8月14日が「水泳の日」だと知って、少し意外に思った方もいるのではないでしょうか。夏らしい記念日ではありますが、語呂合わせでも有名なスポーツ大会の日でもありません。
じつはこの日には、70年以上さかのぼる前身の記念日があります。もとの名前は「国民皆泳の日」。全員が泳げるようになることを願って、戦後まもない時期に設けられたものでした。
この記事では、水泳の日が8月14日である理由と、「国民皆泳の日」から改称されるまでの流れをたどります。制定に込められた「命を守るスポーツ」という考え方や、当日に開かれるイベント、家族での楽しみ方まで、あわせて確認していきましょう。
水泳の日は8月14日|2026年は金曜日
水泳の日は毎年8月14日です。日付は年によって動かない固定日で、2026年は金曜日にあたります。お盆休みの真ん中あたりに重なる年も多く、家族で過ごしやすいタイミングの記念日といえます。
制定したのは、公益財団法人日本水泳連盟です。もともとは1953年(昭和28年)に「国民皆泳の日」として設けられ、のちに現在の「水泳の日」へと名前を変えました。一般社団法人日本記念日協会にも記念日として登録されています。
ポイントは、この日が競技としての水泳を称える日ではないという点です。掲げられているのは「命を守ることができるスポーツ」としての水泳を広めること。速く泳ぐことよりも、国民のだれもが水に対応できる力を持つことに主眼が置かれています。
そのため当日の催しも、記録会のような競技色の強いものだけではありません。プールの開放や初心者向けの水慣れ教室など、ふだん泳がない人が参加できる企画が各地で組まれます。「水泳の日」という平易な名前も、その方向性に合わせて選ばれたものです。
また、8月14日は国民の祝日ではない点にも注意しておきましょう。同じ夏の記念日でも、7月の第3月曜日に置かれた「海の日」とは性格が異なります。学校や職場の休みとは無関係に、毎年同じ日付でめぐってくる記念日です。
水泳の日の由来|「国民皆泳の日」からの改称
水泳の日の由来をたどると、戦後の日本が抱えていた水難事故の問題に行き着きます。名称が変わったのは2014年ですが、記念日そのものの歴史は1953年から続いています。
1953年に制定された「国民皆泳の日」
「国民皆泳の日」は、1953年(昭和28年)に日本水泳連盟が制定しました。皆泳とは「みんなが泳ぐ」という意味の言葉です。国民全員が泳げるようになることで、水の事故から身を守れるようにしよう、という趣旨が名前にそのまま表れています。
背景にあったのは、日本が四方を海に囲まれた国だという事実です。船の事故や川遊びなど、水に接する機会は生活のなかに数多くあります。万一のときに沈みゆく船から離れ、救助を待つあいだ浮いていられるかどうかは、そのまま生死を分ける差になります。
そこで、ある程度の泳力を身につけることを国民全体の課題としてとらえ、あわせて健康の増進にも役立てようとしたのが、この記念日の出発点でした。学校のプールが全国へ広がっていく時期とも重なっています。
2014年に「水泳の日」へ改称された理由
「国民皆泳の日」は、2014年(平成26年)に「水泳の日」へと改称されました。日本水泳連盟が進めていた「ドリームプロジェクト2020」の一環で、スポーツを通じた社会貢献の象徴として位置づけ直されたものです。
改称の狙いは、記念日を親しみやすくして参加のすそ野を広げることにありました。「国民皆泳」は趣旨を的確に表す言葉ですが、日常で使う機会がほとんどありません。名称を「水泳の日」とすることで、競技者だけでなく一般の人も加わりやすい形をめざしたわけです。
ただし、名前が変わっても目的そのものは引き継がれています。連盟が掲げているのは「命を守ることができるスポーツ」としての水泳の普及・発展であり、これは1953年の制定趣旨とまっすぐつながっています。
記念日の歩みを整理する
ここまでの流れを時系列で並べると、次のようになります。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1953年(昭和28年) | 日本水泳連盟が「国民皆泳の日」を制定 |
| 2014年(平成26年) | 「水泳の日」への改称が決まる |
| 2015年(平成27年)以降 | 「水泳の日」として各地でイベントを実施 |
60年以上にわたって同じ日付が守られてきた記念日です。名称の変更はありましたが、8月14日という日は制定当初から一度も動いていません。
「命を守るスポーツ」という制定の願い
水泳の日を理解するうえで欠かせないのが、「泳げる」の中身が競技とは少し違う、という点です。求められているのは速さではなく、水のなかで自分の身を保つ力とされています。

海に囲まれた日本と泳力の関係
日本は海洋国家であり、海水浴場も河川も身近にあります。夏になれば海や川へ出かける人が一気に増え、それに伴って水の事故も起こりやすくなります。とくに8月は、一年のなかでも水難事故が集中する時期です。
国民皆泳の日が制定された当時、想定されていたのは船舶事故のような場面でした。危険から素早く離れるためのクロール、そして仰向けの姿勢で楽に浮き、救助を待つための背泳ぎ。この2つを身につけることが、身を守る具体的な手段として挙げられています。
つまり、記念日の根っこにあるのは「泳ぎを競う」ではなく「泳ぎで助かる」という発想です。日本水泳連盟が水泳を「命を守ることができるスポーツ」と表現するのも、この文脈からきています。
着衣泳・背浮きが呼びかけられる背景
近年、夏になると各地の消防や水泳団体が「着衣泳」の体験会を開いています。服を着たまま水に入り、動きにくさを実際に確かめる取り組みです。着衣のままだと、水着のときとは体の感覚がまるで違うことが知られています。
あわせて広く紹介されているのが、仰向けで浮いて救助を待つという考え方です。無理に泳いで岸をめざすより、体力を温存して浮いていたほうが安全だとして、学校や自治体の啓発でも取り上げられています。
水泳の日の趣旨は、まさにこうした活動と重なります。記念日にあわせて着衣泳の講習を組む施設もあり、単なるお祝いの日ではなく、水と安全について考える機会としての性格を持っています。
水泳の日に行われるイベント
水泳の日には、全国各地でイベントが開かれます。日本水泳連盟が特設サイトを設けており、開催地の一覧もそこで公開されるため、参加を考えている場合はまずそちらを見るのが確実です。
記念大会・プールの開放
代表的なのは、都道府県の水泳協会や公共プールが主催する記念行事です。内容は開催地によって幅がありますが、おおむね次のような企画が中心になります。
- 公共プールの無料開放・割引開放
- 記念の水泳大会・記録会
- 着衣泳や水辺の安全に関する体験講習
- 親子向けの水慣れ教室・初心者レッスン
- トップ選手による水泳教室
会場は屋内の競技用プールから地域の市民プールまでさまざまです。東京では大規模な会場を使った催しが組まれる年もあり、規模も内容も地域差があります。
なお、開催日が8月14日ちょうどとは限りません。会場の都合や大会日程の関係で、その前後の週末や祝日に振り替えて実施されるケースもよくあります。
参加前に確認しておきたいこと
イベントに出かける前には、いくつか確かめておきたい点があります。無料開放と聞いて出向いたら対象が限られていた、というすれ違いを防ぐためです。
- 開催日と時間帯(8月14日以外に設定されていないか)
- 対象年齢と、保護者の付き添いが必要かどうか
- 事前申し込みの有無と締め切り
- 水泳帽・ゴーグルなど持ち物の指定
- 着衣泳に参加する場合の服装の指定
とくに着衣泳の体験は、濡れてもよい長袖・長ズボンと運動靴を求められることがあります。当日あわてないよう、案内を読んでから準備しておくと安心です。

水泳の日を家族で楽しむ3つのアイデア
近くでイベントが開かれていなくても、記念日の趣旨に沿った過ごし方はできます。特別な準備がいらないものを3つ紹介します。
(1) 近所のプールへ出かける
いちばん素直な楽しみ方は、市民プールや屋内プールへ足を運ぶことです。8月14日はお盆の期間にあたるため、屋内プールなら天候に左右されず、帰省の合間の時間つぶしにもちょうど収まります。
混雑が気になる場合は、午前中の早い時間帯が比較的すいている傾向にあります。施設によってお盆期間の営業時間が変わるので、出かける前に確認しておきましょう。
(2) 水辺の安全について家族で話す
記念日の趣旨をふまえるなら、実際に泳がなくても意味のある過ごし方があります。海や川に出かけるときの約束ごとを、家族であらためて言葉にしておくことです。
ライフジャケットを着ける、大人の目の届く範囲から出ない、遊泳禁止の場所には入らない。当たり前のことばかりですが、口に出して共有しておくと子どもの記憶にも残ります。8月14日は、その話をする口実としてちょうどよい日です。
(3) 泳ぎの歴史をたどってみる
少し変わった楽しみ方としては、日本の水泳の歩みを調べてみるのもおすすめです。日本には古式泳法と呼ばれる伝統的な泳ぎ方があり、武術として各地の藩に伝わってきました。今も保存団体によって受け継がれています。
クロールや平泳ぎといった競泳の泳法とは、姿勢も目的も異なります。「泳ぎ」がもともと何のための技術だったのかを知ると、国民皆泳の日に込められた考え方も見えやすくなるはずです。
スポーツの歴史をたどる楽しみ方は、ほかの記念日にも広がります。8月18日の高校野球記念日は、1915年に第1回大会が開幕した日が由来で、当時の会場は甲子園ではありませんでした。

8月14日前後の水辺で気をつけたいこと
水泳の日はお盆の時期と重なります。海や川に出かける機会が増える一方で、この時期の水辺には昔から言い伝えられてきた注意もあります。
「お盆に海に入ってはいけない」という言い習わしは、その代表格です。言い伝えとしての側面と、実際の海の状況の両方から語られてきたもので、盆の時期特有の波や潮の変化が背景にあるとする説明もあります。
また、夏の後半は台風の影響で、晴れていても沖からうねりが届くことがあります。遊泳の可否は当日の現地の案内に従い、監視員のいない場所では泳がないのが基本です。水泳の日の趣旨も、危険を避ける知識を持つことと矛盾しません。
川についても同じことがいえます。上流で雨が降ると、その場が晴れていても水位が急に上がることがあります。河原でのバーベキューや川遊びが増える時期だけに、天気は現在地だけでなく上流側もあわせて見ておきたいところです。
お盆はふだん行かない土地へ出かける機会でもあります。地元の人にとっては当たり前の危険が、訪れる側には見えないこともあります。看板や地元の案内に素直に従うのが、いちばん確実な備えといえるでしょう。

水泳の日が伝えているのは「泳げる人を増やす」ことであり、「どんな水辺にも入ってよい」ということではありません。泳げることと、入らない判断ができることは、どちらも水と付き合ううえで必要な力です。
水泳の日についてよくある質問
- 水泳の日は毎年8月14日で変わりませんか?
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固定日なので毎年8月14日です。曜日は年によって変わり、2026年は金曜日にあたります。
- 「国民皆泳の日」という呼び方はもう使われていませんか?
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2014年に「水泳の日」へ改称されたため、現在は新しい名称が使われています。ただし由来を説明する場面では、前身として「国民皆泳の日」の名がしばしば紹介されます。
- 水泳の日はプールが無料になりますか?
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全国一律の制度ではありません。自治体や施設ごとの取り組みとして、無料開放や割引が行われる場合があります。実施の有無は各施設の案内で確認してください。
- 8月14日という日付に語呂合わせの意味はありますか?
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公的な資料に語呂合わせの説明は見あたりません。夏休みの中盤で水辺に出かける人が多い時期である点が、日付を考えるうえでの手がかりになります。
- 水泳の日と「海の日」はどう違いますか?
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海の日は7月の第3月曜日に置かれた国民の祝日で、海の恩恵に感謝することを趣旨としています。水泳の日は祝日ではなく、日本水泳連盟が制定した記念日で、水泳の普及と水難事故の防止に主眼があります。
まとめ|8月14日は「泳げること」を考える日
水泳の日は8月14日、2026年は金曜日です。1953年に日本水泳連盟が制定した「国民皆泳の日」を前身とし、2014年に現在の名称へと改まりました。60年以上、日付は一度も動いていません。
掲げられているのは「命を守ることができるスポーツ」としての水泳の普及です。速く泳ぐことではなく、水のなかで身を保ち、救助を待てる力を国民全体で備えようという発想が、名称が変わったあとも受け継がれています。
当日は各地でプールの開放や記念大会、着衣泳の講習などが開かれます。近くで催しがなくても、家族で水辺の約束ごとを確認するだけで、記念日の趣旨に沿った一日になります。
お盆の帰省や夏のお出かけと重なりやすい日でもあります。プールで体を動かすもよし、水との付き合い方を話題にするもよし。8月14日は、そんな時間をつくるきっかけにしてみてください。


