8月に入ってすぐ「立秋」と聞くと、まだ猛暑の真っただ中なのにどうして秋なのだろう、と不思議に感じる方は多いはずです。暑中見舞いの締め切りや時候の挨拶も、この日を境に切り替わります。
この記事では、2026年の立秋の日付と期間、日付が毎年変わる仕組み、立秋という言葉の意味と由来、七十二候で表される季節の移ろい、挨拶の切り替え方、旬の食べ物と花までをまとめて紹介します。
結論から言えば、2026年の立秋は8月7日(金)で、期間としては処暑の前日にあたる8月22日までを指します。暑中見舞いは8月6日到着分まで、7日以降は残暑見舞いに切り替えるのが基本です。
立秋はいつ?2026年は8月7日
2026年の立秋は8月7日(金)です。立秋は毎年8月7日前後にあたり、暦の上ではこの日から秋が始まります。
まだ真夏の暑さが続く時期ですが、立秋を過ぎると朝夕の風にわずかな涼しさを感じる日が増えてきます。暑中見舞いを出す予定がある方は、立秋の前日までに届くよう手配しておきましょう。
立秋には、8月7日という「その日1日」を指す使い方と、次の節気である処暑の前日までの約15日間を指す使い方があります。2026年なら、期間としての立秋は8月7日から8月22日までです。暦の解説やカレンダーで「立秋の期間」と書かれていたら、後者の意味だと考えて差し支えありません。
立秋の日付は毎年変わる?決め方の仕組み
立秋の日付は、太陽の位置(黄経)によって決まります。地球から見た太陽の通り道を「黄道」と呼び、太陽がこの黄道上で黄経135度に達する瞬間を含む日が立秋です。
この計算は国立天文台が毎年行い、「暦要項」として前年2月に発表しています。太陽の動きは年によってわずかにずれるため、立秋が8月7日になる年と8月8日になる年があります。
太陽が黄経135度を通過する時刻は、1年ごとにおよそ6時間ずつ後ろへずれていきます。4年に一度のうるう年で暦が1日ぶん調整されると、通過時刻はまた元の位置近くまで戻ります。この4年周期のずれが、立秋が8月7日になる年と8月8日になる年を生んでいます。
なお、太陽の実際の位置で節気を定めるこの方法は「定気法(ていきほう)」と呼ばれます。日本では江戸時代末の天保暦から採用され、現在の暦要項の計算にも引き継がれています。
2024年〜2028年の立秋一覧
| 年 | 立秋の日付 | 曜日 |
|---|---|---|
| 2024年 | 8月7日 | 水曜日 |
| 2025年 | 8月7日 | 木曜日 |
| 2026年 | 8月7日 | 金曜日 |
| 2027年 | 8月8日 | 日曜日 |
| 2028年 | 8月7日 | 月曜日 |
2027年だけ8月8日にずれるのは、太陽が黄経135度を通過するタイミングが日付をまたぐためです。
表のとおり、近年は8月7日になる年が多く、8月8日にずれるのは数年に一度です。立秋が8日にずれる年は、暑中見舞いを出せる期間もその分だけ1日長くなります。
表の日付のうち、翌年ぶんまでは国立天文台が暦要項として正式に公表した確定値です。それより先の年は計算による予定日で、公表時にわずかに変わる可能性があります。数年先の予定を立てるときは、前年2月に発表される暦要項で最終確認しておくと確実です。


立秋とは?意味と由来
立秋は二十四節気のひとつで、「秋が立つ」、つまり秋の気配が現れ始める日を意味します。夏の盛りに秋の始まりを告げる、少し不思議な節気です。
読み方は「りっしゅう」です。二十四節気の13番目にあたり、夏至(黄経90度)と秋分(黄経180度)のちょうど中間に位置しています。暑さのピークを越えて、太陽の高さや日の長さが変わり始める頃合いを示した節気だと考えると、真夏に「秋」と呼ばれる理由が少し腑に落ちます。
二十四節気における立秋の位置づけ
二十四節気は、1年を春夏秋冬それぞれ6つの節気に分けた暦のしくみです。立秋は秋の最初の節気にあたり、大暑の次、処暑の前に位置しています。
ひとつの節気の長さはおよそ15日です。立秋の前は暑さの頂点を意味する大暑、後ろは暑さがようやく落ち着く処暑と続き、暦の上ではここから涼しさへ向かって進んでいきます。
秋の六節気:立秋 → 処暑 → 白露 → 秋分 → 寒露 → 霜降
二十四節気は古代中国で生まれ、日本には飛鳥時代に伝わりました。農作業の目安として長く使われてきた歴史があります。
もうひとつ覚えておきたいのが、土用との関係です。土用は立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前の約18日間を指し、立秋の前日が夏の土用の最終日(土用明け)にあたります。夏の土用にある「土用の丑の日」もこの範囲に含まれるため、立秋は夏の土用が明けて暦が秋へ入れ替わる境目でもあります。
「秋が立つ」の本来の意味
「立」には「始まる」という意味があります。立春・立夏・立秋・立冬はいずれも季節の始まりを告げる節気で、あわせて「四立(しりゅう)」と呼ばれます。
「真夏なのにどうして秋?」と感じる方も多いかもしれません。これは二十四節気がもともと旧暦(太陰太陽暦)の時代に作られた暦だからです。旧暦では7月が秋の始まりとされていました。現在の新暦(太陽暦)に当てはめると、体感とのずれが生じるのは自然なことです。
この「見た目は夏、でも気配は秋」という感覚は、古くから歌にも詠まれてきました。古今和歌集の巻四・秋歌上には、詞書に「秋立つ日よめる」と添えられた藤原敏行の一首(169番)が収められています。
古今和歌集 巻四・秋歌上 169番(藤原敏行):秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
秋が来たと目にはっきり見えるわけではないけれど、風の音でふと秋の訪れに気づかされた、という意味です。千年以上前の人も、立秋の日に同じ感覚を書き留めていたことが分かります。
立秋は「もう秋になった」のではなく、「ここから少しずつ秋に向かう」という合図です。ピークを過ぎたあとの変化に気づく、昔の人の繊細な季節感が表れています。

立秋の七十二候
二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候」では、立秋はおよそ15日間を3つの候に分けています。季節の移り変わりを自然の風景で描いた、詩的な暦です。
七十二候はひとつの節気を初候・次候・末候に分け、1年を約5日ごと、72の区切りでとらえます。もとは古代中国で生まれたものですが、日本では江戸時代に渋川春海らが日本の気候に合うよう名称を改め、貞享暦(1685年)で「本朝七十二候」として整えられました。いま目にする候の呼び名の多くは、この流れをくんでいます。
初候「涼風至(すずかぜいたる)」
8月7日頃〜8月11日頃。涼しい風が吹き始める時期を表しています。
日中はまだ猛暑が続きますが、夕方や明け方にふと吹く風に「少し涼しくなったかも」と感じる瞬間があります。そんなかすかな変化をとらえた候です。
気温だけを見れば8月上旬は1年で最も暑い時期にあたりますが、日の入りの時刻はすでに少しずつ早まっています。日が落ちる時間が早まると地表が冷える時間も長くなるため、夕方以降の風が真夏より過ごしやすく感じられる日が出てきます。窓を開ける時間帯を夕方にずらしてみると、この変化に気づきやすくなります。
次候「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」
8月12日頃〜8月16日頃。ヒグラシが鳴く時期を指しています。
「寒蝉」とは秋に鳴く蝉のことで、ヒグラシやツクツクボウシを指します。ヒグラシの「カナカナカナ」という澄んだ鳴き声は、夏の終わりと秋の訪れを同時に感じさせてくれます。
ヒグラシは明け方と夕暮れの薄暗い時間帯に鳴くことが多く、日中に鳴くアブラゼミやミンミンゼミとは声を聞ける時間帯が違います。8月中旬になると「オーシーツクツク」と鳴くツクツクボウシも増え、耳から感じる季節が入れ替わっていきます。鳴き声の主役が交代する時期だと思って、朝夕に少し耳を傾けてみてください。
末候「蒙霧升降(ふかききりまとう)」
8月17日頃〜8月22日頃。深い霧が立ちこめる時期です。
朝晩の気温が下がり始めると、森や水辺に霧が発生しやすくなります。早朝に白いもやがかかる風景は、目に見える「秋の気配」といえるでしょう。
霧は、地表付近の空気が冷えて水蒸気が細かい水滴に変わることで発生します。晴れて風の弱い夜は地表の熱が逃げやすいため、川沿いや盆地、山あいの地域では朝霧が出やすくなります。日中との気温差が大きいほど霧は濃くなるので、朝もやが目立ち始めたら、朝晩の冷え込みが動き出したサインと考えられます。

七十二候の表現は地域によって体感が異なりますが、自然の変化に目を向けるきっかけとして楽しんでみてください。


立秋を境に変わること
立秋は暦の区切りであると同時に、手紙の挨拶が切り替わるタイミングでもあります。知っておくとマナーの面でも安心です。
変わるのは挨拶状の呼び名だけではありません。天気予報で使われる暑さの言い回しは立秋を境に「残暑」へ切り替わり、俳句の季語も夏から秋の扱いになります。日付が変わっただけで気温が下がるわけではありませんが、言葉のうえでは秋がはっきり始まる日です。
実際に書き分けが必要になるのは、暑中見舞い・残暑見舞いといった挨拶状と、手紙やメールの冒頭に置く時候の挨拶の2つです。それぞれ切り替えの基準日と使える期間が決まっているので、順に確認しておきましょう。
暑中見舞いから残暑見舞いへ
暑中見舞いは小暑(7月7日頃)から立秋の前日までに届けるのが正式な時期です。立秋を過ぎたら「残暑見舞い」に切り替えます。
| 挨拶状 | 時期 |
|---|---|
| 暑中見舞い | 小暑(7月7日頃)〜立秋の前日 |
| 残暑見舞い | 立秋〜8月末頃 |
2026年の場合、8月6日までに届くものは「暑中見舞い」、8月7日以降は「残暑見舞い」として出しましょう。
基準になるのは投函日ではなく相手に届く日なので、日数には余裕をみておきたいところです。普通郵便は差し出した翌日に届くとは限らないため、立秋前日までの到着を狙うなら数日前には投函しておきましょう。間に合わないと分かった時点で、迷わず残暑見舞いとして書き直すほうが失礼になりません。


時候の挨拶「立秋の候」の使い方
ビジネスレターや改まった手紙では、立秋の頃に「立秋の候」「残暑の候」といった時候の挨拶を使います。
使い方の例
「立秋の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「残暑の候、皆様いかがお過ごしでしょうか」
「立秋の候」は立秋当日から処暑(8月23日頃)の前日まで使えます。処暑を過ぎたら「処暑の候」や「初秋の候」に切り替えましょう。
「立秋の候」のような漢語調の挨拶は、ビジネス文書や目上の方への手紙に向いています。親しい相手には「立秋とは名ばかりの暑さが続いております」のように、口語調でやわらげた書き出しにすると読みやすくなります。
相手が住む地域によって実際の気候は違うため、暦の言葉に「そちらはいかがでしょうか」と天候をひとこと添えると、形式的になりすぎません。結びには相手の健康を気づかう一文を置くと、季節の挨拶としてまとまります。


立秋に楽しむ旬の食べ物と花
立秋の頃は、夏の味覚と初秋の味覚がちょうど重なる時期です。食卓や身のまわりに季節を取り入れてみましょう。
店頭の様子も、この時期は夏野菜と秋の果物が並ぶ入れ替わりの時期です。夏のものは味が乗って値段が落ち着き、秋のものは早生品種が出始めるため、両方をいちばん手軽に楽しめるのが立秋の頃といえます。買い物のときに旬の入れ替わりを一度意識してみると、季節の移り変わりが見えてきます。
立秋の頃が旬の食べ物
- 桃:7月下旬〜8月が出荷のピーク。みずみずしい甘さが暑い日にぴったりです
- 梨:8月頃から出回り始める早生品種(幸水など)が食べ頃を迎えます
- 枝豆:夏の定番ですが、8月に収穫される枝豆は甘みが増しています
- みょうが:夏みょうがの旬は7〜8月。薬味として料理に爽やかな香りを添えます
- スイカ:お盆の頃まで旬が続きます。立秋を過ぎても十分おいしい時期です
選ぶときの目安は品目ごとに違います。桃は全体が色づいて甘い香りが立ってきたら食べ頃で、冷やしすぎると香りが弱まるため、食べる2〜3時間前に冷蔵庫へ入れる方法がよく紹介されています。梨は同じ大きさなら重みのあるほうが果汁を多く含み、枝豆はさやがふくらんで産毛がしっかり立っているものを選ぶと味が濃い傾向があります。


立秋に咲く季節の花
- ひまわり:8月が見頃のピーク。夏の代表花ですが、立秋を過ぎても美しく咲いています
- 百日紅(サルスベリ):7月〜9月にかけて咲く花で、立秋の頃がちょうど盛りです
- 朝顔:夏の花の印象が強いものの、実は秋の季語。立秋と深いつながりがあります
- 蓮(ハス):見頃は7〜8月中旬頃まで。早朝に咲く姿が涼しげです
花で季節を感じたいときは、咲く時間帯にも目を向けてみてください。朝顔や蓮は早朝に開いて昼にはしぼむため、見に行くなら朝のうちが向いています。反対に百日紅は名前のとおり長い期間咲き続けるので、夏の終わりから秋口までの移ろいを同じ木で見比べられます。切り花を1輪だけ飾るなら、玄関や洗面台など毎日必ず通る場所に置くと変化に気づきやすくなります。
立秋についてよくある質問
立秋について検索されることの多い疑問を、日付・挨拶・季節の区分の順にまとめました。
- 立秋はいつまでですか?
-
2026年の立秋は8月7日で、期間としては処暑の前日にあたる8月22日までを指します。8月23日からは次の節気である処暑に入ります。1日だけを指すのか期間を指すのかは文脈によって使い分けられているので、暦の解説を読むときは前後の書き方を確認すると迷いません。
- 立秋なのに暑いのはなぜですか?
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二十四節気は古代中国の黄河流域の気候をもとに作られた暦のため、日本の体感とは1か月ほどのずれがあるとされます。また立秋は「暑さのピークを越えて秋へ向かい始める日」であって、涼しくなる日ではありません。実際に気温が下がり始めるのは、多くの地域で8月下旬以降です。
- 暑中見舞いが立秋に間に合わないときはどうすればいいですか?
-
相手に届くのが立秋以降になるなら、残暑見舞いとして書き直すのが基本です。書き出しを「残暑お見舞い申し上げます」に変えれば、内容はそのままで問題ありません。残暑見舞いは8月末頃までに届くように出しましょう。
- 立秋に決まった行事や食べ物はありますか?
-
立秋そのものに全国共通の行事食はありません。ただし前日までが夏の土用にあたり、お盆や送り火、花火大会など夏の行事が集中する時期とも重なります。旬の桃や早生の梨を食卓に取り入れる、季語を意識して一句書いてみるといった楽しみ方が現実的です。
- 暦の秋と天気予報の秋は同じですか?
-
同じではありません。気象庁は予報用語として9月から11月までを秋としており、暦の上の立秋(8月上旬)とは1か月ほど差があります。天文学では秋分から冬至の前日までを秋とする分け方もあるため、秋の区切りは目的によって3通りあると考えると整理しやすくなります。
まとめ
立秋について、日付の決まり方から暮らしへの取り入れ方まで紹介しました。
- 2026年の立秋は8月7日(金)。期間としては8月22日まで
- 日付は太陽黄経135度で決まり、国立天文台が前年2月に暦要項で公表する
- 立秋の前日までが暑中見舞い、当日からは残暑見舞い
- 「立秋の候」は処暑の前日(2026年は8月22日)まで使える
- 七十二候では涼風至・寒蝉鳴・蒙霧升降と移り変わる
2026年の立秋は8月7日(金)です。太陽黄経135度に基づいて毎年国立天文台が日付を決定しており、多くの年は8月7日か8日になります。立秋を過ぎたら暑中見舞いは残暑見舞いに切り替え、時候の挨拶も「立秋の候」が使えるようになります。まだ暑い日が続きますが、七十二候が教えてくれるように、風や虫の声、朝の霧に小さな秋の気配を探してみてはどうでしょうか。



















