カレンダーの8月13日の欄に「月遅れ盆迎え火」と書かれているのを見て、「これは何をする日なのだろう」と気になった方は多いのではないでしょうか。読み方は「つきおくれぼん むかえび」。8月に行うお盆の初日に、ご先祖様をお迎えする火を焚く日のことです。
この記事では、「月遅れ盆」という言葉の意味から、2026年の日程、迎え火を焚く時間帯とやり方、マンションなど火が焚けない住まいでの代用方法までをまとめて解説します。
先に結論をお伝えすると、2026年の月遅れ盆の迎え火は8月13日(木)の夕方から日没ごろに焚くのが一般的です。
月遅れ盆の迎え火はいつ?2026年は8月13日(木)の夕方
月遅れ盆の迎え火は、毎年8月13日に行います。2026年は8月13日が木曜日にあたります。カレンダーに「月遅れ盆迎え火」と印字されているのはこの風習を指したもので、祝日や休日ではありません。
2026年の月遅れ盆の日程
月遅れ盆は8月13日から16日までの4日間です。初日に迎え火でご先祖様をお迎えし、最終日に送り火でお見送りする流れになっています。
| 日付 | 呼び方 | すること |
|---|---|---|
| 8月13日(木) | 迎え盆(盆の入り) | お墓参り・夕方に迎え火 |
| 8月14日(金) | 中日 | お供え・法要など |
| 8月15日(土) | 中日 | 家族でご先祖様を偲ぶ |
| 8月16日(日) | 送り盆(盆明け) | 夕方以降に送り火 |
最終日の送り火のやり方や時間帯については、こちらの記事で詳しく解説しています。

迎え火を焚く時間帯は夕方から日没前が目安
迎え火を焚く時刻に、厳密な決まりはありません。ただ、「ご先祖様が暗くなる前に迷わず帰ってこられるように」という考え方から、夕方の17時ごろから日没までの時間帯に焚く家庭が多いようです。
8月中旬の日没は、東京でおおよそ18時半ごろです。仕事などで夕方に間に合わない場合は、帰宅後の暗くなった時間に焚いても差し支えありません。大切なのは時刻の正確さよりも、お迎えする気持ちのほうです。
「月遅れ盆迎え火」とは?カレンダーに載る言葉の意味
「月遅れ盆」とは、本来は旧暦7月15日を中心に行われていたお盆を、新暦(今の暦)でひと月遅らせて8月15日を中心に行うものを指します。現在の日本で最も広く行われているお盆の形です。
なぜ1か月遅らせたのか|改暦と農繁期の事情
きっかけは明治6年(1873年)の改暦です。日本がそれまでの太陰太陽暦(旧暦)からグレゴリオ暦(新暦)に切り替わった際、行事の日付をどう扱うかが問題になりました。
旧暦7月15日をそのまま新暦7月15日に読み替えると、多くの農村では田の草取りや養蚕などの農繁期と重なってしまいます。そこで、季節感を保ちながら落ち着いてご先祖様を迎えられるよう、ひと月遅らせた8月15日前後にお盆を行う地域が広がった、とされています。
7月盆・沖縄の旧盆との違い
お盆の時期は全国一律ではなく、大きく3つの方式があります。
| 方式 | 時期 | 主な地域 |
|---|---|---|
| 7月盆(新盆) | 7月13日〜16日 | 東京都心部・横浜市の一部・金沢市の旧市街など |
| 月遅れ盆 | 8月13日〜16日 | 全国の大部分 |
| 旧盆(旧暦盆) | 旧暦7月13日〜15日(毎年変動) | 沖縄・奄美地方など |
沖縄などの旧盆は旧暦に基づくため、新暦の日付が毎年変わるのが特徴です。お盆の期間の地域差については、こちらの記事で詳しくまとめています。

迎え火の意味|ご先祖様が迷わず帰るための目印
迎え火は、お盆に帰ってくるご先祖様の霊が道に迷わず家までたどり着けるように灯す目印です。玄関先や庭先で焚いた火と立ちのぼる煙を頼りに、ご先祖様が帰ってくると考えられてきました。

迎え火の由来と歴史
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、仏教の行事に日本古来の祖霊信仰が結びついて今の形になったと考えられています。家の門口で火を焚く風習は、平安時代から鎌倉時代にかけて行われていた「門火(かどび)」に由来するという説が有力です。
お盆全体の意味や由来を知っておくと、迎え火の位置づけもより分かりやすくなります。

迎え火のやり方|用意するものと手順
迎え火のやり方はシンプルです。夕方に玄関先や庭先で、素焼きの皿に「おがら」をのせて火を灯し、合掌してお迎えします。まずは道具から確認しましょう。
用意するもの
- 焙烙(ほうろく):素焼きの平たいお皿。耐熱皿でも代用可
- おがら:麻の茎の皮をむいて乾燥させたもの
- マッチやライター、点火用の新聞紙など
- 消火用の水(バケツに用意しておく)
おがらと焙烙は、8月上旬になるとスーパーやホームセンター、花屋、仏具店などで手に入ります。おがらは「麻がら」の名前で売られていることもあります。迎え火と送り火の両方で使うので、2回分あると安心です。
迎え火の手順
13日の午前中から日中にかけてお墓参りを済ませ、仏壇や盆棚(精霊棚)を整えてお供え物を用意します。地域によっては、お墓で灯した火を提灯に移して持ち帰る風習もあります。
夕方になったら、玄関先や庭先の燃えやすいものがない場所に焙烙を置き、おがらを折って積み重ねます。風が強い日は火の粉が飛びやすいので、置き場所に注意してください。
おがらに火を灯し、煙が立ちのぼったら手を合わせて、ご先祖様を静かにお迎えします。「おかえりなさい」という気持ちで見守りましょう。盆提灯があれば、このタイミングで灯りをともします。
おがらが燃え尽きたら、用意しておいた水をかけて完全に消火します。燃え残りや灰は冷めたことを確認してから、お住まいの自治体のルールに従って処分してください。
迎え火ができないときの代用|マンション・集合住宅の場合
マンションやアパートでは、共用部分での火気の使用が禁止されていることがほとんどです。その場合、無理に火を焚く必要はありません。火を使わない形でご先祖様をお迎えする方法が広く行われています。
盆提灯やLEDライトで代用する
最も一般的なのは、盆提灯を灯す方法です。迎え火はもともと「ご先祖様への目印」なので、玄関や窓辺、仏壇のそばに提灯の明かりを灯せば、同じ役割を果たすと考えられています。
- 電池式・コード式の盆提灯を玄関や仏壇のそばに灯す
- LEDろうそくを焙烙の代わりに置いてお迎えする
- ベランダなど火気が許される範囲で、ごく小さく焚く(管理規約の確認を)

迎え火をしない地域・宗派もある
迎え火は必ず行わなければならないものではありません。たとえば浄土真宗では、亡くなった方はすぐに極楽浄土に往生するという教えから、霊がお盆に帰ってくるという考え方をとらず、迎え火や送り火は基本的に行いません。
また、地域や家庭によっても風習はさまざまです。やり方に迷ったときは、菩提寺や親族に確認してみると安心です。
大切なのは形式ではなく、ご先祖様を思う気持ちです。住まいの事情に合わせて、できる形でお迎えすれば十分とされています。
月遅れ盆の迎え火に関するよくある質問
- 迎え火は8月13日以外の日に焚いてもいいですか?
-
13日の夕方が基本ですが、仕事や帰省の都合で難しい場合は、12日の夕方に「前火」として焚く地域もあります。家庭の事情に合わせて、無理のない日程でお迎えして問題ありません。
- 雨の日はどうすればいいですか?
-
軒下や玄関の内側など、雨のかからない安全な場所で小さく焚くか、盆提灯やLEDろうそくの明かりで代用します。天候が悪いときに無理をする必要はありません。
- 初盆(新盆)の迎え火は何か違いがありますか?
-
故人が亡くなって四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆を初盆(はつぼん)・新盆(にいぼん)と呼びます。初盆では絵柄のない白提灯を玄関や軒先に飾るのが習わしで、迎え火自体のやり方は通常のお盆と同じです。
- おがらが手に入らないときは何を使えばいいですか?
-
割り箸や小さく折った木の枝で代用する家庭もあります。ろうそくの火だけでお迎えする形でも差し支えありません。手に入る範囲のもので、安全に行えることを優先しましょう。
- 送り火はいつ焚きますか?
-
月遅れ盆では8月16日の夕方以降に焚くのが一般的です。迎え火が「暗くなる前にお迎えする」のに対し、送り火は「ゆっくり過ごしてから日が沈んだあとにお見送りする」とされ、時間帯がやや遅めになります。
まとめ|8月13日の夕方、できる形でご先祖様をお迎えしよう
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 月遅れ盆の迎え火は毎年8月13日。2026年は8月13日(木)の夕方〜日没ごろが目安
- 「月遅れ盆」は旧暦のお盆を新暦でひと月遅らせて8月に行うもので、全国で最も一般的
- 迎え火はご先祖様が迷わず帰るための目印。焙烙とおがらで玄関先で焚く
- マンションでは盆提灯やLEDろうそくでの代用で十分
- 浄土真宗のように迎え火を行わない宗派・地域もある
カレンダーの「月遅れ盆迎え火」の一言には、暦の切り替えと農作業の事情を乗り越えて、ご先祖様を大切に迎えてきた歴史が詰まっています。今年の8月13日は、住まいに合った形で、静かにお迎えの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
8月にはお盆のほかにも、季節の行事や記念日がたくさんあります。あわせてチェックしてみてください。

