「小正月(こしょうがつ)って、いつのことだろう?」と気になって調べていませんか。お正月は1月1日というイメージが強いですが、じつは1月15日にも大切な節目があります。それが小正月です。
松の内が明けたころ、回覧板や神社の掲示板にどんど焼きの案内が貼り出されることがあります。スーパーの棚にゆで小豆のパックが目につきはじめるのも、ちょうどこの時期です。
この記事では、2026年の小正月がいつなのか、由来や意味、小豆粥(あずきがゆ)などの食べ物、どんど焼きといった行事まで、やさしくまとめました。読み終えるころには、小正月の過ごし方がきっとイメージできるはずです。

小正月とは?2026年はいつ
結論からお伝えすると、小正月は毎年1月15日を指します。2026年の小正月も1月15日(木)です。元日を中心とした「大正月」に対して、お正月をしめくくる節目として古くから親しまれてきました。
小正月は、二十四節気や雑節のように暦のうえで計算して決まる日ではありません。1月15日という日付そのものが、暮らしのならわしとして代々受け継がれてきました。カレンダーに行事名が刷られていないことも多く、意識していないと気づかないまま過ぎてしまいます。
2026年の小正月は1月15日(木)
小正月の日付は固定で、年によって動くことはありません。2026年は木曜日にあたります。地域によっては14日から16日の3日間を小正月とするところもあり、前後の日も含めて行事をおこなう場合があります。
大正月とくらべると、いつ訪れる日なのか意外と知られていません。お正月飾りを片づけたり、一年の無病息災を願ったりと、暮らしの区切りになる日です。
日付が動かないぶん、前もって予定に入れておきやすい行事でもあります。小豆やもち米は年末年始の買い物のついでにそろえておくと、当日は炊くだけで用意できます。
「大正月」との違い
小正月を理解するうえで欠かせないのが、大正月との違いです。大正月は1月1日を中心とした期間で、年神様(としがみさま)をお迎えする、にぎやかで公的な行事が中心になります。
いっぽう小正月は、豊作祈願や家内安全を願う、家庭的で素朴な行事が多いのが特徴です。下の表で、ふたつの違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 大正月 | 小正月 |
|---|---|---|
| 時期 | 1月1日(元日)が中心 | 1月15日 |
| 迎えるもの | 年神様 | 豊作・家内安全の願い |
| 行事の性格 | 公的・にぎやか | 家庭的・素朴 |
| 代表的なもの | 門松・初詣・お年玉 | 小豆粥・どんど焼き・餅花 |
大正月の中心にある「元旦」と「元日」は、似ているようで指す範囲が違う言葉です。使い分けは別の記事で整理しました。

旧暦との関係(満月の日だった)
なぜ1月15日が節目なのか、その答えは旧暦(きゅうれき)にあります。旧暦では新月の日を毎月1日とし、15日ごろがちょうど満月にあたりました。
つまり、かつての1月15日は新年最初の満月の日。昔の人は満月を「めでたいもの」として大切にし、この日を正月としてお祝いしていたのです。現在のカレンダー(新暦)になってからも、1月15日という日付がそのまま小正月として受け継がれています。
小正月の由来と意味
小正月は、その年の豊作や家族の健康を願う行事として根づいてきました。にぎやかな大正月とはちがい、しみじみと一年の幸せを祈る、おだやかな性格を持っています。ここでは語源や意味を見ていきましょう。
小正月の行事には、望む結果を先に祝ってしまう「予祝(よしゅく)」という考え方が流れています。実りや繁栄をあらかじめ形にして見せることで、その通りの一年になるようにと願う発想です。作物や蚕(かいこ)のように、人の力だけでは決められないものを願う場面で使われてきた考え方です。
なぜ「小正月」と呼ぶのか(語源)
「小正月」という呼び名は、旧暦の正月を「大正月」と呼んだのに対して、1月15日を「小正月」と区別したことに由来します。「大」と「小」で、ふたつの正月を呼び分けてきたわけです。
地域によっては「二番正月」「若年(わかどし)」など、別の呼び方をするところもあります。呼び名は違っても、お正月をしめくくる節目という意味は共通しています。
「十五日正月(じゅうごにちしょうがつ)」のように、日付をそのまま呼び名にした地域もあります。呼び方がいくつも残っているのは、それだけ暮らしに根づいた行事だったことのあらわれです。
豊作・家内安全を願う行事
小正月の行事には、その年の農作物の実りを願うものが数多くあります。後ほど紹介する餅花(もちばな)やまゆ玉も、豊作を祈るための飾りです。
また、家族みんなが一年を健やかに過ごせるよう、無病息災を願う風習も大切にされてきました。派手さはありませんが、暮らしに寄りそった願いが込められた行事といえます。
実りを先取りして祝う行事の代表が、成木責め(なりきぜめ)です。柿などの果樹に向かって「なるか、ならぬか」と問いかけます。木に代わってもう一人が「なります」と答え、その年の実りを約束させる形です。

大正月は「迎える」お正月、小正月は「願う」お正月、と覚えるとわかりやすいですよ。
「女正月(おんなしょうがつ)」とも呼ばれる理由
小正月には、「女正月」という別名もあります。これは、お正月(松の内)の期間に来客のもてなしや家事で忙しく働いた女性が、小正月にひと息ついて休む、という習わしから生まれた呼び名です。
関西地方などでは、この日に女性が実家へ里帰りしたり、ゆっくり過ごしたりする風習が見られました。家族のために働いた人をねぎらう、あたたかい意味合いが込められています。
共働きや家事の分担がすすんだいまは、この呼び名を耳にする機会も少なくなりました。それでも、正月の支度や来客の対応を担った人がひと息つく日という考え方は、いまの年末年始にもあてはまります。
小正月の食べ物|小豆粥(あずきがゆ)
小正月を代表する食べ物といえば、小豆粥です。1月15日の朝に小豆粥を食べて、一年の無病息災を願う風習が各地に伝わっています。古くは「望粥(もちがゆ)」とも呼ばれてきました。
小豆粥の習わしは古く、平安時代に編まれた『延喜式』にもさかのぼります。宮中では正月十五日に、米・粟・黍・稗・胡麻・小豆などを入れた七種粥(ななくさがゆ)を供えたと記されています。一般の役人には、米に小豆を入れた粥が配られました。宮中の行事だった粥が、やがて村や家庭の行事として各地へ広がっていきます。


小豆粥を食べる理由
小豆粥を食べるのは、新しい一年を健やかに過ごせるようにという願いを込めるためです。お正月のごちそうで疲れ気味の胃を、やさしいお粥で休めるという受け止め方もあります。
地域によっては、小豆粥に小さなお餅を入れて食べることもあります。家庭や土地ごとに少しずつスタイルが異なるのも、伝統行事ならではの楽しみです。
古い呼び名の「望粥」の「望」は満月を指す言葉で、満月の日に食べる粥という意味になります。七種の穀物を使った宮中の粥にくらべ、家庭に広まる過程で小豆だけを入れる形が定着しました。
小豆の赤い色と縁起
小豆粥に小豆が使われるのには、その色が関係しています。古くから日本では、小豆の赤い色には邪気を払う力があると考えられてきました。
お祝いの席で赤飯が振る舞われるのも、同じ考え方にもとづいています。新年の節目に赤い小豆を食べることで、悪いものを遠ざけ、健やかな一年を願う。そんな昔の人の縁起かつぎが、小豆粥には受け継がれているのです。
小豆粥のポイント:食べる日は1月15日の朝が基本です。赤い小豆には邪気を払う意味が込められており、一年の無病息災を願っていただきます。
小豆粥を食べるのは、実は小正月だけではありません。12月の冬至にも小豆粥(冬至粥)を炊く地域があり、同じ小豆の料理が冬のあいだに二度登場します。冬至の日付や由来はこちらにまとめました。


小正月の行事と飾り物
小正月には、地域ぐるみでおこなう行事や、家庭で楽しむ飾り物があります。代表的なのが、どんど焼きと餅花です。それぞれ豊作や家内安全への願いが込められています。順番に見ていきましょう。
どんど焼きの別名「左義長」は、平安時代の宮中でおこなわれた同じ名前の火の行事にさかのぼります。正月に青竹を束ねて立て、書き初めにあたる吉書(きっしょ)や扇、短冊を結びつけて焼く行事でした。毬杖(ぎっちょう)という木の杖を三本立てたことにちなみ、「三毬杖」とも書きます。
どんど焼き(左義長)
どんど焼きは、お正月飾りや書き初めなどを神社や広場で燃やす行事です。地域によって「左義長(さぎちょう)」「どんと焼き」「さいと焼き」など、さまざまな呼び方があります。
その火で焼いたお餅を食べると、一年を健康に過ごせるという言い伝えも各地に残っています。お正月にお迎えした年神様を、煙とともにお見送りする意味があるとされ、お正月をしめくくる行事として親しまれてきました。
書き初めを燃やしたとき、紙が高く舞い上がると字が上達する、という話が各地で語り継がれてきました。火にあたると風邪をひかない、若返るという言い伝えを持つ土地もあり、火を囲むこと自体に意味が置かれてきました。
餅花・まゆ玉(繭玉)
餅花は、紅白の小さなお餅を柳などの枝に飾りつけたもので、小正月を彩る飾り物です。たわわに実った稲穂に見立てて、その年の豊作を願う意味が込められています。
養蚕(ようさん)がさかんだった地域では、餅を繭(まゆ)の形に見立てて飾り、「まゆ玉(繭玉)」と呼びました。蚕(かいこ)がたくさんの繭を作り、養蚕がうまくいくようにという祈りが込められています。枝に飾った華やかな様子は、寒い時季の室内をぱっと明るくしてくれます。
正月飾りはいつまで?小正月との関係
お正月飾りを片づける時期は、小正月とも深く関わっています。一般的に、門松などの正月飾りを飾っておく「松の内(まつのうち)」は、関東では1月7日まで、関西では1月15日(小正月)までとされることが多いです。
関西で松の内が小正月までとされるのは、お正月の一区切りがこの日にあるためです。片づけた正月飾りは、先ほどのどんど焼きで燃やすのが昔ながらの習わしでした。飾る時期について詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。


地域に残る小正月の行事
小正月の行事は、土地ごとに形を変えて受け継がれてきました。冬のあいだ農作業が止まる地域では人手を集めやすく、村ぐるみの大きな行事に育っています。雪の多い土地では、雪そのものを使う行事も生まれました。
明治の改暦のあとは、新暦の1月15日に日取りを移した地域と、旧暦のころに合わせて月遅れでおこなう地域に分かれました。農作業の暦に合わせて日取りを決めてきたぶん、暦の切り替えの影響が大きく出た行事でもあります。保存会の手で守られ、国の指定文化財になっている行事もあります。
なまはげ・かまくら(東北)
秋田県の男鹿半島に伝わるナマハゲは、面をつけ藁(わら)の衣をまとった若者が家々をまわる来訪神の行事です。怠けをいましめ、無病息災や豊作をもたらす神として迎えられます。もとは小正月におこなわれていましたが、現在は12月31日の大晦日に実施されています。1978年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
秋田県横手市のかまくらは、雪でつくった室(むろ)に水神様をまつる行事です。中に入った子どもが、甘酒や餅で訪れた人をもてなします。旧暦の小正月にあたる時期を月遅れでおこなうため、開催は2月中旬になります。
粥占(かゆうら)・鳥追い
長野県の諏訪大社では、1月14日の夜から15日の朝にかけて筒粥神事(つつがゆしんじ)がおこなわれます。米と小豆、葦(あし)の筒を大釜で一晩炊き、筒に入った粥の詰まり方でその年の作柄を占う神事です。同じように粥で一年を占う行事は、各地の神社に残っています。
新潟県や東北には、子どもたちが唄いながら地面を打ってまわる鳥追いの行事も伝わります。作物を荒らす鳥を追い払うしぐさで、その年の実りを守りたいという願いを表したものです。
小正月が済むと、農にまつわる次の節目は2月最初の午の日にうつります。稲荷神社の祭りである初午の由来やいなり寿司との関係は、こちらで読めます。


現代の小正月の過ごし方
小正月は昔からの行事ですが、現代の暮らしのなかでも気軽に取り入れられます。むずかしく考えず、できることから楽しんでみましょう。ここでは家庭でできる過ごし方を紹介します。
小正月は暮らしの暦のうえの節目ですが、いまの会社や学校の暦とは重ならない平日に当たる年も多い日です。会社や学校の予定が中心になったいまは、15日当日にこだわらず、前後の休日に合わせて日程を組む地域も増えました。行事の規模も、集落総出でおこなっていたころにくらべると小さくなっています。
家庭でできる小正月
いちばん手軽なのは、1月15日の朝に小豆粥をいただくことです。市販のゆで小豆やレトルトを使えば、忙しい朝でも無理なく用意できます。一年の健康を願いながら、ほっとひと息つく時間になります。
小さな餅花を枝に飾って、季節を感じるのもおすすめです。お正月飾りを片づけるタイミングとして、小正月を目安にするのもよいでしょう。
1月15日の朝に小豆粥を炊きます。市販のゆで小豆を使えば手軽です。
松の内を終え、門松やしめ飾りをはずします。
近くの神社などでどんど焼きがあれば、飾りを持って参加します。
地域のどんど焼きに参加する
お住まいの地域でどんど焼き(左義長)がおこなわれることもあります。神社や自治会の掲示、市区町村のホームページなどで開催日を確認してみましょう。
正月飾りを自分で処分するのが気になる場合も、どんど焼きに出せば気持ちよく一区切りつけられます。地域によって日程や決まりが異なるため、事前の確認をおすすめします。
点火の時間は、朝からおこなう地域と、日が暮れてからおこなう地域があります。焼いた餅を配る催しがある場合は、串や軍手を持って来るよう案内されることもあります。足元が雪や泥になりやすいので、歩きやすい靴だと安心です。
小正月によくある質問
- 小正月と旧正月は同じですか?
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いいえ、別のものです。小正月は新暦の1月15日を指します。いっぽう旧正月は旧暦の元日にあたり、年によって日付が変わり、おおむね1月下旬から2月中旬ごろになります。
- 小正月にお年玉やおせちは関係ありますか?
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お年玉やおせちは、おもに大正月(元日まわり)の風習です。小正月は小豆粥やどんど焼きなど、豊作や無病息災を願う行事が中心になります。
- 1月15日は、どうしてかつて成人の日だったのですか?
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1948年に国民の祝日に関する法律ができたとき、成人の日は1月15日と定められました。小正月にあたるこの日は正月の期間内におさまり、公家や武家が元服の儀をおこなってきた日とも重ならない日付でした。1998年の法改正により、2000年からは1月の第2月曜日に移っています。
- どんど焼きには何を持って行けますか?
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受け付けているのは、しめ飾りや門松、書き初め、前年のお札やお守りといった正月にかかわるものが中心です。だるまや写真、プラスチックや金属を使った飾りは、燃やせないため断られることもあります。受付で、しめ縄の針金や飾りの袋を外すよう求められることもあり、家で外してから持って行くと手間がかかりません。
- 鏡開きと小正月は関係がありますか?
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どちらもお正月をしめくくる行事ですが、別の日です。鏡開きは関東では1月11日ごろ、関西では15日や20日ごろにおこなわれます。詳しくは関連記事も参考にしてみてください。


まとめ|小正月で一年の無病息災を願おう
小正月は1月15日にあたり、2026年も1月15日(木)です。元日中心の大正月に対し、豊作や家内安全をしみじみ願う、おだやかな節目の日でした。
小豆粥を食べたり、餅花を飾ったり、どんど焼きで正月飾りを燃やしたり。むずかしく考えず、できることから取り入れてみてください。
- 日付は1月15日で固定。14日から16日までを小正月とする地域もある
- 旧暦では新年最初の満月の日にあたり、大正月と対になる呼び名
- 食べ物は小豆粥。宮中の七種粥から家庭の行事食へ形を変えた
- 行事はどんど焼きと餅花・まゆ玉。ナマハゲやかまくらも小正月にゆかりがある
- 正月の支度をした人をねぎらう「女正月」の別名がある
この記事のまとめ:小正月は1月15日(2026年は木曜日)。旧暦で満月にあたる日でした。小豆粥で無病息災を願い、餅花で豊作を祈り、どんど焼きでお正月をしめくくる、家庭的であたたかい行事です。
お正月のはじまりだけでなく、しめくくりの日にも目を向けてみると、季節の移ろいがより豊かに感じられます。今年の小正月は、ぜひ小豆粥から始めてみてはいかがでしょうか。
時間のとれない年は朝の小豆粥だけ、近くで行事がある年は火にあたりに行くだけでも、一年の区切りとしては十分です。





















