びかけてきました。日本の祝日法で定められた日ではなく、また日本の団体が語呂合わせで決めた日でもありません。
10月25日の前後には、イタリアの食品業界の団体などがパスタの魅力を伝える催しを開き、各国でも飲食店やメーカーが関連の企画を行います。日本でも、イタリア料理のチェーン店が世界パスタデーにあわせたキャンペーンを行った例があります。記念日としての決まりごとはないので、パスタを食べて楽しむ日と考えてよいでしょう。
2026年は日曜日、2027年は月曜日
2026年の10月25日は日曜日です。週末にあたるので、家族でパスタを作ったり、イタリア料理店へ出かけたりしやすい年といえます。翌2027年の10月25日は月曜日なので、楽しむなら前日の週末に予定を立てておくのも一案です。
10月25日は、二十四節気の「霜降(そうこう)」のころです。朝晩の冷え込みが強まり、温かい料理がおいしく感じられる季節にあたります。きのこやかぼちゃ、さつまいもなど秋の食材が出そろう時期でもあるので、旬の具材を使ったパスタを作るのにもぴったりです。
世界パスタデーの由来|1995年ローマの「世界パスタ会議」
世界パスタデーの由来は、1995年10月25日にイタリアのローマで開かれた「第1回世界パスタ会議(World Pasta Congress)」です。この会議で、パスタを世界に広める日を設けることが話し合われ、会議の開催日が記念日の日付になりました。
ここでは、会議の中身、記念日として祝われ始めた年、そして現在の主催団体の3つに分けて説明します。記念日が「いつ制定されたか」については、1995年とする紹介と1998年とする紹介があり、資料によって書き方が違います。どちらにも理由があるので、両方の見方を並べて紹介します。
第1回世界パスタ会議とは
第1回世界パスタ会議は、1995年10月25日にローマで開かれた国際会議です。各国のパスタメーカーや生産者の団体が集まり、パスタという食べものの価値を世界に伝えていくことが話し合われました。参加したのは40ほどの生産者だったと紹介されています。
会議では、毎年この日を「パスタの日」として祝おうという方針がまとまったとされます。パスタは小麦粉と水からできる素朴な食べもので、保存がきき、世界のさまざまな料理になじみます。そうした特徴を、生産国が協力して発信していこうという考えが、記念日の出発点にありました。
記念日として祝われ始めたのは1998年
日本の記念日を紹介する資料では、1995年の会議をきっかけに、1998年に記念日として制定されたと説明されることが多いようです。海外の資料にも、最初の公式な祝いの催しが1998年に開かれたとするものがあります。
一方で、会議が開かれた1995年をそのまま記念日の始まりとする紹介も見られます。「日付が決まったのが1995年の会議」「催しとして本格的に始まったのが1998年」と分けて考えると、どちらの説明も矛盾なく理解できます。この記事では、日付の由来を1995年の会議、記念日としての始まりを1998年として紹介しています。
いまは国際パスタ機構(IPO)と業界団体が中心
現在の世界パスタデーは、国際パスタ機構(International Pasta Organisation、略してIPO)と、イタリアの食品業界の団体「ウニオーネ・イタリアーナ・フード(Unione Italiana Food)」などが中心になって進めています。IPOは、各国のパスタメーカーや業界団体が加わる国際的な組織です。
毎年10月25日の前後には、パスタの消費や生産にまつわる話題が発表され、イタリアのニュースでも取り上げられます。主催団体の顔ぶれや始まりの経緯は、資料によって説明が少しずつ違います。それでも、パスタを作る国の業界が協力して続けてきた記念日である、という点はどの資料にも共通しています。
そもそもパスタとは?スパゲッティとの違い
パスタは、小麦粉と水を練って作る食品をまとめて呼ぶ言葉で、スパゲッティはその中の1種類です。「パスタ」と「スパゲッティ」を同じ意味で使う人も多いのですが、厳密には、パスタという大きなグループの中にスパゲッティやマカロニが含まれています。
ここでは、パスタという言葉の意味、長いパスタと短いパスタの分け方、そして原料のデュラム小麦の3つを紹介します。形や太さの違いを細かく覚える必要はありませんが、大まかな分け方を知っておくと、お店のメニューやスーパーの売り場で迷いにくくなります。世界パスタデーに何を作るか決めるときの手がかりにもなります。
パスタは小麦粉と水を練った食品の総称
「パスタ(pasta)」は、イタリア語で「練った生地」を意味する言葉です。一般社団法人・日本パスタ協会も、パスタを小麦粉と水を練り合わせて作られる食品全般のことと説明しており、スパゲッティやマカロニなど各種の麺の総称としています。
「スパゲッティ(spaghetti)」は、イタリア語で「ひも」を表す「スパーゴ(spago)」に、小さいものを表す語尾がついた言葉です。細いひものような形から名づけられました。日本では、細長いパスタをまとめてスパゲッティと呼ぶことも多く、喫茶店のメニューの「スパゲッティ」と、イタリア料理店の「パスタ」が同じ料理を指していることもよくあります。
ロングパスタとショートパスタ
パスタは、形によって大きく「ロングパスタ」と「ショートパスタ」に分けられます。ロングパスタは細長い麺の形をしたもので、ショートパスタは一口で食べられる短い形のものです。代表的な種類を表にまとめました。
| 分類 | 代表的な種類 | 合わせやすいソースの例 |
|---|---|---|
| ロングパスタ | スパゲッティ、カッペリーニ、リングイネ、フェットチーネ | トマトソース、オイル系、クリーム系 |
| ショートパスタ | ペンネ、フジッリ、ファルファッレ、マカロニ | 具の多いソース、グラタン、サラダ |
細いカッペリーニは冷製パスタやスープに、平たいフェットチーネは濃厚なクリームソースに向いています。ショートパスタは、ねじれやくぼみにソースがからみやすいのが特徴です。ペンネのように筒状の形は、表面の溝に具の多いソースがよくなじみます。
原料はデュラム小麦のセモリナ
乾燥パスタのおもな原料は、「デュラム小麦」という硬い小麦を粗くひいた「セモリナ」です。デュラム小麦は黄色みが強く、たんぱく質を多く含むため、ゆでてもコシのある歯ごたえに仕上がります。パスタがほんのり黄色いのは、この小麦の色によるものです。
本場のイタリアでは、国内で作る乾燥パスタはデュラム小麦のセモリナと水で作ることが法律で定められています。一方、生パスタには卵を練り込んだものも多く、北イタリアの手打ちパスタには卵入りの生地がよく使われます。日本の売り場でも、袋の原材料表示を見ると「デュラム小麦のセモリナ」と書かれた乾燥パスタが多く並んでいます。

日本のパスタの歩み|明治のマカロニから家庭の定番へ
日本にパスタが伝わったのは明治時代で、はじめはスパゲッティではなくマカロニが中心でした。戦後になると国内での生産が本格的に進み、ナポリタンなど日本生まれのメニューも登場して、パスタは家庭の定番料理になっていきます。
ここでは、明治の伝来、戦後の普及とナポリタン、国産パスタの量産と家庭への広がりの3つに分けて紹介します。日本のパスタの歴史には、伝えられている話のなかに細かな点で説が分かれるものもあります。そのため、確かめられる範囲で幅をもたせて書いています。世界パスタデーをきっかけに、身近な食べものの歩みをたどってみましょう。
明治時代に伝わったマカロニ
日本のパスタの始まりとしてよく紹介されるのが、明治時代の長崎です。1883年(明治16年)ごろ、長崎の外海(そとめ)地区で布教していたフランス人宣教師のド・ロ神父が、地元の人たちの暮らしを支えるためにマカロニなどを作ったと伝えられています。
その後、明治から大正にかけて、パスタは西洋料理を出すホテルやレストランで少しずつ知られるようになりました。ただし当時は輸入品や手作りが中心で、一般の家庭で食べられるものではありませんでした。大正から昭和の初めにかけて、国内でも製造機を使ったマカロニ作りが始まったとされますが、広く出回るのはまだ先のことです。
戦後の普及とナポリタン
パスタが身近になったのは、第二次世界大戦のあとです。食生活の洋風化が進み、小麦粉を使った料理が広まるなかで、スパゲッティも洋食店や喫茶店のメニューに並ぶようになりました。
この時代に生まれた日本独自のパスタ料理が、ナポリタンです。名前はイタリアの都市ナポリに由来しますが、イタリアにはない日本生まれのメニューです。横浜のホテルニューグランドで、戦後に総料理長がトマトを使ったスパゲッティを考案したという説がよく知られています。その後、トマトケチャップで手軽に作る喫茶店のナポリタンが広まり、昭和の洋食の代表になりました。たらこやしょうゆを使う和風スパゲッティも、日本で生まれた食べ方です。
国産スパゲッティの量産と家庭への広がり
1950年代に入ると、国内のメーカーが製造設備を整え、スパゲッティやマカロニの量産が本格的に始まりました。日本のパスタ業界では、1955年(昭和30年)ごろを国産パスタが本格化した節目の年として紹介することがあります。
量産が進むと、乾燥パスタはスーパーで手軽に買える食材になりました。さらに、ゆで時間の短い早ゆでタイプ、レンジで作れる商品、湯を注ぐだけのソースなども登場し、忙しい日の食事としても定着していきます。1990年前後にはイタリア料理の人気が高まり、アルデンテのゆで加減や本場の料理名が広く知られるようになりました。
パスタにまつわる記念日|ナポリタンの日・海外の記念日
パスタにまつわる記念日は、世界パスタデーのほかにもあります。日本ではナポリタンの日が知られ、アメリカにもパスタやスパゲッティの記念日があります。どれも日付や由来が異なるので、混同しないように整理しておきましょう。
ここでは、日本のナポリタンの日と、アメリカのパスタの日・スパゲッティの日を取り上げます。世界パスタデーが国際会議にちなむ記念日なのに対し、ナポリタンの日は日本の祝日に、アメリカの記念日は民間の呼びかけに由来しています。由来の違いを比べると、それぞれの国でパスタがどう親しまれているかも見えてきます。
ナポリタンの日は4月29日(カゴメが制定)
ナポリタンの日は毎年4月29日です。トマトケチャップなどを作る食品メーカーのカゴメが定めた記念日で、2017年に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録され、翌2018年から実施されています。
4月29日が選ばれたのは、この日が国民の祝日「昭和の日」だからです。ナポリタンは昭和の時代に生まれて広まった日本の洋食なので、昭和を振り返る日にあわせて記念日にしたとされています。同じパスタの記念日でも、世界パスタデーが世界のパスタ全体を祝う日なのに対し、ナポリタンの日は日本生まれの1品に絞った記念日です。
アメリカのパスタの日・スパゲッティの日
アメリカには、10月17日の「ナショナル・パスタ・デー(National Pasta Day)」と、1月4日の「ナショナル・スパゲッティ・デー(National Spaghetti Day)」があります。どちらも国の祝日ではなく、業界団体や民間の呼びかけで広まった記念日です。
アメリカでは、こうした「ナショナル○○デー」と呼ばれる食べものの記念日がたくさんあり、飲食店の割引やSNSの話題づくりに使われています。10月はアメリカでもパスタにちなむ月として扱われることがあり、世界パスタデーと日付が近いのも特徴です。日本で10月25日に世界パスタデーを祝うときは、国際的な記念日のほうを指していると考えればよいでしょう。


世界パスタデーの楽しみ方
世界パスタデーの楽しみ方に決まりはありません。いつものパスタを少し丁寧に作るだけでも、十分に記念日らしい過ごし方になります。2026年は日曜日なので、時間をかけて料理を楽しんだり、イタリア料理店へ出かけたりするのにも向いています。
ここでは、いつもと違う形のパスタを選ぶこと、基本のゆで方をおさらいすること、料理名からイタリア各地を知ることの3つを紹介します。どれも特別な道具や材料がなくても始められるものです。家族や友人と一緒に作れば、パスタの話題で食卓がにぎやかになるでしょう。
いつもと違う形のパスタを選ぶ
ふだんスパゲッティばかり食べている家庭なら、世界パスタデーにはショートパスタを試してみるのがおすすめです。らせん形のフジッリ、蝶の形のファルファッレ、貝殻の形のコンキリエなど、形が変わるだけで食感やソースのからみ方が大きく変わります。
ショートパスタは、ゆでたあとにサラダやスープ、グラタンにも使えるので、献立の幅が広がります。子どもと一緒に作るなら、形のかわいいファルファッレや、色のついたパスタを選ぶと楽しめます。乾燥パスタは保存がきくので、何種類か買っておいて、少しずつ食べ比べるのもよいでしょう。
基本のゆで方をおさらいする
パスタをおいしく仕上げるには、たっぷりの湯でゆでるのが基本です。一般的には、パスタ100gに対して湯1リットル、塩は湯の量の1%ほど(1リットルなら10g)が目安とされています。湯が少ないと、パスタを入れたときに温度が下がり、麺同士がくっつきやすくなります。
ゆで時間は、袋に書かれた表示時間を目安にします。ソースと一緒にフライパンで和える場合は、表示より1分ほど早く引き上げると、ちょうどよい歯ごたえになります。芯がほんの少し残る状態を、イタリア語で「アルデンテ(歯ごたえがある)」と呼びます。ゆで汁はソースの濃さを調整するのに使えるので、捨てる前に少し取り分けておくと便利です。
料理名からイタリア各地を知る
パスタ料理の名前には、イタリアの地名や地方の食文化がたくさん隠れています。世界パスタデーには、料理名の由来を調べながら食べてみると、イタリアを旅しているような気分を味わえます。代表的な料理と、ゆかりの土地を表にまとめました。
| 料理 | ゆかりの土地 | 特徴 |
|---|---|---|
| カルボナーラ | ローマ(ラツィオ州) | 卵・チーズ・豚肉の塩漬けで作る |
| ボロネーゼ | ボローニャ(エミリア=ロマーニャ州) | ひき肉をじっくり煮込んだソース |
| ジェノベーゼ | ジェノヴァ(リグーリア州) | バジル・松の実・チーズのペースト |
| パスタ・アッラ・ノルマ | カターニア(シチリア州) | 揚げなすとトマトソース |
同じボロネーゼでも、本場のボローニャでは、スパゲッティではなく平たいタリアテッレに合わせるのが定番とされています。地方ごとの組み合わせを知ると、パスタの形とソースの相性にも理由があることがわかります。イタリアにちなむ記念日では、8月27日のジェラートの日もあわせて知っておくと楽しいでしょう。

世界パスタデーに関するよくある質問
- 世界パスタデーはいつですか?
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毎年10月25日です。日付で決まっている記念日なので、年によって動くことはありません。2026年は日曜日、2027年は月曜日にあたります。
- なぜ10月25日なのですか?
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1995年10月25日に、イタリアのローマで「第1回世界パスタ会議」が開かれたことにちなんでいます。語呂合わせではなく、会議の開催日がそのまま記念日になりました。
- 世界パスタデーはいつ制定されたのですか?
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1995年の会議で日付が決まり、1998年から記念日として祝われるようになったと紹介されることが多いです。資料によっては1995年を始まりとするものもあります。
- パスタとスパゲッティは何が違うのですか?
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パスタは小麦粉と水を練って作る食品の総称で、スパゲッティはその中の細長い種類のひとつです。マカロニやペンネもパスタの仲間です。
- 10月25日はほかに何の日ですか?
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1951年のこの日に、戦後初めての国内の民間航空の定期便が運航を始めたことから「民間航空記念日」とされています。
まとめ
世界パスタデーは毎年10月25日です。1995年のこの日にローマで第1回世界パスタ会議が開かれたことにちなみ、1998年から世界各地で祝われるようになりました。現在は国際パスタ機構(IPO)やイタリアの業界団体が中心になって続けています。
パスタは小麦粉と水を練った食品の総称で、スパゲッティはその仲間のひとつです。日本には明治時代に伝わり、戦後にはナポリタンなど日本生まれのメニューも生まれて、家庭の定番料理になりました。
世界パスタデーは、いつもと違う形のパスタを選んだり、料理名からイタリア各地に思いをはせたりして、身近なパスタをあらためて味わう日です。
前日の10月24日は文鳥の日です。10月の行事をまとめて知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。


