カレンダーをめくると、8月にはうさぎにちなんだ日が隠れています。それが「バニーの日」です。
ところが調べてみると、8月2日と書かれた記事もあれば、8月21日としているものもあります。どちらが正しいのか、迷った方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、どちらも正解です。この記事では、バニーの日が2日ある理由と語呂合わせの仕組みを最初に整理します。そのうえで、この記念日が生まれた経緯、「バニー」という言葉そのものの意味、そして当日の楽しみ方までをたどっていきます。
バニーの日はいつ?8月2日と8月21日の2日ある
バニーの日は、8月2日と8月21日の2日あります。どちらも「バニー」という音を数字に当てはめた語呂合わせで、読み方の区切り方が違うだけです。
片方が本家でもう片方が派生、という関係でもありません。同じ発想から別々に生まれた日が、どちらも定着したかたちです。
記念日を紹介する一覧や「今日は何の日」のページでは、8月2日だけを載せるものと、両方を載せるものがあります。片方しか目にしていないと、もう一方の日付に気づきません。どちらが正しいのか迷う場面が生まれるのは、この掲載の差によるところもあります。
8月2日は「バ(8)ニー(2)」の語呂合わせ
8月2日は、8を「バ」、2を「ニー」と読ませたものです。「バ・ニー」と2音に区切る、もっとも素直な当て方といえます。
数字の2を「ニー」と伸ばして読む語呂合わせは、記念日の世界ではよく使われます。短くて覚えやすいぶん、SNSでも広がりやすい日付になりました。
この当て方には、数字の読みを少し補うという工夫があります。8は「ハチ」の頭の音に濁点を足して「バ」、2は「ニ」を伸ばして「ニー」。もとの読みから一歩だけずらすことで、言葉の音に近づけています。
8月21日は「バ(8)ニ(2)イ(1)」から
もう一方の8月21日は、8を「バ」、2を「ニ」、1を「イ」と読み、3つの数字で「バ・ニ・イ」と読ませたものです。伸ばす音まで数字で表現した、少し凝った当て方になっています。
「バニー」を文字にすると「バニイ」とも書けます。その表記をそのまま数字に置き換えたのが、8月21日というわけです。
| 日付 | 語呂合わせ | 2027年の曜日 |
|---|---|---|
| 8月2日 | バ(8)ニー(2) | 月曜日 |
| 8月21日 | バ(8)ニ(2)イ(1) | 土曜日 |
バニーの日は8月2日と8月21日の2日。どちらも「バニー」の語呂合わせで、読み方の区切り方が違うだけです。
曜日は年ごとに変わるため、2028年以降に予定を立てるときはその年のカレンダーで確かめてください。
ひとつの言葉に複数の記念日が生まれる例は、ほかにもあります。同じ名前の日が年に何度も巡ってくるケースもあり、由来をたどると理由がはっきりします。

バニーの日の由来|2008年のイラスト企画から
バニーの日の由来は、2008年にイラスト投稿サイトpixivで行われた有志の企画です。語呂合わせに合わせて作品を投稿し合う「バニー祭り」として始まりました。
企業や自治体が広報のために作った記念日ではありません。参加した人たちの手で少しずつ育っていった、めずらしい成り立ちの日です。
pixivがサービスを始めたのは2007年9月のことです。企画が行われた2008年は開設の翌年にあたり、利用者が急に増えていた時期でした。作品を投稿できる場そのものが広がっていくなかで生まれた企画といえます。
有志のイラスト企画として始まった
始まりは、ごく小さな呼びかけでした。「8月2日はバニーの日ということにして、みんなでうさぎ耳の絵を投稿しよう」という趣旨の企画です。
お祭りの中心にあったのは、語呂合わせという遊び心でした。決まりごとも運営組織もなく、賛同した人が自由に参加するだけ。その気軽さが、翌年以降も続いていく土台になりました。
お題が「うさぎ耳」の一点だけだった点も見逃せません。ふだん描いているキャラクターにうさぎ耳を足せば作品になるため、題材をあらためて考える手間がかかりませんでした。
X(旧Twitter)へ広がりハッシュタグ文化に
翌2009年以降、この企画はTwitter(現在のX)にも広がっていきます。「#バニーの日」というハッシュタグをつけた投稿が、当日になると一斉に並ぶようになりました。
イラストだけでなく、うさぎ耳をあしらった小物の写真や、飼っているうさぎの写真を投稿する人もいます。参加のかたちが人それぞれに広がっている点も、この日の特徴といえるでしょう。
ハッシュタグは、誰でも同じ言葉を付けられる仕組みです。まとめ役がいなくても投稿が一か所に集まるため、呼びかけの届く範囲が年ごとに広がっていきました。
公式に制定された記念日ではない
気をつけておきたいのは、バニーの日が公式に制定された記念日ではないという点です。制定者や制定年がはっきりしている記念日とは、性格が異なります。
そのため、8月2日と8月21日という2つの日付が並び立つことも起こりました。決める人がいないぶん、呼びかけた人の数だけ日付が生まれうるわけです。
公式な記念日との違い
- 制定者・制定年がはっきりしている記念日…企業や業界団体が広報のために制定する
- バニーの日…ネット上の有志の呼びかけから自然に広まった
- そのため日付が1つに定まらず、8月2日と8月21日が並立している

そもそも「バニー」とは?うさぎと衣装の話
バニー(bunny)は、英語でうさぎを指すくだけた言い方です。日本では衣装の名前として知られていますが、もとをたどればうさぎそのものを指す言葉になります。
英語の語源辞典では、bunny がうさぎの愛称として現れるのは1680年代とされています。もとになった bun は、当時リスなどの小さな動物を指した言葉でした。三百年以上前から使われてきた、古い呼び名にあたります。
バニーは英語で「うさぎ」の愛称
英語でうさぎを表す言葉といえば rabbit ですが、bunny はその親しみを込めた呼び方にあたります。日本語でいえば「うさちゃん」に近い響きで、子ども向けの絵本や歌によく登場します。
春の行事に登場する「イースターバニー」も同じ言葉です。復活祭にたまごを運んでくるうさぎのことで、こちらは英語圏で古くから親しまれてきました。
英語には hare という語もあり、こちらは野で暮らすノウサギを指します。うさぎを表す英語がひとつではないぶん、指す相手や場面によって言葉が選ばれています。
バニー衣装は1960年アメリカのクラブが発祥
うさぎ耳と丸いしっぽを組み合わせた、いわゆるバニー衣装が世に出たのは1960年のことです。アメリカで開業した会員制クラブの、接客担当者の制服として登場しました。
うさぎ耳のカチューシャ、蝶ネクタイ、丸いしっぽ。この組み合わせが、その後60年以上にわたって「バニー」の記号として受け継がれていきます。日本でも1960年代半ばから、同じ趣向の衣装が知られるようになりました。
日本ではキャラクター文化として広がった
日本でバニーの日が定着した背景には、衣装がキャラクター表現のひとつとして受け入れられてきた事情があります。漫画・アニメ・ゲームの衣装として描かれ、コスプレの定番にもなりました。
その積み重ねがあったからこそ、語呂合わせひとつでお祭りが成立したともいえます。8月2日にイラストが一斉に並ぶ光景は、日本独自の記念日文化のかたちといえるでしょう。
月のうさぎ伝説|うさぎと月が結びついた理由
うさぎといえば月、という結びつきは日本で古くから知られています。月の表面の模様をうさぎの姿に見立てる言い方は、いまも絵本や童謡のなかに残っています。
この見立ては近年の発想ではなく、古い時代の物語にまでさかのぼれます。日本語の文献にも書き残されているほど、長く受け継がれてきた見方です。バニーの日は語呂合わせから生まれた新しい記念日ですが、うさぎという題材そのものには長い背景があります。
『今昔物語集』巻五に残る三獣の話
平安時代の後期に成立したとされる説話集『今昔物語集』の巻五に、月のうさぎの由来を語る一話があります。巻五は天竺、いまのインドの話を集めた巻で、この話には「三獣行菩薩道兎焼身語」という題が付いています。
登場するのは兎と狐と猿の三匹です。人のためになる行いをしようと決めた三匹の前に、飢えた老人が現れます。狐と猿は食べ物を見つけて持ち帰りましたが、兎は何も手に入れられませんでした。
そこで兎は火をおこしてもらい、自分の身を差し出すためにその火へ飛び込みます。老人の正体は帝釈天でした。帝釈天はもとの姿に戻り、兎のすがたを月に移して、すべての生き物が見られるようにしたと語られます。
もとはインドの仏教説話『ジャータカ』
この話のおおもとは、インドで伝えられた『ジャータカ』という説話集にあります。ジャータカは、釈迦が前世でどのような行いをしたのかを語る物語を集めたもので、兎の話もそのひとつに数えられます。
同じ筋の話は、漢訳の仏典である『六度集経』にも収められています。インドで生まれた話が中国を経て日本へ届き、『今昔物語集』に書き留められました。月とうさぎの取り合わせは、ひとつの国のなかだけで育った見立てではないことになります。
中秋の名月と「うさぎの餅つき」
日本では、月の模様を「うさぎが餅をついている姿」と見立てる言い方が広まりました。中秋の名月のころになると、この見立てが話題にのぼります。
説話のうさぎは火に身を投じた姿のまま月へ移されたはずで、臼も杵も出てきません。餅をつく姿に変わった理由については複数の説明があり、どれが正しいとは決まっていません。
8月2日・8月21日にあるほかの記念日
バニーの日にあたる2日は、どちらもほかの記念日と重なっている日です。とくに8月2日は、語呂合わせから生まれた記念日が集まる日として知られます。
記念日の日付は、調べる先によって食い違うことがあります。制定した人や団体の案内にあたれば、どの日をいつから使っているのかを確かめられます。一般社団法人日本記念日協会のように、届け出のあった記念日を登録して公開している団体もあります。
8月2日は語呂合わせの記念日が集まる日
8を「ハ」や「バ」、2を「ニ」や「ツ」と読み替えることで、さまざまな言葉が作れます。そのため8月2日には、次のような記念日が並んでいます。
- ハーブの日…「ハー(8)ブ(2)」の語呂合わせ
- ビーズの日…「ビー(8)ズ(2)」の語呂合わせ
- 博多人形の日…「は(8)かた・に(2)んぎょう」の語呂合わせ
- カレーうどんの日…6月2日・7月2日という2つの記念日を受けた日
8月2日にこれだけ集まるのは、二つの数字の読み方に幅があるためです。上の例でも、8は「ハ」「ハー」「バ」「ビー」、2は「ニ」「ニー」「ブ」「ズ」と読み替えられています。候補が多いぶん二音の言葉を作りやすく、短い名前の記念日を置きやすい日付になっています。
8月2日の記念日には、下着の「パンツの日」もあります。制定した年も届け出た会社も記録に残っており、バニーの日とは成り立ちが対照的です。

同じ日付でも、成り立ちはさまざまです。語呂合わせ以外の理由で決まった記念日と並べてみると、日付の決め方の幅が見えてきます。

8月21日は「献血の日」と重なる
一方の8月21日は「献血の日」にあたります。1964年のこの日、献血によって輸血用の血液を確保する方針が閣議で決まったことにちなむ記念日です。
語呂合わせから生まれた日と、歴史的なできごとに由来する日。ひとつのカレンダーに両方が同居しているところが、記念日を眺める面白さでもあります。
歴史的なできごとに由来する日は、8月21日にもうひとつあります。1877年のこの日に上野公園で第1回内国勧業博覧会が開幕し、会場に日本初の西洋式噴水がつくられたことにちなむ「噴水の日」です。

このように8月21日の記念日は、過去の出来事を由来とするものが目立ちます。献血の日の1964年、噴水の日の1877年というように、年号とセットで語られるのも共通した特徴です。
一方でバニーの日は、数字の並びだけで日付が決まりました。その日に何かが起きたわけではないため、年号とは結びついていません。
バニーの日の楽しみ方
特別な準備はいりません。うさぎにまつわるものを、少しだけ日常に取り入れる。それだけで十分にこの日を楽しめます。
8月2日と8月21日は、多くの地域で夏休みの期間にあたります。家で過ごす時間が長い日を選べば、思いついたことをその日のうちに試せます。飼っているうさぎと過ごす場合は、暑さに弱い動物なので、連れ出すより室内で涼しく過ごすほうが向いています。
夏休みの調べものの題材にする手もあります。記念日の由来をたどって一枚の紙にまとめるだけでも、立派な調べ学習になります。
SNSで作品を眺める
もっとも手軽なのは、当日のハッシュタグをたどってみることです。8月2日と8月21日には、イラストや写真が数多く投稿されます。
絵を描く方であれば、参加する側に回るのもひとつの楽しみ方です。年に2度あるので、片方の日を逃してももう一度機会が巡ってきます。
気に入った作品を手元に残したいときは、サイトのブックマークや「いいね」の機能を使うのが基本です。画像を保存して別の場所へ載せることは、描いた人の権利にふれます。眺めて反応を返すだけでも、作者には届きます。
うさぎモチーフの雑貨やお菓子を取り入れる
SNSを使わなくても楽しめます。うさぎのかたちをしたものを、その日の暮らしに少し添えてみる方法です。
- うさぎモチーフの和菓子やクッキーをおやつにする
- うさぎ柄の手ぬぐいやハンカチを使ってみる
- うさぎが登場する絵本や映画を選ぶ
- ふれあい体験ができる施設に足を運ぶ
お子さんと過ごす日なら、うさぎの折り紙やお絵かきにしてもよいでしょう。記念日を入り口にすると、いつもの遊びに理由が生まれます。
うさぎ柄は干支の年にかかわらず定番の図柄として扱われ、手ぬぐいや文具では通年で見つかります。当日になって探すより、目に入ったときに一つ買い置きしておく形でも間に合います。

8月の行事とあわせて暦を楽しむ
8月は、お盆や夏祭りといった大きな行事が並ぶ月です。そのあいだに小さな記念日を挟むと、ひと月の過ごし方に細かな彩りが加わります。
8月2日は月のはじめ、8月21日はお盆が明けたころ。ちょうど夏の前半と後半に一度ずつ置かれているのも、この日らしい巡り合わせといえます。
二つの日付のあいだには、お盆の時期が挟まります。8月2日に夏の予定を書き出し、8月21日に残りの日数を数える。そんな区切りの使い方もできます。
8月の後半は、夏の行事がひと段落する時期でもあります。8月21日を、撮りためた写真や描いた作品を見返す日にあてるのも合っています。


よくある質問
- バニーの日は8月2日と8月21日のどちらが正しいのですか?
-
どちらも正しい日付です。8月2日は「バ(8)ニー(2)」、8月21日は「バ(8)ニ(2)イ(1)」という別々の語呂合わせから生まれました。公式な制定者がいないため、どちらか一方に統一されていません。
- バニーの日は誰が決めた記念日ですか?
-
特定の制定者はいません。2008年にイラスト投稿サイトpixivで有志が始めた企画が起点となり、その後SNSを通じて自然に広まりました。企業や団体が制定した記念日ではない点が特徴です。
- 「バニー」と「ラビット」は何が違いますか?
-
どちらも英語でうさぎを指しますが、バニー(bunny)は親しみを込めたくだけた呼び方です。日本語の「うさちゃん」に近い響きで、絵本や童謡でよく使われます。ラビット(rabbit)のほうが一般的な呼び名にあたります。
- 絵を描かなくても参加できますか?
-
参加できます。うさぎモチーフのお菓子や雑貨を楽しんだり、飼っているうさぎの写真を眺めたりするだけでも、この日らしい過ごし方になります。決まったルールのある記念日ではありません。
- 8月2日にはほかにどんな記念日がありますか?
-
ハーブの日、ビーズの日、博多人形の日、カレーうどんの日などがあります。8を「ハ」「バ」、2を「ニ」「ブ」と読み替える語呂合わせから生まれた記念日が多く集まる日です。
まとめ|バニーの日は8月2日と8月21日
バニーの日は、8月2日と8月21日の2日あります。前者は「バ(8)ニー(2)」、後者は「バ(8)ニ(2)イ(1)」の語呂合わせです。
始まりは2008年、イラスト投稿サイトでの有志の企画でした。企業が制定したものではなく、参加した人たちの手で育ってきた記念日です。日付が2つあるのも、その成り立ちゆえといえます。
もとをたどれば、バニーは英語でうさぎを指す親しみのある呼び名です。イラストを楽しむのもよし、うさぎモチーフのお菓子を選ぶのもよし。過ごし方は自由に決められます。
読み返すときのために、この記事で触れた点を書き出しておきます。
- 日付は8月2日と8月21日で、どちらも「バニー」を数字に当てた語呂合わせ
- 起点は2008年、pixivで開かれた有志のイラスト企画で、制定者はいない
- bunny は英語でうさぎを指す愛称、衣装のほうは1960年のアメリカが出発点
- 月のうさぎの見立ては『今昔物語集』巻五の説話までさかのぼる
- 8月2日には語呂合わせの記念日、8月21日には出来事にちなむ記念日が並ぶ
語呂合わせひとつで、なんでもない8月の一日がうさぎの日に変わる。カレンダーの余白を自分たちで彩ってきた、いまらしい記念日です。
