「霜月(しもつき)」という言葉を、カレンダーや手紙の書き出しで見かけたことはあるでしょうか。響きのきれいな名前ですが、いざ「何月のこと?」と聞かれると、11月なのか12月なのか迷ってしまう人も多いはずです。結論からいうと、霜月は旧暦11月の和風月名で、現在は新暦11月の別名としても使われています。ただし旧暦の11月は、今の暦に置き換えると12月上旬から1月上旬ごろにあたります。この記事では、霜月の読み方と意味、名前の由来の諸説に加えて、2026年の霜月(旧暦11月)が実際にいつからいつまでなのか、冬至との深い関係、霜月にちなむ行事までをまとめました。
霜月は何月?まずは結論から
霜月は旧暦11月を指す和風月名で、現在では新暦の11月をそう呼ぶのが一般的です。つまり「11月の別名」と覚えておけば、日常の場面で困ることはほとんどありません。ただ、名前が生まれた旧暦の時代と今とでは季節の感覚が1か月ほどずれているため、そこを押さえておくと理解がぐっと深まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | しもつき |
| もともと指す月 | 旧暦11月 |
| 現在の使われ方 | 新暦11月の異名 |
| 旧暦11月の時期 | 新暦の12月上旬〜1月上旬ごろ(年によって変わる) |
| 名前の由来 | 霜が降りる「霜降月(しもふりつき)」を略したとする説が有力 |
| 前後の月名 | 前は神無月(10月)、次は師走(12月) |
霜月は旧暦11月の和風月名|読み方は「しもつき」
「霜月」は「しもつき」と読みます。漢字の見た目どおり「霜」にちなんだ名前なので、12の月名のなかでも読み方で迷うことが少ない月名のひとつです。
和風月名とは、睦月・如月・弥生……と続く、旧暦の各月につけられた日本古来の呼び名のことです。霜月は11番目の月名で、10月の神無月と12月の師走のあいだに位置します。12か月の月名をまとめて確認したいときは、一覧記事もあわせてどうぞ。

旧暦11月は今の12月上旬〜1月上旬ごろ
旧暦は、月の満ち欠けを基準にした暦(太陰太陽暦)で、新月の日を毎月の1日としていました。日本では明治6年(1873年)に現在の新暦(太陽暦)へ切り替わりましたが、両者のあいだにはおおむね1か月前後のずれがあります。
そのため旧暦の11月を新暦に置き換えると、年によって幅はあるものの、およそ12月上旬から1月上旬ごろになります。今の11月はまだ紅葉が残る晩秋のイメージですが、本来の霜月は、霜が降りて本格的な寒さが始まる時期につけられた名前だったわけです。
2026年の霜月(旧暦11月)はいつからいつまで?
旧暦の月の始まりは、その年の新月の日によって決まります。2026年の場合、旧暦11月1日は新暦の12月9日で、翌2027年1月7日までが旧暦11月にあたります。前年と並べてみると、次のようになります。
| 年 | 旧暦11月(霜月)の新暦での期間 |
|---|---|
| 2025年の霜月 | 2025年12月20日〜2026年1月18日 |
| 2026年の霜月 | 2026年12月9日〜2027年1月7日 |
1年で始まりが10日以上も前後しているのは、旧暦の12か月が約354日で、新暦の1年より11日ほど短いためです。そのずれが積み重なって季節と合わなくなるのを防ぐため、旧暦ではおよそ3年に一度「閏月(うるうづき)」を入れて1年を13か月にし、調整していました。
現代では新暦11月の異名としても使われる
新暦に切り替わったあとも、和風月名はそのまま新暦の月に当てはめて使われ続けました。そのため現在では「霜月=11月」として、カレンダーの月表示や手紙の時候の挨拶、和菓子や行事の名前などに広く使われています。
厳密には旧暦と新暦で季節がずれていますが、「霜月は何月?」と聞かれたときの答えとしては「11月」で問題ありません。より正確に伝えたい場面では、「もともとは旧暦11月の呼び名で、今の暦では12月ごろにあたる」と一言添えると、言葉の背景まで伝わります。
霜月の意味と由来|なぜ「霜の月」と書くの?
霜月という名前の由来にはいくつかの説があり、ひとつに確定しているわけではありません。そのなかで最も広く知られているのが、霜が降りる月を表す「霜降月(しもふりつき)」が縮まったとする説です。ここでは主な説と、実際の季節感とのつながりを見ていきます。
霜が降りる「霜降月(しもふりつき)」説が有力
旧暦11月は、今の暦でいう12月ごろ。朝晩の冷え込みが厳しくなり、地面や草木の葉に白い霜が降りるのが珍しくなくなる時期です。「霜が降る月」を意味する「霜降月」が、呼びやすく「しもつき」に縮まったとするのがこの説で、漢字の「霜月」とも素直に結びつきます。
和風月名の多くは、読みが先にあり、漢字は後から当てられたと考えられています。「如月(きさらぎ)」のように漢字と読みの結びつきがわかりにくい月名もあるなかで、霜月は名前と季節の風景がそのまま重なる、わかりやすい例といえるでしょう。

「下な月」「食物月」などそのほかの説
霜降月説のほかにも、霜月の由来としては次のような説が伝えられています。
- 下な月(しもなつき)説:10月の神無月を「上な月(かみなつき)」、11月を「下な月」と対にして呼んだものが転じたとする説
- 食物月(おしものづき)説:その年の収穫を祝う新嘗祭が行われ、新しい穀物をいただく月だったことから、とする説
- しもぐる月説:寒さで草木がしおれていく様子を表す言葉から、とする説
いずれも決定的な根拠があるわけではなく、辞典類でも複数の説を並べて紹介するのが一般的です。ただ、どの説にも共通しているのは、冬の入り口の厳しい寒さや、1年の実りを締めくくる時期という季節感が背景にある点です。由来をひとつに絞るより、「霜の降りる、冬の真ん中の月」というイメージで捉えておくと覚えやすくなります。
今の暦で霜が降りるのはいつごろ?
二十四節気には、その名も「霜降(そうこう)」という節気があり、2026年は10月23日です。暦の上ではこの頃から霜が降り始めるとされますが、二十四節気は古代中国で生まれた季節の目安なので、日本の平野部の実感とは少し差があります。
実際に初霜を迎える時期は地域差が大きく、北日本の内陸では10月のうちから霜が降りる一方、関東から西の平野部では12月に入ってから初霜を迎える地域が多くなります。今の11月に「霜月」と言われてもぴんとこないのに、旧暦11月(12月ごろ)に当てはめると風景がしっくりくるのは、このためです。霜降など10月の二十四節気については、次の記事で詳しく紹介しています。

霜月は冬至を含む月|暦の上での大切な位置づけ
霜月には、ほかの月名にはない特別な役割があります。それは、1年でいちばん昼が短くなる「冬至」を必ず含む月だということです。旧暦の時代、冬至は暦を組み立てるうえでの大切な基準点でした。
旧暦では「冬至を含む月」が11月と決まっていた
旧暦では、新月から次の新月までを1か月としていました。ただ、それだけではその月を何月と呼ぶかが決まりません。そこで、太陽の動きをもとにした二十四節気のうち「中気(ちゅうき)」と呼ばれる12の節目を使い、月の名前を割り振っていました。
このルールでは、中気の「冬至」を含む月が11月、「雨水」を含む月が1月、というように決まります。つまり霜月は、どの年でも冬至が入る月です。反対に中気をひとつも含まない月が出たときは、その月を閏月として前の月の名前を重ねることで、暦と季節のずれを調整していました。
十二支では「子(ね)の月」|暦の起点とされた理由
月に十二支を当てはめる考え方では、冬至を含む11月が「子(ね)の月」とされ、12月が丑、1月が寅……と続きます。十二支の最初である子が11月に置かれているのは、冬至を「太陽の力がいちばん弱まり、ここから再び強まっていく出発点」と捉えたためと考えられています。
古代中国の周の時代には、この子の月を年の初めとする暦が使われていたとされます。霜月の別名に「子月(ねづき)」や「天正月(てんしょうがつ)」があるのは、こうした暦の歴史の名残です。現在の感覚では年の終わりに近い11月が、かつては「1年の始まり」と見なされていたこともあったと思うと、少し不思議な気がします。
2026年の冬至と「朔旦冬至(さくたんとうじ)」
2026年の冬至は12月22日です。先ほどの換算でいうと旧暦11月14日にあたり、霜月のほぼ真ん中に冬至が来る年になります。
冬至が旧暦11月1日(新月の日)と重なる年は「朔旦冬至」と呼ばれ、およそ19年に一度めぐってくるめでたい日とされました。太陽の力が戻り始める日と、月が新しく生まれる日が重なることから、奈良時代から平安時代にかけての宮中では、この日に祝宴が催された記録が残っています。近年では2014年12月22日が朔旦冬至にあたり、話題になりました。

霜月は「冬至を必ず含む月」。昼が最も短くなり、そこから日が長くなっていく節目の月として、暦のうえで特別な意味を持っていました。
霜月の行事と暮らし|旧暦と新暦で異なる風物詩
霜月の行事は、旧暦11月(今の12月ごろ)に由来するものと、新暦11月に行われるものの2つに分けて考えるとわかりやすくなります。代表的なものを順に見ていきましょう。
新嘗祭と勤労感謝の日
新嘗祭(にいなめさい)は、その年に収穫された新穀を神々に供え、天皇自らも口にして実りに感謝する宮中祭祀です。古くは旧暦11月の2回目の卯の日に行われていました。
明治6年(1873年)の改暦をきっかけに新暦の11月23日に固定され、戦後の1948年(昭和23年)には国民の祝日「勤労感謝の日」として受け継がれました。宮中では現在も11月23日に新嘗祭が行われています。食物月説が語るように、霜月は古くから「実りを味わい、感謝する月」でもあったといえます。

霜月祭・霜月神楽|各地に残る冬の神事
霜月の名を冠した祭りも各地に残っています。よく知られているのが、長野県飯田市の遠山郷に伝わる「遠山の霜月祭」です。煮えたぎる湯を神々に献じる「湯立神楽(ゆだてかぐら)」を中心とした祭りで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。現在も12月を中心に、地区ごとの神社で夜を通して行われています。
旧暦11月ごろは、太陽の力が弱まり、人や自然の生命力も衰える時期と考えられていました。霜月の祭りや神楽には、神々を迎えて力を呼び戻し、翌年の実りを願う意味が込められていたとされます。秋田県横手市の「保呂羽山の霜月神楽」のように、霜月神楽の名で受け継がれている行事もあります。
新暦11月の行事(立冬・七五三・酉の市)
一方、今の11月=霜月に行われる主な行事や暦の節目は、次のとおりです。
| 行事・暦 | 2026年の日付 | 内容 |
|---|---|---|
| 文化の日 | 11月3日 | 国民の祝日。自由と平和を愛し、文化をすすめる日 |
| 立冬 | 11月7日 | 二十四節気のひとつ。暦の上で冬が始まる日 |
| 酉の市 | 11月7日(一の酉)・19日(二の酉) | 11月の酉の日に鷲神社などで開かれ、縁起熊手が並ぶ |
| 七五三 | 11月15日 | 子どもの成長を祝う行事。前後の週末にお参りする家庭も多い |
| 小雪 | 11月22日 | 二十四節気のひとつ。わずかに雪が降り始めるころ |
| 勤労感謝の日 | 11月23日 | 国民の祝日。宮中では新嘗祭が行われる |
11月は、秋の名残と冬の始まりが同居する月です。立冬を過ぎると暦の上では冬に入り、下旬の小雪のころには北国から雪の便りも届き始めます。新暦の11月は「霜の月」と呼ぶには少し早い時期ですが、月末に向けて朝晩の冷え込みが増していくのを感じながら過ごすと、霜月という名前が身近に感じられるはずです。11月の行事をまとめて確認したい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

霜月の別名と手紙での使い方
霜月には、ほかにも季節や行事にちなんだ呼び名がいくつもあります。また、手紙やビジネス文書の「時候の挨拶」でも、11月の定番表現として使われています。ここでは代表的な別名と、挨拶での使い方を紹介します。
神帰月・雪待月など霜月のほかの呼び名
- 神帰月(かみきづき):10月に出雲へ集まった神々が、それぞれの土地へ帰ってくる月
- 神楽月(かぐらづき):霜月神楽など、各地で神楽が盛んに奉納される月
- 雪待月(ゆきまちづき):冬支度を終え、雪の訪れを待つ月
- 霜見月(しもみづき):霜を目にするようになる月
- 子月(ねづき)・天正月(てんしょうがつ):冬至を含む「子の月」と、暦の起点にちなむ呼び名
- 仲冬(ちゅうとう):旧暦で冬とされた10〜12月の、真ん中にあたる月
なかでも「神帰月」は、前の月である神無月と対になる呼び名です。神無月には全国の神々が出雲に集まるという言い伝えがあり、その神々が戻ってくる月が霜月、というつながりになっています。月名を2か月続けて眺めると、昔の人が1年の流れを物語のように捉えていたことが見えてきます。

「霜月の候」を使う時期と注意点
手紙やビジネス文書の書き出しでは、「霜月の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます」のように使います。「霜月の候」は月の名前そのものを使った表現なので、11月であれば時期を問わず使えるのが便利なところです。
ただ、11月上旬はまだ紅葉の盛りで、「霜」という字に季節の先取り感を覚える人もいるかもしれません。季節感をより細かく合わせたいときは、時期に応じて次のような言葉も選べます。親しい相手への手紙なら、「朝夕の冷え込みに、霜月の名を実感する頃となりました」のように、やわらかい言い回しにするのもおすすめです。
- 11月全体:霜月の候
- 11月上旬:晩秋の候・深秋の候
- 立冬(2026年は11月7日)以降:立冬の候・向寒の候
- 11月下旬:初冬の候・向寒の候
霜月についてよくある質問
- 霜月は11月と12月のどちらですか
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現在の暦では11月の別名として使われています。もともとは旧暦11月の呼び名で、今の暦に置き換えると12月上旬〜1月上旬ごろにあたるため、「12月」と混同されやすくなっています。
- 霜月の読み方を教えてください
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「しもつき」と読みます。霜が降りる月を表す「霜降月(しもふりつき)」が縮まったとする説が有力で、漢字の意味と読みが結びついた覚えやすい月名です。
- 2026年の霜月(旧暦11月)はいつからいつまでですか
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2026年12月9日から2027年1月7日までです。旧暦の月の始まりは新月の日で決まるため、毎年時期が変わります。
- 霜月は俳句の季語になりますか
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はい、「霜月」は冬の季語として扱われます。旧暦11月の呼び名であることから、冬の最中の季節感を表す言葉として使われてきました。
- 霜月の前後の月は何と呼びますか
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前の10月は「神無月(かんなづき)」、次の12月は「師走(しわす)」です。霜月の別名「神帰月」は、神無月に出雲へ集まった神々が帰ってくる月という意味で、前の月とつながりのある呼び名です。
- 「霜月の候」は11月上旬に使っても大丈夫ですか
-
問題ありません。月の名前を使った表現なので11月中いつでも使えます。季節感を細かく合わせたい場合は、上旬に「晩秋の候」、立冬以降に「向寒の候」などを選ぶ方法もあります。
まとめ|霜月は旧暦11月、冬至を含む冬の真ん中の月
霜月(しもつき)は、もともと旧暦11月につけられた和風月名で、現在は新暦11月の別名として使われています。旧暦の11月は今の12月上旬〜1月上旬ごろにあたり、2026年は12月9日から2027年1月7日までが霜月です。名前の由来は「霜降月」が縮まったとする説が有力ですが、「下な月」「食物月」など複数の説が伝えられています。
また霜月は、冬至を必ず含む「子の月」として、暦のうえで特別な位置にある月でもありました。新嘗祭や霜月祭のように、弱まった太陽の力を呼び戻し、実りに感謝する行事が集まっているのもそのためです。11月のカレンダーや手紙で「霜月」の文字を見かけたら、本来の霜の季節や冬至のことを少し思い出してみてください。
霜月は「しもつき」と読む旧暦11月の和風月名で、今は11月の別名。本来の季節は12月ごろで、冬至を含む冬の真ん中の月です。
