夏の終わりを告げる8月。カレンダーや天気予報で「立秋」「処暑」という言葉を見かけて、どんな意味なのか気になった方も多いのではないでしょうか。
8月の二十四節気は「立秋(りっしゅう)」と「処暑(しょしょ)」の2つです。どちらも夏から秋への移り変わりを表す、暦の上での大切な節目になります。
この記事では、2026年の日付や読み方、それぞれの意味、暮らしへの取り入れ方までをやさしくまとめました。残暑が続く時期を、季節の言葉とともに楽しむヒントが見つかります。
8月の二十四節気は「立秋」と「処暑」の2つ
8月には、二十四節気のうち「立秋」と「処暑」という2つの節気が訪れます。立秋で暦の上の秋がはじまり、処暑で厳しい暑さが落ち着いていく、という流れです。
まずは2026年の日付と、二十四節気そのものの考え方を確認しておきましょう。
前後の節気まで含めて並べると、7月下旬の大暑(たいしょ)から立秋、処暑を経て、9月上旬の白露(はくろ)へと進みます。夏の最後の暑さと秋の入り口が同じ月に同居する、季節の呼び名が入れ替わる月が8月です。
2026年の立秋・処暑はいつ?
2026年の立秋と処暑の日付は、次のとおりです。二十四節気は「その日1日」を指す場合と、「次の節気までの期間」を指す場合があります。
| 節気 | 読み方 | 2026年の日付 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 立秋 | りっしゅう | 8月7日 | 8月7日〜8月22日頃 |
| 処暑 | しょしょ | 8月23日 | 8月23日〜9月6日頃 |
日付は地球の動きをもとに国立天文台が計算し、暦要項として公表しており、年によって1日ほど前後することがあります。2026年は立秋が8月7日(金)、処暑が8月23日(日)です。
表の「期間の目安」は、その節気の日から次の節気の前日までを指しています。処暑の期間が9月6日頃までで区切られているのは、翌9月7日に次の節気である白露が控えているためです。
そもそも二十四節気とは?
二十四節気とは、1年を太陽の動きにあわせて24等分し、季節の移り変わりに名前を付けたものです。古代中国で生まれ、日本でも農作業や行事の目安として長く使われてきました。
春夏秋冬をそれぞれ6つに分けるため、1つの節気はおよそ15日間。立春・夏至・立秋・冬至などが、その代表的な区切りにあたります。
24の名前は、ばらばらに並んでいるわけではありません。月の前半にあたる「節気(せっき)」と、後半にあたる「中気(ちゅうき)」が12ずつ交互に並ぶ構造です。立秋は節気、処暑は中気にあたります。
この区別は旧暦で重要な役割を持っていました。どの中気が入るかで、旧暦の月の名前が決まったのです。中気が1つも入らない月は閏月(うるうづき)として差し込み、月の満ち欠けによる暦と実際の季節のずれを調整していました。

「暦の上では秋なのに、どうしてこんなに暑いの?」と感じるのは、まさに立秋の頃の風物詩なんです。
立秋(りっしゅう)とは|秋の気配が立つ日
立秋は「秋の気配が立ちはじめる日」を意味する二十四節気です。暦の上ではこの日から秋となり、挨拶状の表現も「暑中見舞い」から「残暑見舞い」へと切り替わります。
とはいえ実際の気温は1年で最も高い時期と重なり、厳しい暑さが続きます。暦と体感のギャップが大きいのが、立秋の特徴です。
並び順で見ると、立秋は24ある節気のうち13番目に置かれています。秋の6つの節気(立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降)の先頭にあたり、夏の最後の節気である大暑の次に巡ってくる区切りです。
立秋の意味と読み方
立秋は「りっしゅう」と読みます。「立」には新しい季節がはじまるという意味があり、立春・立夏・立冬と並ぶ、季節の節目を表す言葉です。
立秋を過ぎると、暦の上ではすべて「秋」として扱われます。朝晩にわずかな涼しさや、ひぐらしの声に秋の入り口を感じる頃でもあります。
四立(しりゅう)とは立春・立夏・立秋・立冬の総称で、その前日はいずれも節分にあたります。節分はもともと「季節を分ける」という意味の言葉で、本来は年に4回ありました。
豆まきの行事が立春の前日だけに残ったため、いまは節分といえば2月を思い浮かべます。ただ暦のうえでは、立秋の前日も同じ節分です。2026年なら8月6日(木)がその日にあたり、翌7日から呼び名が秋へ切り替わります。
立秋の七十二候(涼風至・寒蝉鳴・蒙霧升降)
立秋の期間は、さらに3つの七十二候に分けられます。それぞれが、季節の小さな変化を映し出しています。
- 涼風至(すずかぜいたる):8月7日頃〜。涼しい風が吹きはじめる時期
- 寒蝉鳴(ひぐらしなく):8月12日頃〜。ひぐらしが鳴きはじめる、お盆の頃
- 蒙霧升降(ふかききりまとう):8月17日頃〜。深い霧が立ちこめる、立秋の終わり
3つの候に共通しているのは、気温そのものを言っていない点です。風・虫の声・霧という、目に見えにくい変化を手がかりに秋を探しています。日中の暑さが変わらなくても季節は動いている、という見方がここに表れています。
各候の由来や2026年の日付を候ごとに知りたい方は、こちらの記事でくわしくまとめています。


立秋の頃の暮らし・旬
立秋の時期は、お盆や夏祭りなど夏の行事が集まります。一方で、挨拶状は残暑見舞いに切り替わり、少しずつ秋の準備がはじまる頃でもあります。
旬の食べ物では、すいか・桃・とうもろこしといった夏の味覚が引き続き楽しめます。立秋についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
俳句の世界でも、立秋は言葉づかいが切り替わる日です。この日を過ぎると「残暑」「新涼」といった秋の季語を使います。同じ暑さでも、立秋の前なら夏、後なら秋の言葉で言い表すという約束です。暦が生活の言い回しを動かしている、わかりやすい例といえます。


処暑(しょしょ)とは|暑さが落ち着く頃
処暑は「暑さがおさまる頃」を意味する二十四節気です。「処」には「とどまる・落ち着く」という意味があり、厳しい残暑がようやく和らいでいく時期を表します。
朝晩には涼しい風を感じる日が増え、夏から秋への移り変わりがはっきりしてくる頃です。
処暑は二十四節気の14番目で、立秋のおよそ15日後に巡ってきます。秋の6つの節気では2番目にあたり、この日を過ぎると次は9月上旬の白露です。立秋が秋のはじまりを告げる節気だとすれば、処暑は暑さの側から夏の終わりを告げる節気だといえます。
処暑の意味と読み方
処暑は「しょしょ」と読みます。日中はまだ暑さが残るものの、ピークは越えて、少しずつしのぎやすくなっていきます。
2026年の処暑は8月23日。立秋から数えておよそ半月後にあたり、夏の終わりを実感しやすい節気です。
「処」という字は、もともと「その場にとどまる」「おさまる」という状態を表します。「処する」「善処」といった熟語にも、物事をあるべきところへ収めるという意味合いが残っています。暑さが消えてなくなるのではなく、行き場に落ち着いていく。名前からは、そんなニュアンスが読み取れます。
処暑の七十二候(綿柎開・天地始粛・禾乃登)
処暑の期間も、3つの七十二候に分かれています。実りや涼しさを感じさせる言葉が並びます。
- 綿柎開(わたのはなしべひらく):8月23日頃〜。綿を包むがくが開く時期
- 天地始粛(てんちはじめてさむし):8月28日頃〜。ようやく暑さが鎮まる頃
- 禾乃登(こくものすなわちみのる):9月2日頃〜。稲が実りはじめる時期
名前に使われた漢字をほどくと、性格がよく見えてきます。綿柎開の「柎(はなしべ)」は花の付け根にあるがくのことです。禾乃登の「禾」は「のぎ」と読み、稲などの穀物を指します。稲・穂・秋といった実りの字が禾偏(のぎへん)でそろっているのも同じ理由です。
綿の収穫、暑さの鎮まり、稲の実り。処暑の3つの候は、いずれも農作業の節目と重なっています。七十二候が田畑の仕事の目安として使われてきたことが、言葉の並びからうかがえます。
処暑の頃の暮らし・旬
処暑の頃は、台風が増える時期としても知られています。雑節の「二百十日(にひゃくとおか)」もこの前後にあたり、農家では風への備えが意識されてきました。
食卓では、なし・ぶどう・いちじくなど秋の果物が並びはじめます。処暑のより詳しい内容は、こちらの記事でまとめています。
二百十日は立春から数えて210日目にあたる雑節で、2026年は9月1日(火)です。稲が花をつける大切な時期と重なるため、風の被害を警戒する日として語り継がれてきました。
気象庁は、台風の発生・接近・上陸はいずれも7月から10月に多いとしており、発生数だけで見ると8月が1年で最も多い月です。処暑の頃に空模様を気にする習わしには、こうした背景があります。


立秋と処暑の日付はどう決まる?
立秋も処暑も、毎年同じ日付に固定されているわけではありません。日付を決めているのはカレンダーの都合ではなく、地球から見た太陽の位置です。その位置に達する瞬間が何日になるかは、年ごとにわずかに動きます。
日本では国立天文台が計算し、前年の2月に官報で公示される「暦要項(れきようこう)」が公式の日付になります。2026年分は2025年2月3日に公表されました。
市販のカレンダーや新聞に載る二十四節気も、もとをたどればこの暦要項の値です。
太陽黄経135度が立秋、150度が処暑
二十四節気は、太陽が天球上を1年かけて一周する道すじ(黄道)を24等分して決められています。春分点を0度として測ったこの角度を太陽黄経(たいようこうけい)といい、15度進むごとに次の節気へ移ります。
立秋は太陽黄経が135度、処暑は150度になる瞬間を含む日です。角度で区切っているので、その年の暑さや気温の平年値とは関係なく日付が決まります。
135度と150度は、夏至(90度)から45度・60度ぶん進んだ位置です。夏至から立秋までがおよそ1か月半、そこから処暑までが約15日という間隔も、この角度から素直に導けます。
立秋・処暑の日付が1日ずれる仕組み
地球が太陽のまわりを1周するのに必要な時間は約365.2422日。暦の1年である365日より、0.2422日ぶん長い端数が出ます。この端数が持ち越されるため、立秋や処暑を迎える時刻は前年より6時間ほど遅い側へ動いていきます。
4年ぶんたまれば24時間、つまり丸1日になりますが、その手前でうるう年が2月29日を差し込んで日付を引き戻します。立秋が8月7日か8日、処暑が8月22日か23日のあいだで揺れ動くのは、この積み重なりと引き戻しが繰り返された結果です。
135度と150度は15日ぶん離れているため、2つの節気が同じ年に同じだけ動くとはかぎりません。「立秋は必ず8月7日」と丸暗記する必要はないということです。立秋は8月上旬、処暑は8月下旬という幅でとらえておけば、実際の暦とずれずにすみます。
「暦の上では秋」なのに暑いのはなぜ?
よく挙げられる説明は、二十四節気が中国内陸の気候をもとに整えられた区分で、日本の実感とずれるという成り立ちの話です。この点は立秋の記事で取り上げているので、ここでは日本の気候でも同じように起きる、もう1つの物理的なずれに絞ります。
それは、日射の強さと気温のピークがずれることです。地面や海は暖まるまでに時間がかかるため、太陽が最も高くなる夏至から実際の気温の山までは1か月半ほど遅れます。その山が来るのが、ちょうど立秋の頃です。
暦は太陽の位置を、体感は蓄えられた熱を見ています。立秋の暑さは暦が間違っているのではなく、2つのものさしが別々の場所を指しているだけだと考えると納得しやすくなります。
2027年以降の立秋・処暑はいつ?
暦要項として公表され、確定しているのは2027年分までです。2027年は立秋が8月8日(日)、処暑が8月23日(月)にあたります。
| 年 | 立秋 | 処暑 |
|---|---|---|
| 2026年 | 8月7日(金) | 8月23日(日) |
| 2027年 | 8月8日(日) | 8月23日(月) |
2028年以降の日付は、その前年の2月に公表される暦要項ではじめて確定します。翌々年の予定を組むときも、確定値は毎年2月の公表を待つのが確実です。
8月の二十四節気を暮らしに取り入れるヒント
二十四節気は、季節の移ろいに目を向けるきっかけになります。立秋・処暑を意識すると、何気ない8月の日々に小さな彩りが加わります。
ここでは、挨拶や旬の食べ物を通して、暦を暮らしに取り入れる方法を紹介します。
といっても、特別な行事を用意する必要はありません。挨拶の言い回しを1つ変える、買い物かごに入れる果物を1つ変える。それだけでも季節の節目は十分に感じられます。日付を覚えておくことが、そのままきっかけになります。
季節の挨拶(残暑見舞いの時期)
暑中見舞いと残暑見舞いの切り替えは、立秋が目安です。立秋(2026年は8月7日)を過ぎたら「残暑見舞い」として送るのが一般的です。
見舞い状の切り替え
- 立秋の前まで(〜8月6日頃):暑中見舞い
- 立秋以降(8月7日頃〜):残暑見舞い
- 送る目安:8月末頃まで
迷いやすいのは、投函の日と到着の日のどちらで判断するかです。基準は相手に届く日で、2026年なら8月6日頃までに届くなら暑中見舞い、7日以降に届くなら残暑見舞いになります。立秋当日に届くものは残暑見舞いとして扱います。
8月末を過ぎてしまったときは、見舞いの形にこだわらず、近況を伝える手紙として出すほうが自然です。時期の考え方や書き出しの文例は、こちらの記事で扱っています。


旬の食べ物・行事
8月は、夏の名残と秋の走りが入りまじる時期です。旬の食材を取り入れると、季節の移り変わりを舌でも感じられます。
- 立秋の頃:すいか、桃、とうもろこし、枝豆
- 処暑の頃:なし、ぶどう、いちじく、新米の走り
同じ8月でも、上旬と下旬では売り場の主役が入れ替わります。すいかや桃が積まれていた場所に、処暑を過ぎる頃からなしやぶどうが増えていきます。その入れ替わりを目で追うだけでも、暦の進み方がつかめます。産地の表示が北へ移っていくのも、この時期ならではの変化です。


8月の二十四節気に関するよくある質問
- 8月の二十四節気はいくつありますか?
-
立秋と処暑の2つです。2026年は立秋が8月7日、処暑が8月23日にあたります。
- 立秋なのに暑いのはなぜですか?
-
二十四節気は太陽の位置をもとに定められており、実際の気温の変化より少し早く季節が進むためです。立秋の頃は1年で最も暑い時期と重なります。
- 暑中見舞いと残暑見舞いの境目はいつですか?
-
立秋が目安です。立秋の前までが暑中見舞い、立秋以降が残暑見舞いになります。2026年は8月7日が境目です。
- 二十四節気と七十二候の違いは何ですか?
-
1年を24に分けたものが二十四節気、それをさらに3つずつ細かく分けて72にしたものが七十二候です。
- 節気が2つしかないのは8月だけですか?
-
いいえ、どの月にも原則2つずつ入ります。7月は小暑と大暑、9月は白露と秋分という具合に、24を12か月へ振り分ける形です。8月に立秋と処暑が並ぶのは、その順番のなかで夏と秋の境目にあたるためです。
- 旧暦の8月も立秋・処暑の頃を指しますか?
-
いいえ、旧暦の八月はいまの暦では9月から10月上旬ごろにあたります。立秋・処暑が入るのは旧暦では七月です。旧暦の月名と新暦の月番号は1か月ほどずれるので、古い行事の時期を調べるときは気をつけてください。
まとめ
8月の二十四節気は、暦の上で秋がはじまる「立秋」と、暑さが落ち着いていく「処暑」の2つでした。2026年は立秋が8月7日、処暑が8月23日です。
- 2026年は8月7日(金)に立秋、8月23日(日)に処暑を迎える
- 日付は太陽黄経135度・150度で決まり、年によって1日動く
- 立秋を境に暑中見舞いは残暑見舞いへ。送る目安は8月末まで
- 処暑の前後は二百十日(2026年は9月1日)と重なり、風への備えが意識されてきた
立秋=秋の入り口、処暑=暑さの落ち着き。この2つを覚えておくと、8月の季節の移り変わりがぐっと感じやすくなります。
まだまだ残暑が厳しい時期ですが、暦をきっかけに季節の小さな変化に目を向けてみてください。残暑見舞いや旬の食べ物とあわせて、夏の終わりを楽しむヒントになればうれしいです。
8月23日の処暑を過ぎたら、残暑見舞いは8月末までに送り終える。この線引きを1つ覚えておくだけでも、立秋と処暑は暮らしのなかで働いてくれます。
前後の月の二十四節気も知りたい方は、あわせてこちらもどうぞ。
























