親子丼の日は8月5日|由来は「お・や・こ」の語呂合わせ

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だしで煮た鶏肉を卵でとじて、ごはんにのせる。材料も手順も飾り気がないのに、親子丼は食堂でも家庭でも定番の座を譲りません。

その親子丼にも、専用の記念日があります。8月5日の「親子丼の日」です。日付は数字の読み方から決まっていて、由来を知ると忘れにくくなります。

この記事では、親子丼の日がいつ・誰によって定められたのかをまず整理します。そのうえで、明治の東京で生まれたとされる親子丼の来歴、他人丼やいとこ丼といった「親子ではない丼」との呼び分け、関東と関西で違う味つけ、そして家で作るときの火加減までを順にまとめました。記念日を知って終わりにせず、次に親子丼を食べるときの見え方が少し変わるところまで持ち帰ってもらえたらと思います。

目次

親子丼の日は8月5日|由来は「お・や・こ」の語呂合わせ

親子丼の日は、毎年8月5日です。日付を「0(お)8(や)5(こ)」と読む語呂合わせにちなんで定められました。日付が固定されているため、曜日にかかわらず毎年8月5日にやってきます。

まずは全体像を表で押さえておきましょう。

項目内容
記念日名親子丼の日
日付8月5日(毎年)
制定関西鶏卵流通協議会
認定・登録2018年に一般社団法人・日本記念日協会が認定
日付の由来「0(お)8(や)5(こ)」=おやこ の語呂合わせ
目的消費が落ち込みやすい夏に、卵を使った料理を食べてもらうこと

なぜ8月5日?「0805」を「おやこ」と読む

語呂合わせの記念日は、たいてい月と日の数字だけを読みます。8月5日なら「や・こ」の二音です。ところが親子丼の日は、月の頭のゼロまで使って「0805」と並べ、それを「お・や・こ」と読ませています。

三音そろえるためにゼロを一文字として数える、という発想です。日付をカレンダーやデジタル表示の「08/05」の形で思い浮かべると、読み方がそのまま重なります。

同じ「おやこ」の読みでも、親子の日は7月の第4日曜日で別の記念日です。こちらは日付が固定されていません。混同しやすいので、丼のほうは8月5日と覚えておくと安心です。

制定したのは関西鶏卵流通協議会

親子丼の日を定めたのは、関西鶏卵流通協議会です。鶏卵の流通に携わる事業者が集まった団体で、2018年に一般社団法人・日本記念日協会から記念日として認定・登録を受けています。

特定のメーカーが自社商品のために作った記念日ではありません。卵という素材そのものに目を向けてもらうための日、と考えるとしっくりきます。丼の名前が付いていますが、主役は卵の側にある記念日なのです。

夏に卵を食べてほしい、という願い

日付が真夏に置かれたのには理由があります。夏は卵の消費が落ち込みやすい時期だからです。暑さで食欲が落ち、火を使う料理が敬遠されるうえに、鍋物や茶碗蒸しのような卵の出番も減ります。

そこで、暑い盛りにも食べやすい卵料理として親子丼を挙げ、記念日の形で提案したというわけです。ごはんと具が一皿にまとまるので、献立を組み立てる手間もかかりません。

卵は良質なたんぱく質を含む食材として知られています。ただし、特定の不調に効くといった働きを期待するものではありません。暑い時期の食事を組み立てる材料のひとつ、という位置づけで考えるのが自然です。

8月上旬は、こうした食べものの記念日が続く時期でもあります。

8月上旬に並ぶ食べものの記念日
  • 8月2日…カレーうどんの日(夏バテ気味の時期を元気にという趣旨)
  • 8月3日…はちみつの日(「は(8)ちみ(3)つ」)
  • 8月5日…親子丼の日(「0(お)8(や)5(こ)」)
  • 8月6日…ハムの日(「ハ(8)ム(6)」)
  • 8月7日…バナナの日(「バ(8)ナナ(7)」)

数字の読みから生まれた記念日が数日おきに並ぶなかに、親子丼の日も収まっています。

親子丼の日は8月5日。「0(お)8(や)5(こ)」の語呂合わせから、関西鶏卵流通協議会が定め、2018年に日本記念日協会が認定した記念日です。

湯気の立つ親子丼を上から写した、明るく落ち着いた雰囲気の写真

親子丼はいつ生まれた?発祥は東京・人形町の老舗

親子丼の歴史は、明治時代の東京・日本橋人形町にさかのぼります。1760年(宝暦10年)創業の鶏料理店「玉ひで」で、明治24年(1891年)ごろに考案されたという説が広く知られています。

軍鶏鍋の締めから生まれたという説

きっかけは、客の食べ方だったと伝えられています。玉ひでの看板料理は軍鶏(しゃも)鍋でした。その鍋の残った煮汁に卵を落とし、ごはんにかけて締めにする客が少なくなかったのです。

これを見た5代目当主の妻・とくが、はじめから一皿の料理として出せる形に整えた。それが現在の親子丼の原型とされています。鍋の締めという食べ方が先にあり、料理名はあとから付いた、という順番です。

ただし、親子丼の発祥については諸説あります。玉ひで説が最も有名ですが、各地の食堂で似た料理が同じころに生まれていた可能性も指摘されています。単一の起源にまとめきれないのは、材料がどこにでもあるものだからでしょう。

90年近く「出前の味」だった

意外なのはその後です。考案されてからしばらくの間、玉ひでの親子丼は店内では出されていませんでした。あくまで出前の品目で、店の中で食べられるようになったのは1979年(昭和54年)のことだと伝えられています。

逆に言えば、約90年にわたって親子丼は「届けてもらう料理」だったことになります。丼という器の形も、蓋をして運びやすいことと無関係ではありません。冷めにくく、こぼれにくく、片手で持てる。出前と相性のよい条件がそろっています。

そば屋や食堂の出前を通じて広まったからこそ、親子丼は特定の店の名物ではなく、どこでも食べられる定番になったとも言えます。

発祥とされる店は現在も営業を続けています。ただし営業時間や提供方法は変わることがあるため、訪ねる予定があるならその都度、最新の情報を確認してください。

「親子」以外の丼もある|他人丼・いとこ丼・木の葉丼

親子丼という名前は、鶏肉と卵という「親子」の組み合わせから来ています。この理屈をそのまま押し進めると、別の組み合わせには別の名前が必要になります。実際、そう名づけられた丼がいくつも存在します。

名前主な具材名前の由来
親子丼鶏肉+卵鶏と卵で「親子」
他人丼牛肉または豚肉+卵牛・豚と卵は親子ではないので「他人」。主に関西での呼び名
開化丼牛肉+卵牛肉料理が文明開化の象徴だったことにちなむ。主に関東での呼び名
いとこ丼鴨肉+卵鶏の親戚筋にあたる鴨なので「いとこ」
木の葉丼かまぼこ+青ねぎ+卵薄切りのかまぼこが木の葉のように見えることから

他人丼と開化丼は、ほぼ同じ料理を東西で違う名前で呼んでいる例です。関西では「親子ではないから他人」という言葉遊びで、関東では「牛肉=文明開化」という時代背景で名づけた。同じ丼に対する着眼点の違いが、そのまま名前に出ています。

いとこ丼の「いとこ」も同じ発想の延長です。鶏そのものではないけれど、まったくの他人でもない。その微妙な距離感を親戚関係にたとえています。なお北海道の一部では、サーモンといくらを合わせた海鮮丼をいとこ丼と呼ぶ店もあります。こちらは魚と魚卵の「親子丼」に対する応用です。

鮭といくらを組み合わせた丼を「鮭の親子丼」と呼ぶこともあります。親子という言い方が鶏卵に限られないため、名づけの理屈だけが各地で応用されてきました。

関東と関西で違う親子丼|だしと具材の地域差

同じ親子丼でも、東西で味の印象がはっきり分かれます。大きな違いは、だしと醤油の使い方、そして一緒に煮る野菜です。

項目関東風関西風
醤油濃口醤油が中心。色が濃く出る薄口醤油や白だしが中心。色は淡い
味の傾向みりんを効かせた甘辛い仕上がりだしの香りを立てたあっさりめの仕上がり
合わせる野菜玉ねぎを使うことが多い青ねぎを使うことが多い
だしの土台かつお節の旨みが立ちやすい昆布の風味が立ちやすい

だしの傾向が分かれる背景には、水の性質の違いがあるとされています。関東の水はやや硬く、かつお節の成分が出やすい。関西の水はやわらかく、昆布のだしが引き立ちやすい。土地の水に合うだしが選ばれ、それに合う醤油が組み合わされてきた、という説明です。

玉ねぎと青ねぎの違いも印象を左右します。玉ねぎは煮ると甘みが出るので、甘辛い味つけとよくなじみます。青ねぎは香りが軽く、だしの風味を邪魔しません。どちらが正しいという話ではなく、味つけとの組み合わせで選ばれてきたものです。

もっとも、これはあくまで傾向です。関東の店で青ねぎの親子丼が出ることもあれば、その逆もあります。旅先で親子丼を頼んだとき、色や具材の違いに気づけると、土地の食文化に一歩近づけるかもしれません。

だしの色が異なる二種類の親子丼を並べた、上品で落ち着いた雰囲気の写真

家で作るときの親子丼のコツ

親子丼が家庭料理として定着したのは、道具も材料も特別なものがいらないからです。うまく作る鍵は、味つけよりも卵を入れるタイミングにあります。

STEP
割りほぐしは軽めに

卵は白身と黄身が完全に混ざりきらない程度で止めます。混ぜすぎると仕上がりが均一になり、とろりとした層ができません。菜箸で数回切るくらいが目安です。

STEP
先に鶏肉と玉ねぎを煮る

だし・醤油・みりんを合わせた煮汁で、鶏肉と玉ねぎに火を通します。この段階で鶏肉に完全に火が入っていれば、あとは卵を固めるだけになります。

STEP
卵は二回に分けて回し入れる

まず全体の三分の二を回し入れ、半分ほど固まったら残りを加えます。二段階にすると、しっかり固まった部分ととろりとした部分が同居します。

STEP
火を止めて余熱で仕上げる

二回目の卵を入れたら火を止め、蓋をして20〜30秒ほど置きます。余熱で表面が落ち着き、火が入りすぎるのを防げます。

半熟の状態を狙う場合は、卵の扱いに注意してください。生食用として販売されている卵を選び、表示された賞味期限内に使うことが前提になります。小さな子どもや体調が万全でない人に出すときは、しっかり火を通した仕上がりにしたほうが安心です。

親子丼の出来を分けるのは味つけではなく火加減です。「卵を入れたら短時間で仕上げる」。この一点だけ意識すれば、家でも店に近い食感に近づきます。

8月5日はほかにもある記念日

8月5日は「や・こ」「は・こ」「パ・ピコ」など、複数の読み方が当てはめられる日付です。そのため記念日が集まっています。

記念日由来
親子丼の日「0(お)8(や)5(こ)」の語呂合わせ
タクシーの日1912年8月5日に日本初のタクシー会社が営業を始めたことにちなむ
パピコの日「パ(8)ピコ(5)」の語呂合わせ。2本に分けられる形にちなむ
ハコの日「ハ(8)コ(5)」の語呂合わせ。段ボール箱の業界団体が制定
世界ビール・デー8月の第1金曜日に始まり、ビールに関わる人に感謝する日

同じ「8」を「や」「は」「パ」と読み分けているのが面白いところです。数字の区切り方と読み方を変えるだけで、まったく違う言葉が立ち上がります。

一方でタクシーの日は語呂合わせではありません。実際に起きた出来事の日付をとった記念日です。同じ8月5日に、由来の型が違う記念日が同居しています。

8月全体の行事や記念日を見渡したいときは、こちらもあわせてどうぞ。

親子丼の日についてよくある質問

親子丼の日は毎年8月5日で変わりませんか?

変わりません。「0(お)8(や)5(こ)」という数字の語呂合わせに由来する日付固定の記念日なので、曜日にかかわらず毎年8月5日です。

親子丼の日を決めたのはどこですか?

関西鶏卵流通協議会です。鶏卵の流通に携わる事業者の団体で、2018年に一般社団法人・日本記念日協会から認定・登録を受けています。特定のメーカーが自社商品のために定めた記念日ではありません。

どうして真夏の8月に置かれているのですか?

夏は卵の消費が落ち込みやすい時期だからです。暑さで食欲が落ち、鍋物のように卵を使う料理の出番も減ります。そこで、暑い時期にも食べやすい卵料理として親子丼を提案する、という趣旨で8月に置かれました。

親子丼はいつ、どこで生まれたのですか?

明治24年(1891年)ごろ、東京・日本橋人形町の鶏料理店「玉ひで」で考案されたという説が広く知られています。軍鶏鍋の煮汁に卵を落としてごはんにかける客の食べ方をもとに、一皿の料理として整えたと伝えられています。ただし発祥には諸説あります。

他人丼と開化丼は違う料理ですか?

ほぼ同じ料理を、地域によって違う名前で呼んでいるものです。牛肉や豚肉を卵でとじた丼を、関西では「親子ではないから他人丼」、関東では牛肉料理が文明開化の象徴だったことから「開化丼」と呼び分けてきました。

親子丼の日に決まったイベントはありますか?

全国一斉の決まった行事はありません。年によっては飲食店や卵の関連団体が独自の企画を行うことがあります。気になる場合は、その年の告知を確認してみてください。

まとめ|8月5日は一杯の丼の来歴をたどる日

親子丼の日は8月5日。「0(お)8(や)5(こ)」の語呂合わせから関西鶏卵流通協議会が定め、2018年に日本記念日協会が認定した記念日です。夏に落ち込みやすい卵の消費に目を向けてもらう、という趣旨が背景にあります。

料理としての親子丼は、明治の東京・人形町で生まれたとされます。軍鶏鍋の締めという食べ方が先にあり、一皿の料理として整えられたのが始まり。その後90年近く出前の品目であり続けたことが、全国の食堂へ広がる土台になりました。

名前の理屈は他人丼・いとこ丼・木の葉丼へと応用され、味つけは東西で分かれました。ひとつの丼から、名づけの発想と土地ごとの食文化が両方見えてきます。

見慣れた料理ほど、来歴を知る機会がありません。8月5日は、いつもの親子丼が130年ほどの時間を経てここにあることを、ひとくち目に思い出してみる日にしてみてください。

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