月見団子の数と並べ方|作り方・地域差まで一気にわかる

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十五夜が近づくと、和菓子店やスーパーの店頭に月見団子が並びはじめます。自分で用意してみようと思ったとき、最初に迷うのが「何個作ればいいのか」ではないでしょうか。

月見団子の数には、十五夜なら15個という決まりがあります。ただし13個や12個で供える考え方もあり、積み方にも向きの約束事が残っています。さらに、地域によっては団子の形そのものが違います。白くて丸い団子は、実のところ全国共通の姿ではありません。

この記事では、月見団子の数と並べ方をまず整理します。そのうえで、三方を使った供え方、関東・関西・名古屋で異なる形、粉の種類別の作り方、そして団子をお供えする理由までをまとめました。今年のお月見の準備に、そのまま使える内容にしています。

目次

月見団子の数は15個が基本|十五夜と十三夜で変わる

月見団子の数は、十五夜なら15個が基本です。「十五夜」という呼び名の数にそのまま合わせたもので、いちばん広く知られた供え方になっています。

ただし、数え方はひとつではありません。供える日や考え方によって、13個・12個・5個といった数も使われます。まずは全体を表で見ておきましょう。

供える日・考え方個数数の理由
十五夜(旧暦8月15日)15個「十五夜」の15にちなむ
十三夜(旧暦9月13日)13個「十三夜」の13にちなむ
その年の月の数にそろえる12個(閏年は13個)1年の月数と満月の回数に合わせる
略式で供える5個・3個15の一の位をとる、少人数向けに減らす

十五夜は15個、十三夜は13個

もっとも素直な数え方が、その夜の名前をそのまま個数にする方法です。十五夜には15個、十三夜には13個を供えます。数と行事名が一致しているので覚えやすく、迷ったときはこの数を選べば間違いになりません。

お月見は十五夜だけで終わりではありません。旧暦9月13日の十三夜にも月を眺める習わしがあり、こちらは日本で独自に育った風習です。両方の夜を祝う場合は、それぞれの夜に合わせて個数を変えることになります。

十五夜だけを祝って十三夜を省くことは「片見月(かたみづき)」と呼ばれ、縁起がよくないとする土地があります。気になる場合は、9月と10月の2回に分けて用意すると収まりがよくなります。

その年の月の数にそろえる12個という考え方

もうひとつ、1年の月数に合わせて12個を供える数え方があります。1年は12か月あり、満月もおよそ12回めぐってくるという考え方に基づくものです。この場合、閏月のある年は13個にします。

15個が「その夜」を表す数だとすれば、12個は「その1年」を表す数だといえます。収穫への感謝を1年単位で捧げる、という発想に近い供え方です。どちらが正しいというものではないため、家庭の習わしに合わせて選んでかまいません。

5個や3個でも問題ない理由

15個は、家族が少ないと食べきるのがなかなか大変な数です。そこで、15の一の位をとった5個で略式に供える方法が使われてきました。3個に減らす例もあります。

月見団子の本来の意味は、月に感謝を捧げて実りを祈ることにあります。個数はその気持ちを形にするための目安であって、数が足りないから供え物として無効になる、というものではありません。無理なく用意できる数を選ぶほうが、行事は続けやすくなります。

十五夜は15個、十三夜は13個が基本。1年の月数に合わせた12個や、略式の5個・3個も使われます。家族の人数に合わせて減らして構いません。

月見団子の並べ方|個数別の積み方

月見団子は平らに広げるのではなく、ピラミッド型に積み上げるのが基本です。上へ向かって積むことで、天に届くようにという意味が込められています。個数によって段の組み方が変わります。

個数下段から上段への積み方段数
15個9個(3×3)→ 4個(2×2)→ 2個3段
13個9個(3×3)→ 4個(2×2)2段
12個9個(3×3)→ 3個2段
5個4個(2×2)→ 1個2段

15個は9→4→2のピラミッド型

15個の場合は、まず下段に9個を3列×3列で並べます。その上に4個を2列×2列で重ね、最後に2個をのせて完成です。下から9・4・2と数が減っていくので、自然と三角錐に近い形になります。

積むときのコツは、下段を先に落ち着かせることです。作りたての団子は表面がやわらかく、押しつけると形が崩れます。粗熱をとってから積み上げると、角が立った美しい山になります。

一番上の2個は縦向きに置く

15個で積むときに気をつけたいのが、頂点の2個の向きです。正面から見て縦に2個が並ぶように置きます。手前と奥に1個ずつ置く、と考えるとわかりやすいでしょう。

横に2個を並べる置き方は、仏事の供え方と重なるため避けられてきました。正面から見たときに団子が1個に見える縦向きが、お月見の並べ方になります。写真を撮る位置から確認すると、向きを間違えにくくなります。

13個・12個・5個の並べ方

13個は下段に9個、上段に4個を重ねた2段構成です。12個は下段9個の上に3個をのせます。5個であれば、下段に4個を2列×2列で置き、その中央に1個をのせるだけで形になります。

いずれも下段をいちばん大きな正方形にして、上へ向かって減らしていく点は同じです。段数が少なくても、積み上がっていれば供え方としては十分に成り立ちます。

三方の上に白い月見団子が三段に積まれ、その横にススキが活けてある落ち着いた写真

月見団子の供え方|置く場所・時間・三方の使い方

月見団子は、月が見える場所に、月が昇る前後に供えるのが基本です。特別な道具がなくても用意できますが、昔ながらの形を知っておくと再現しやすくなります。

三方と半紙、なければ皿やお盆で代用

正式な供え方では「三方(さんぽう)」という白木の台を使います。三方に半紙を敷き、その上に団子を積むという手順です。半紙は、正方形の紙を三角に折って角を手前に出す敷き方が使われます。

三方は神事の道具なので、家庭に常備している人はそう多くありません。手元にない場合は、白い皿や漆塗りのお盆で代用できます。大切なのは道具そのものより、清潔なものを選んで団子を直接置かないことです。

三方がないときに使えるもの
  • 白い平皿…もっとも手に入りやすく、団子の白さも映える
  • 漆塗りや木製のお盆…行事らしい落ち着いた雰囲気になる
  • 高台のついた菓子器…三方に近い「高さ」を出せる
  • 半紙・懐紙…器の上に一枚敷くだけで供え物らしくなる

月が見える窓辺や縁側に置く

置き場所は、月が見える窓辺・ベランダ・縁側が向いています。月に向かって供えるものなので、月から見える位置に置くという考え方です。マンションであれば、月が見える側の窓辺に小さな台を置くだけで十分でしょう。

ススキを一緒に飾る場合、月から見て左側にススキ、右側に団子を置く配置がよく紹介されます。自然のものを左、人の手で作ったものを右に置く、という考え方に沿ったものです。決まりというより整え方の目安なので、飾りやすさを優先してかまいません。

供えるタイミングと下げるタイミング

供えるのは、日が沈んで月が昇りはじめる頃です。時期や地域で差はありますが、18時から21時ごろを目安にするとよいでしょう。夕食の支度と重なる時間帯なので、団子は早めに作っておくと慌てずにすみます。

下げるのは、月を眺め終わったあとで構いません。供えたままひと晩置く必要はなく、その日のうちにいただくのが一般的です。団子は日持ちしないため、翌日まで置いておくのは衛生の面でもすすめられません。

屋外に置く場合は、虫や小動物が寄ってくることがあります。長時間そのままにせず、月を眺めたら早めに室内へ戻してください。

お月見そのものの意味や、その年の十五夜の日付については、こちらの記事にまとめています。

月見団子は地域で形が違う|関東・関西・名古屋

ここまで「白くて丸い団子」を前提に説明してきましたが、その姿は全国共通ではありません。月見団子の形は地域によって大きく違い、里芋の形をしたものや、あんこを巻いたものも売られています。

地域特徴
関東白くて丸いまん丸に近い形。何もつけずに積み上げる
関西細長い里芋型まわりにあんこを巻きつける
名古屋周辺しずく型白・茶・ピンクの三色で作られることが多い

関東は白くて丸い団子

関東でなじみ深いのは、白くて丸い団子です。満月を思わせる形で、味つけをせずに積み上げます。全国的に紹介される機会が多いため、これが月見団子の標準だと受け止められがちです。

味がついていないぶん、食べるときにきなこ・あんこ・みたらしを添える楽しみ方ができます。供えるときは何もつけず、下げてから好みの味を添えると、供え物としての姿と食べやすさの両方を満たせます。

関西は里芋型にあんこを巻く

関西の月見団子は、細長い楕円形をしています。里芋をかたどった形で、まわりにあんこを帯のように巻きつけるのが特徴です。積み上げるというより、皿に並べる形で供えられます。

この形には理由があります。十五夜はもともと、秋に収穫した里芋を供える行事でもありました。十五夜が「芋名月」とも呼ばれるのはそのためです。関西の団子は、里芋を供えていた頃の名残を形として残していると考えられています。

名古屋はしずく型の三色団子

名古屋周辺では、関西の楕円形からさらに片側を細くした「しずく型」が主流です。白・茶・ピンクの三色で作られることが多く、店頭に並ぶと華やかに見えます。

色にも意味づけがあり、茶色は皮つきの里芋、白は皮をむいた里芋を表しているとされます。関西と同じく里芋を下敷きにしながら、色で表現を広げた形だといえます。このほかにも、あんを包み込んだものや中央をくぼませたものなど、土地ごとの月見団子が各地に残っています。

白くて丸い団子は「関東の形」であって、全国の標準ではありません。里芋を供えていた頃の記憶が、関西や名古屋では団子の形そのものに残っています。

白い丸型と、あんこを巻いた細長い里芋型の月見団子を並べて比べた写真

月見団子の作り方|粉の違いと基本の手順

月見団子は、粉と水があれば作れます。むずかしい工程はありませんが、使う粉によって仕上がりの食感が変わる点だけ押さえておくと失敗しにくくなります。

上新粉・だんご粉・白玉粉の違い

団子作りに使われる粉は主に3種類あります。原料の米が違うため、こね方も仕上がりも別ものになります。

粉の種類原料こねる水仕上がり
上新粉うるち米熱湯歯切れがよく、形が崩れにくい
だんご粉うるち米+もち米扱いやすく、失敗が少ない
白玉粉もち米やわらかく、もちもちする

積み上げて供えるなら、形が崩れにくい上新粉かだんご粉が向いています。白玉粉だけで作るとやわらかく仕上がるため、下段の団子がつぶれやすくなります。はじめて作るなら、水でこねられて扱いやすいだんご粉が無難でしょう。

基本の作り方

だんご粉を使う場合の手順です。分量の目安は、だんご粉200gに対して水が150ml前後。15個を作るのにちょうどよい量になります。

STEP
粉に水を少しずつ加えてこねる

ボウルに粉を入れ、水を数回に分けて加えます。一度に入れるとゆるくなりすぎるので、様子を見ながら足してください。耳たぶくらいのかたさになるまでこねます。

STEP
同じ大きさに丸める

生地を必要な数に分けてから丸めると、大きさがそろいます。積み上げたときの安定感は、この均一さで決まります。直径3cmほどを目安にするとバランスがとれます。

STEP
たっぷりの湯でゆでる

沸騰した湯に団子を入れます。しばらくすると浮き上がってくるので、そこからさらに2〜3分ゆでるのが目安です。鍋に入れすぎるとくっつくため、数回に分けてゆでてください。

STEP
冷水にとって水気を切る

ゆで上がったら冷水にとり、粗熱をとります。しっかり冷ますと表面が締まり、積んでも形が保てます。ざるにあげて水気を切ってから積み上げてください。

市販品を選ぶときの見方

作る時間がとれないときは、和菓子店やスーパーで買う方法があります。十五夜の数日前から店頭に並びはじめ、当日は夕方に売り切れることも珍しくありません。予約を受け付けている和菓子店もあります。

選ぶときは、積んで供えるのか、そのまま食べるのかを先に決めておくとよいでしょう。積むなら白い丸型、味を楽しむなら関西風のあんこ巻きや三色団子が向いています。パック入りの商品は積み上げにくい配置のこともあるため、個数と形を確認してから選んでください。

月見団子をお供えする理由|丸い形に込められた意味

月見団子を供えるのは、その年の収穫に感謝し、翌年の実りを願うためです。丸い形は満月をかたどったもので、家族の円満を願う意味も重ねられてきました。

満月を表す丸い形

団子の丸い形は、空に浮かぶ満月をそのまま写したものです。月に見立てたものを月に供えるという、素直な発想からきています。欠けたところのない丸には、円満や健康を願う気持ちも込められました。

供えたあとの団子をいただくのも、意味のある行いとされてきました。月に供えたものを分けてもらうことで、その力にあやかるという考え方です。作った団子を残さず食べるところまでが、お月見の流れといえます。

里芋から団子へ変わった経緯

月見団子は、はじめから団子だったわけではありません。十五夜はもともと、秋に収穫した里芋を供えて感謝する行事でもありました。「芋名月」という別名は、その頃の呼び名が残ったものです。

その後、米で作った団子が供え物として広まったと考えられています。関西や名古屋の団子が里芋の形をしているのは、この移り変わりの途中の姿が残ったためという見方が有力です。ただし詳しい経緯には諸説あり、ひとつに定まってはいません。

月そのものの呼び名や、満月がめぐってくる日付については、こちらの記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

月見団子は何個用意すればいいですか?

十五夜は15個、十三夜は13個が基本です。1年の月数に合わせた12個(閏年は13個)や、略式の5個・3個も使われます。家族の人数に合わせて減らしても問題ありません。

一番上の団子は2個ですか、1個ですか?

15個で積む場合は2個です。正面から見て縦に並ぶよう、手前と奥に1個ずつ置きます。横に2個並べる置き方は仏事の供え方と重なるため避けられてきました。

三方がない場合はどうすればいいですか?

白い皿やお盆で代用できます。半紙や懐紙を一枚敷いてから団子を置くと、供え物らしく整います。高台のついた菓子器を使うと、三方に近い高さが出せます。

月見団子はいつ供えて、いつ食べますか?

日が沈んで月が昇る頃、18時から21時ごろを目安に供えます。月を眺め終わったら下げて、その日のうちにいただくのが一般的です。団子は日持ちしないため、翌日まで置くのは避けてください。

月見団子に味をつけてもいいですか?

関東風の白い団子は、供えるときは何もつけないのが基本です。下げたあとに、きなこ・あんこ・みたらしなどを添えて食べる形であれば問題ありません。関西の団子は、はじめからあんこを巻いた状態で供えます。

どの粉で作るのがいちばん簡単ですか?

だんご粉です。水でこねられて扱いやすく、積み上げても形が崩れにくい仕上がりになります。上新粉は熱湯でこねる必要があり、白玉粉はやわらかくなりすぎて積みにくくなります。

まとめ|月見団子は数・向き・形の3つを押さえる

月見団子の数は、十五夜なら15個、十三夜なら13個が基本です。1年の月数に合わせた12個や、略式の5個という数え方もあります。並べ方は下から9個・4個・2個と積み上げるピラミッド型で、頂点の2個は正面から見て縦に置きます。

供えるのは月が見える窓辺や縁側。三方に半紙を敷くのが正式ですが、白い皿とお盆でも十分に形になります。月を眺め終えたら下げて、その日のうちにいただきましょう。

そして、白くて丸い団子は関東の形にすぎません。関西では里芋型にあんこを巻き、名古屋ではしずく型の三色団子が並びます。里芋を供えていた頃の記憶が、地域ごとの形として今も残っているわけです。

数・向き・形。この3つさえ押さえておけば、月見団子の準備で迷うことはありません。今年は自分の手で積み上げて、月の昇る時間を待ってみてください。

9月のお月見にあわせて、季節の風物詩をまとめた記事もあります。

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