2026年の春分の日は、3月20日(金曜日)です。
ふと気づけば、日差しがやわらかくなり、どこからともなく春の香りが漂ってくる季節。カレンダーには「春分の日」という祝日が記されていますが、「昼と夜の長さが同じになる日」という以上のことは、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
この日にお墓参りへ行く風習があるのはなぜ?ぼたもちを食べる意味は?そもそも、なぜ毎年日付が微妙に変わるの?そんな疑問を持ったことがある方も少なくないはずです。
この記事では、2026年の春分の日にまつわる基本情報から、お彼岸やお墓参りとの関係、食べ物の由来、さらには当日の過ごし方のアイデアまで、幅広くお伝えしていきます。読み終わるころには、春分の日がぐっと身近に感じられるようになるはずです。
2026年の春分の日は3月20日(金)!気になる連休事情
まずは結論から。2026年の春分の日は3月20日で、曜日は金曜日にあたります。
金曜日が祝日ということは、土日と合わせて3連休になりますね。春のお出かけ計画を立てている方には嬉しいタイミングです。
2026年3月の休日カレンダー
3月の祝日・連休を整理すると、以下のようになります。
- 3月20日(金):春分の日
- 3月21日(土):土曜日
- 3月22日(日):日曜日
つまり、3月20日から22日までの3連休が確定しています。有給休暇を使って前後に休みを足せば、さらに長い休暇にすることも可能です。たとえば、3月19日(木)に有給を取れば4連休、3月16日(月)から19日(木)まで休めば最大9連休にもなります。春の旅行やお墓参りを兼ねた帰省を考えている方は、早めに計画を立てておくとよいでしょう。
春分の日といえば「お彼岸」|お墓参りに行く理由を知ろう
「春分の日=お墓参り」というイメージを持っている方は多いと思います。この習慣は、仏教行事の「お彼岸(おひがん)」に由来しています。では、なぜこの時期にご先祖様のもとへ足を運ぶのでしょうか。その背景を紐解いてみましょう。
お彼岸とは?春分の日を中心とした7日間のこと
お彼岸とは、春分の日(または秋分の日)を真ん中の「中日(ちゅうにち)」として、その前後3日間を含めた計7日間を指します。2026年の春のお彼岸は、3月17日(火)から3月23日(月)までの1週間です。
この期間中、特に中日である春分の日にお墓参りをする方が多いですが、7日間のうちいつ行っても問題ありません。ご自身やご家族の都合に合わせて、無理のない日程でお参りするのがよいでしょう。
なぜお墓参り?「あの世とこの世が最も近づく日」という考え
仏教の世界観では、私たちが暮らすこの世を「此岸(しがん)」、ご先祖様がいらっしゃる悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。此岸は東に、彼岸は西にあると考えられてきました。
普段、太陽は東から昇って西に沈みますが、季節によってその位置は北寄りになったり南寄りになったりします。しかし、春分の日と秋分の日だけは、太陽が真東から昇り、真西に沈むのです。
この日は「此岸と彼岸が一直線に結ばれる」、つまりあの世とこの世が最も通じやすくなる特別な日だと信じられてきました。だからこそ、ご先祖様への感謝や供養の気持ちを込めて、お墓参りをする習慣が根付いたのです。
お墓参りの基本マナーと持ち物チェックリスト
せっかくお墓参りに行くなら、基本的なマナーや持ち物を押さえておきたいところ。久しぶりのお参りで「何を持っていけばいいんだっけ?」と迷う方も多いので、ここで整理しておきましょう。
持っていくと便利なもの
お墓参りに必要なものは、大きく分けて「お掃除道具」「お供え物」「その他」の3つです。お寺や霊園によっては貸し出しや販売をしているところもありますが、事前に準備しておくと安心です。
お掃除に使うものとしては、墓石を拭くための雑巾やタオル、花立てや水鉢を洗うスポンジ、落ち葉やゴミを集めるほうきとちりとり、そして水を汲むための手桶とひしゃくがあると便利です。手桶とひしゃくは墓地に備え付けのものがあることも多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。
お供え物としては、お線香、ろうそく、マッチやライター、お花(仏花)、そして故人が好きだった食べ物や飲み物などを用意します。お供えした食べ物は、カラスや野生動物に荒らされないよう、お参りが終わったら持ち帰るのがマナーです。
その他にも、数珠、ゴミ袋、虫よけスプレー、日焼け止めなどがあると重宝します。春先は気温差が激しいので、脱ぎ着しやすい上着も忘れずに。
お墓参りの基本的な流れ
お墓に着いたら、まずは合掌して一礼し、ご先祖様にご挨拶をしましょう。それからお墓の掃除に取りかかります。
掃除は、墓石についた汚れやコケを落とし、周囲の落ち葉や雑草を取り除きます。水鉢や花立てに溜まった古い水も捨てて、きれいに洗いましょう。墓石に水をかけて清めたら、新しいお花を供え、お供え物を置きます。
お線香に火をつけて香炉に立て(または寝かせ)、ろうそくにも火を灯します。準備ができたら、墓石よりも体を低くして合掌し、心の中でご先祖様に語りかけましょう。近況報告や感謝の言葉など、何を伝えても構いません。
お参りが終わったら、お供えした食べ物は持ち帰り、火の始末をしっかり確認してから帰路につきます。
春分の日の定番「ぼたもち」にはこんな意味があった
春のお彼岸に欠かせない食べ物といえば「ぼたもち」。和菓子屋さんやスーパーの店頭に並ぶのを見ると、「ああ、この季節が来たな」と感じる方も多いのではないでしょうか。この素朴なお菓子には、実は深い意味が込められています。
小豆の赤色に込められた「魔除け」の願い
ぼたもちの主役である小豆(あずき)。この小豆の赤い色には、古くから「魔除け」や「邪気払い」の力があると信じられてきました。
赤い色が災いを遠ざけるという考えは、日本のさまざまな風習に見られます。お赤飯、神社の鳥居、還暦の赤いちゃんちゃんこなど、おめでたい場面や節目に赤色が使われるのは、この信仰に基づいています。
ぼたもちをご先祖様にお供えし、家族でも食べることで、邪気を払い、無病息災を願う。そんな思いが、この時期にぼたもちを食べる習慣として受け継がれてきたのです。
「ぼたもち」と「おはぎ」は同じもの?違いを解説
「春に食べるのがぼたもちで、秋に食べるのがおはぎ」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。基本的に同じ食べ物を指しますが、季節によって呼び名が変わる、日本らしい風流な名づけ方がされています。
「ぼたもち」の名前は、春に咲く「牡丹(ぼたん)」の花に由来します。ふっくらと丸い形を、大輪の牡丹の花に見立てて「牡丹餅」と呼んだのが始まりです。一方、「おはぎ」は秋に咲く「萩(はぎ)」の花にちなんでいます。
また、あんこの種類にも違いがあるといわれています。春のぼたもちには「こしあん」、秋のおはぎには「つぶあん」を使うことが多いのだとか。これは小豆の収穫時期と関係があります。秋は収穫したばかりで皮がやわらかいため、豆の食感を活かしたつぶあんに。春は冬を越して皮が硬くなった小豆を使うため、口当たりよく仕上げるために皮を取り除いたこしあんにしたのだそうです。
ただし、これらの区別は地域や家庭によってさまざま。現代では、季節を問わず好みのあんこで楽しむ方も多いです。
手作りぼたもちに挑戦してみよう
お店で買うぼたもちもおいしいですが、せっかくの機会に手作りしてみるのもおすすめです。意外とシンプルな材料で作れるので、お子さんと一緒に楽しむのにもぴったりです。
基本の材料は、もち米(またはもち米とうるち米を混ぜたもの)、市販のあんこ、塩少々だけ。炊いたもち米を軽くつぶして俵型にまとめ、あんこで包めば完成です。
あんこを手作りする場合は少し手間がかかりますが、市販の粒あんやこしあんを使えば、30分ほどで仕上げられます。きな粉やすりごまをまぶしたバリエーションを作って、家族で食べ比べるのも楽しいですよ。
そもそも「春分の日」って何?天文学からひも解く
ここまでお彼岸や食べ物の話をしてきましたが、そもそも「春分の日」とは何なのでしょうか。国民の祝日であることは知っていても、その定義や意味を正確に説明できる人は少ないかもしれません。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日
春分の日は「国民の祝日に関する法律」で定められた祝日のひとつです。法律では、その趣旨を「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と定めています。
冬の寒さがゆるみ、草木が芽吹き、虫や動物たちが活動を始める季節の到来を、国民みんなで喜び、生命の尊さに思いを馳せる日。それが春分の日なのです。
昼と夜の長さがほぼ同じになる日
「春分」という言葉は、天文学上の現象を指しています。太陽が「春分点」と呼ばれるポイントを通過する瞬間のことで、この日は昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
「ほぼ」と書いたのは、実際には昼のほうが少しだけ長いからです。これは大気による光の屈折などが影響しています。とはいえ、この日を境に昼の時間がどんどん長くなり、夏至に向かっていきます。まさに、本格的な春の幕開けを告げる節目の日といえるでしょう。
なぜ日付が毎年変わる?その理由は地球の公転にあり
春分の日が3月20日だったり21日だったりするのは、地球の公転周期に理由があります。
地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間は、ぴったり365日ではなく、約365.2422日。この端数が毎年少しずつ蓄積されていくため、「春分」の瞬間がずれていきます。4年に1度のうるう年で調整されますが、それでも完全には吸収しきれません。
その結果、年によって春分の日が3月20日になったり21日になったりするわけです。翌年の春分の日は、前年の2月1日に国立天文台が官報で発表することで正式に決まります。
近年の春分の日一覧(2020年~2030年)
参考までに、近年の春分の日を一覧にまとめました。3月20日と21日を行ったり来たりしていることがわかります。
- 2020年:3月20日(金)
- 2021年:3月20日(土)
- 2022年:3月21日(月)
- 2023年:3月21日(火)
- 2024年:3月20日(水)
- 2025年:3月20日(木)
- 2026年:3月20日(金)
- 2027年:3月21日(日)
- 2028年:3月20日(月)
- 2029年:3月20日(火)
- 2030年:3月20日(水)
春分の日の歴史|皇室の儀式から国民の祝日へ
現在の「春分の日」という名称が使われるようになったのは、実は戦後のことです。その前身をたどると、皇室の歴史に行き着きます。
明治時代、この日は「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」という名前の祝日でした。これは、歴代の天皇や皇后、皇族の御霊をお祀りするための宮中祭祀(儀式)が行われる日で、国民も休日としてこの日を過ごしていました。秋には「秋季皇霊祭」があり、これが現在の秋分の日にあたります。
第二次世界大戦後の1948年(昭和23年)、「国民の祝日に関する法律」が施行されます。このとき、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の方針により、国家と宗教の分離を進める観点から、皇室の祭祀に由来する祝日は見直されました。
その結果、「春季皇霊祭」は「春分の日」へと名称が変わり、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という、宗教色を薄めた趣旨のもとで国民の祝日として再出発したのです。
お墓参り以外も!春分の日の過ごし方アイデア
お墓参りが春分の日の代表的な過ごし方ですが、それ以外にも、この日ならではの楽しみ方はいろいろあります。せっかくの祝日、有意義に過ごしたいですよね。
自然の中で春を感じる
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という祝日の趣旨にちなんで、自然の中で過ごすのはいかがでしょうか。公園や植物園を散策して、芽吹き始めた草木や早咲きの花を眺めるだけでも、春の訪れを実感できます。
この時期は梅が見頃を迎えている地域も多く、場所によっては早咲きの桜が楽しめることも。お弁当を持ってピクニックに出かけるのも気持ちがいいですね。
ぼたもち作りやお菓子作りを楽しむ
先ほども触れましたが、家族や友人と一緒にぼたもちを手作りするのも、春分の日らしい過ごし方です。お子さんがいるご家庭なら、あんこを丸めたりもち米をつぶしたりする作業を一緒に楽しめます。
季節の行事に合わせた料理やお菓子作りは、子どもにとっても良い思い出になりますし、日本の文化を伝える機会にもなります。
部屋の掃除や衣替えの準備
春分の日は、暦の上でも季節の変わり目。このタイミングで部屋の掃除や衣替えの準備を始めるのもおすすめです。
冬物のコートやセーターを片付けて、春物を出す。ついでにクローゼットを整理したり、不要なものを処分したり。気候が穏やかになってきた今のうちに済ませておくと、新年度をすっきりした気持ちで迎えられます。
読書や映画で静かに過ごす
アクティブに動くのが苦手な方は、家でゆっくり過ごすのも立派な選択です。春にちなんだ小説を読んだり、お気に入りの映画を観たり。ぼたもちと温かいお茶をお供に、のんびりとした休日を楽しんでみてはいかがでしょうか。
子どもに「春分の日ってなあに?」と聞かれたら
お子さんから「春分の日ってどんな日?」と質問されたとき、どう答えればいいか迷うこともあるかもしれません。難しい言葉を使わずに、わかりやすく伝えるヒントをいくつかご紹介します。
季節の変わり目として伝える
「春分の日はね、『今日からいよいよ春本番だよ』っていう特別な日なんだよ。この日からお昼の時間がだんだん長くなって、夜が短くなっていくの。だからこれから暖かくなって、お外で遊ぶのがもっと気持ちよくなるんだよ!」
自然への感謝として伝える
「『自然ってすごいね、ありがとう』って気持ちを込めてお祝いする日だよ。冬の間お休みしていた虫さんやカエルさんが目を覚ましたり、お花がきれいに咲いたりするのを、みんなで『よかったね』って喜ぶ日なんだ。」
ご先祖様への感謝として伝える
「お空にいるひいおじいちゃんやひいおばあちゃんに、『いつも見守ってくれてありがとう』って伝える日なんだよ。だからお墓参りに行ったり、ぼたもちっていう甘いお餅をお供えしたりするんだ。」
ことわざ「暑さ寒さも彼岸まで」の本当の意味
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざを聞いたことがある方も多いでしょう。これは、「厳しい冬の寒さも、うだるような夏の暑さも、お彼岸を過ぎれば和らいでくる」という意味です。
実際、春分の日を境に寒さは徐々にゆるみ、秋分の日を過ぎると残暑が落ち着いてきます。気象学的にも理にかなった言い伝えで、昔の人々が肌で感じていた季節の変化を、端的に表現した名言といえます。
「もう少しの辛抱だよ」という励ましや、「季節は必ず巡る」という安心感を込めて、今でもよく使われる表現です。
まとめ:春分の日は、自然と先祖に感謝する日
カレンダー上の「ただの祝日」だと思っていた春分の日が、実はさまざまな意味を持った奥深い一日であることがおわかりいただけたでしょうか。
天文学の視点では、太陽が真東から昇り真西へ沈む、昼夜がほぼ等しくなる春の節目。信仰や文化の視点では、ご先祖様のいる彼岸とこの世がもっとも近づく日であり、感謝と供養の気持ちを伝えるお彼岸の中日。食文化の視点では、魔除けと無病息災の願いを込めた「ぼたもち」を味わう日。そして歴史の視点では、皇室の祭祀から国民全体の祝日へと姿を変えた日。
2026年の春分の日は3月20日(金)。土日と合わせて3連休になります。お墓参りに出かけるもよし、自然の中で春を感じるもよし、家でぼたもちを作りながらのんびり過ごすもよし。
どんな過ごし方をするにせよ、この日の持つ意味を少しだけ心に留めておくと、いつもとは違った気持ちで一日を過ごせるかもしれません。自然の恵みに感謝し、ご先祖様を想い、大切な人と穏やかな時間を過ごす。そんな春分の日をお過ごしください。

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