啓蟄とは?意味と読み方・暮らしの楽しみ方まとめ

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啓蟄とは?読み方と意味をわかりやすく

啓蟄は「けいちつ」と読み、二十四節気のひとつです。冬の間、土の中でじっとしていた虫たちが暖かさを感じて地上に出てくる頃を表しています。

春の訪れを小さな生き物たちの目覚めで感じる、なんとも日本らしい季節の言葉ですね。漢字が難しくて読めない方も多いですが、意味を知ると季節がぐっと身近に感じられるようになりますよ。

「啓」と「蟄」の漢字の意味

「啓」には「ひらく」「開放する」という意味があります。一方、「蟄」は「虫が土の中に隠れて閉じこもる」こと。つまり啓蟄とは、「冬ごもりしていた虫が戸を開いて出てくる」という意味になります。

ここでいう「虫」は昆虫だけでなく、カエルやヘビなど冬眠する小さな生き物全般を指しています。昔の日本では、小さな動物や爬虫類もまとめて「虫」と呼んでいたのです。

土の中から続々と姿を見せ始める様子は、まさに春の到来を実感させてくれるもの。テレビの天気予報などでも「今日は二十四節気の啓蟄です」と紹介されることがあるので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

二十四節気の中での啓蟄の位置づけ

二十四節気とは、1年を太陽の動きにもとづいて24等分した季節の目安です。もともとは古代中国で生まれ、日本の暮らしにも深く根づいてきました。啓蟄は春の節気のうち3番目にあたり、「雨水(うすい)」の次、「春分」の前に位置しています。

二十四節気の春の流れは「立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨」の順です。啓蟄は春の折り返し手前にあたる節気といえます。

二十四節気の春の流れを示すイメージ

2026年の啓蟄はいつ?期間と毎年の目安

2026年の啓蟄は3月5日(木)です。啓蟄の期間は3月5日から3月19日までで、次の節気「春分」を迎えるまでの約15日間を指します。

2026年の啓蟄の日付と期間

項目2026年
啓蟄の日3月5日(木)
期間3月5日〜3月19日
次の節気(春分)3月20日(金)

啓蟄は例年3月5日または6日頃にあたります。年によって1日前後するのは、二十四節気が太陽の黄経(天球上での太陽の位置)をもとに決められるためです。

啓蟄の日付が毎年変わる理由

二十四節気は太陽の動きに合わせて決まるため、カレンダーの日付が毎年ぴったり同じにはなりません。太陽黄経が345度に達した瞬間が啓蟄となり、年ごとに数時間のずれが生じます。

とはいえ大きくずれることはなく、啓蟄は毎年3月5日か6日のどちらかです。「3月上旬の節気」と覚えておけば十分でしょう。

参考までに、近年の啓蟄の日付を一覧にまとめました。

啓蟄の日
2024年3月5日(火)
2025年3月5日(水)
2026年3月5日(木)
2027年3月6日(土)
2028年3月5日(日)

このように、ほぼ毎年3月5日に固定されていることがわかります。

啓蟄の七十二候|3つの季節の移ろい

二十四節気をさらに3つに分けたものが七十二候(しちじゅうにこう)です。啓蟄の約15日間にも、自然の変化を映した美しい3つの候があります。

桃の花や蝶など啓蟄の頃の自然のイメージ

初候「蟄虫啓戸(すごもりのむし とをひらく)」

3月5日〜9日頃にあたる初候です。冬の間、土の中でじっと過ごしていた虫たちが、春の暖かさに誘われて姿を現し始めます。

「啓蟄」という節気の名前そのものを表した候で、大地が少しずつ目覚めていく最初の変化を感じ取れる時期です。実際にこの頃になると、庭先でアリやテントウムシを見かけることが増えてきます。

次候「桃始笑(ももはじめてさく)」

3月10日〜14日頃の次候では、桃の花がほころび始めます。古語では花が咲くことを「笑う」と表現しました。桃の花が笑うように開く様子は、春の喜びそのものですね。

ちょうど桃の節句(3月3日)を過ぎた頃にあたり、暦の上でも実際の自然でも春の華やかさが増してくる時期です。桃の花は桜よりも一足早く咲くため、この頃のお花見は「桃見」といえるかもしれませんね。

末候「菜虫化蝶(なむし ちょうとなる)」

3月15日〜19日頃の末候です。冬を幼虫(青虫)として過ごした菜虫がさなぎから羽化し、蝶となって飛び立ちます。「菜虫」とは菜の花などアブラナ科の植物につくモンシロチョウの幼虫のことです。

虫が目覚め(初候)→ 花がほころび(次候)→ 蝶が舞う(末候)。啓蟄の七十二候は、春が着実に深まっていく様子を美しく描いています。

啓蟄の食べ物と旬の味覚

啓蟄の頃は、冬から春への切り替わりを体でも感じられる時期です。寒い季節に眠っていた食欲も、暖かさとともに目覚めてくるもの。この時期ならではの旬の食材を取り入れて、季節の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

旬の山菜と「春は苦味を盛れ」

昔から「春は苦味を盛れ」という言葉があります。ふきのとう・わらび・たらの芽といった春の山菜には独特のほろ苦さがあり、冬の間に鈍った体のリズムを整えるのに良いとされてきました。

天ぷらやおひたしにすると、ほどよい苦味が春の訪れを舌でも感じさせてくれます。ふきのとうは味噌と合わせた「ふき味噌」にしてもおいしく、ご飯のお供にぴったりです。

啓蟄の頃に楽しめる食材一覧

種類食材特徴
山菜ふきのとう・わらび・たらの芽ほろ苦さが春の味。天ぷらが定番
野菜菜の花・春キャベツ・新たまねぎやわらかく甘みがある
魚介はまぐり・さわら・しらす3月が旬。はまぐりはひな祭りにも
果物いちご・デコポンこの時期に甘みがピークに

はまぐりは啓蟄の直前にあたるひな祭り(3月3日)でも定番の食材です。お吸い物にして春の味覚を味わうのもおすすめですよ。

啓蟄の時候の挨拶と使い方

手紙やメールで季節感を伝えたいときに、「啓蟄」を使った時候の挨拶が役立ちます。少し難しい漢字だからこそ、さらりと使えると教養が感じられるものです。使える時期は啓蟄の期間中(3月5日頃〜3月19日頃)が目安です。

ビジネスで使える例文

ビジネス向け例文
  • 啓蟄の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 啓蟄の折、皆さまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 啓蟄を迎え、日ごとに暖かさが増しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

カジュアルな手紙・メールの例文

カジュアル向け例文
  • 虫たちも動き出す啓蟄の頃となりました。お元気でお過ごしですか。
  • 啓蟄を過ぎ、日差しにも春の暖かさを感じるこの頃です。
  • 三寒四温の日が続きますが、確実に春は近づいていますね。

「啓蟄の候」はフォーマルな場面で、カジュアルな手紙では「啓蟄を迎え〜」のように柔らかい表現にすると自然です。

啓蟄の時候の挨拶が使えるのは3月5日頃〜3月19日頃まで。それ以降は「春分の候」「春暖の候」などに切り替えましょう。

啓蟄の頃の暮らしの楽しみ方

暦の上で虫が目覚める啓蟄は、私たちの暮らしにも「春支度」を始めるちょうど良いタイミングです。自然が動き出すこの時期に合わせて、身の回りも少しずつ春仕様に切り替えていきましょう。

春支度と衣替えの準備

啓蟄の頃はまだ朝晩の冷え込みがありますが、日中は上着なしでも過ごせる日が増えてきます。厚手のコートをクリーニングに出したり、春物のカーディガンやストールを手前に出したりと、少しずつ衣替えの準備を始めるのにぴったりの時期です。

また、冬の間に使った暖房器具のお手入れや、窓を開けての換気など、住まいの春支度にも良いタイミングといえます。啓蟄の頃はまだ三寒四温で気温の変化が大きいので、薄手のアウターを1枚持ち歩くと安心です。

季節の花を楽しむ

啓蟄の頃に見頃を迎える花は、桃・菜の花・沈丁花(じんちょうげ)・ミモザなどです。沈丁花の甘い香りは「春の三大香木」のひとつとして知られ、散歩中にふわりと香ると春の訪れを強く実感できます。

また、この頃は花粉の飛散量も増えてくる時期です。春の外出を楽しみつつ、花粉対策も忘れずに準備しておきたいですね。

庭やベランダでのガーデニングを始めるにも良い時期です。パンジーやビオラなど春の花苗を植えて、暮らしに彩りを添えてみてはいかがでしょうか。

沈丁花や菜の花など啓蟄の頃の春の花

啓蟄のよくある疑問

啓蟄と立春はどう違うの?

立春(2月4日頃)は「暦の上で春が始まる日」で、啓蟄(3月5日頃)は「冬ごもりの虫が目覚める頃」です。立春はまだ真冬の寒さが残りますが、啓蟄の頃になると日差しに暖かさが感じられるようになり、体感としても春に近づきます。

啓蟄は季語として使える?

はい、啓蟄は俳句の「仲春」の季語として使われます。春の季語の中でも、生き物の動きを感じさせる躍動感のある言葉として俳句や手紙で親しまれています。

啓蟄に決まった行事や風習はある?

啓蟄ならではの特定の行事はありませんが、農作業を始める目安とされてきました。「啓蟄を過ぎたら畑仕事を始めよう」というのが昔からの農家の知恵です。また、菰(こも)はずし――松の木に巻いていた害虫よけのむしろを取り外す作業――もこの時期に行われます。暖かくなって虫が動き出す前に外すという、まさに啓蟄らしい風物詩ですね。

まとめ

啓蟄(けいちつ)は「冬ごもりの虫が目覚める頃」を意味する二十四節気のひとつです。2026年は3月5日(木)で、毎年3月5日か6日頃にあたります。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 「啓」はひらく、「蟄」は虫の冬ごもりを意味する
  • 二十四節気では「雨水」の次、「春分」の前に位置する春の節気
  • 七十二候は「虫が出る→桃が咲く→蝶が舞う」と春の深まりを描く
  • 旬の食材はふきのとう・わらび・はまぐりなど
  • 「啓蟄の候」は3月上旬〜中旬の時候の挨拶に使える
  • 衣替えの準備やガーデニング開始など、春支度にぴったりの時期

啓蟄は、小さな虫たちの目覚めを通じて春の訪れを感じる、日本ならではの美しい季節の言葉です。暮らしの中に二十四節気を取り入れて、移り変わる季節をもっと楽しんでみてくださいね。

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