7月10日は「納豆の日」です。カレンダーにさりげなく書かれていたり、スーパーの売り場でのぼりを見かけたりして、気になった方も多いのではないでしょうか。
じつはこの記念日、生まれたのは納豆をあまり食べない土地だった関西でした。全国的な記念日になったのは、それからさらに10年以上あとのことです。
この記事では、納豆の日が7月10日になった理由と、関西で生まれた意外な背景をやさしく解説します。1月10日にも納豆の記念日があることや、当日の楽しみ方までまとめました。
納豆の日はいつ?7月10日と決まった理由
納豆の日は毎年7月10日です。日付が動くことはなく、うるう年でも変わりません。理由はいたってシンプルで、数字の読み方が「納豆」と重なるからです。
2026年の7月10日は金曜日です。「第2月曜」のように年ごとに動く祝日と違い、日付そのものが固定されているため、来年以降もカレンダーの同じ位置に並びます。変わるのは曜日だけだと考えれば分かりやすいでしょう。
梅雨明け前後の、暑さが本格化するころの日付でもあります。売り場に夏向けの商品が並びはじめる時期と重なる日、と覚えておくとよいかもしれません。
「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせが由来
7を「なな」ではなく「なっ」と読み、10を「とう」と読みます。つなげると「なっとう」。日本の記念日にはよくある、語呂合わせの決め方です。
七夕の3日後という覚えやすさもあり、7月の暦のなかでは比較的知られた記念日になりました。
売り場やポスターでは、7月10日をそのまま「710(なっとう)」と3けたで見せる書き方も見かけます。数字だけで何の日か伝わるため、のぼりやPOPと相性がよいのでしょう。
| 数字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 7 | なっ | 納 |
| 10 | とう | 豆 |
記念日として制定されたのは1981年
納豆の日が記念日として決められたのは、1981年(昭和56年)のことです。江戸時代から続く古い風習…というわけではなく、意外にも新しい記念日なのですね。
制定から40年以上が経ち、いまではこの日に合わせた特売やキャンペーンが各地で行われています。
制定から2026年で45年、全国の記念日になった1992年からは34年が過ぎました。毎年欠かさず同じ日に売り場の企画が繰り返されてきたぶん、古くからの行事のように感じられるのかもしれません。

てっきり昔からある行事だと思っていました。
納豆の日を作ったのは誰?関西発祥という意外な事実
納豆の日を制定したのは、関西納豆工業協同組合です。納豆といえば東日本、それも水戸のイメージが強いだけに、関西発祥という事実は少し不思議に感じられます。
東西の差はいまも統計に表れています。総務省統計局の家計調査(品目別都道府県庁所在市のランキング)で納豆への支出額を見ると、上位に並ぶのは東北や北関東の都市で、近畿の都市は下位に位置する年が続いています。ただしこれは金額の集計なので、食べる回数の差とそのまま重なるわけではありません。


関西納豆工業協同組合が1981年に制定
1981年、関西納豆工業協同組合が「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせで記念日を定めました。ただし当初は関西地域だけの記念日で、全国的なものではありませんでした。
つまり納豆の日は、業界団体が自分たちの地域のために作った日だったわけです。
「工業協同組合」は、同じ業種の会社が地域単位で集まってつくる団体です。全国組織の決定ではなく、関西の納豆メーカーが自分たちの商圏のために設けた日だったということです。なお、誰の発案だったのかといった制定当時の細かな経緯は、公表されている資料からは確認できません。
「関西で納豆が食べられていなかった」という背景
なぜ関西で記念日が生まれたのか。理由は、当時の関西に納豆を食べる習慣が根づいていなかったからです。関西での消費を広げたい、という思いが制定のきっかけでした。
納豆が苦手という人が多い地域だからこそ、記念日を作って親しんでもらおうとした。そう考えると、この日付にはささやかな願いが込められていたことになります。
もっとも、なぜ関西に粘る納豆が根づかなかったのか、その理由自体はいくつかの見方があるだけではっきりしていません。記念日が生まれた事情のほうが、記録としてははっきりしているのです。
関西発祥の理由:納豆の日は、納豆が広く食べられていた地域ではなく、あまり食べられていなかった関西で生まれました。消費を広げるための記念日だったのです。
1992年に全国納豆協同組合連合会が全国の記念日に
関西で始まった記念日は、やがて各地へ広がっていきます。そして1992年(平成4年)、全国納豆協同組合連合会があらためて「納豆の日」として制定しました。
こうして7月10日は、関西限定の日から全国の記念日へと変わりました。制定から全国区になるまで、じつに11年かかっています。
全国納豆協同組合連合会は、各地の納豆メーカーが加盟する全国団体です。次の見出しで取り上げる1月10日の記念日も同じ団体が定めており、納豆の記念日はこの団体が窓口になっていると分かります。
納豆の日は「納豆をよく食べる地域」ではなく「あまり食べない地域」から生まれた記念日です。
7月10日以外にもある「納豆の記念日」
納豆にまつわる記念日は、じつは7月10日だけではありません。冬にもうひとつ、語呂合わせから生まれた日があります。
おもしろいのは、どちらの日も数字の「10」を軸にしていることです。7月10日は「なっ・とう」、1月10日は「い・と」。読み替えの起点は、どちらも「10日」に置かれています。
そのため、納豆の記念日の表示を売り場で目にする機会は、7月だけとはかぎりません。
1月10日「糸引き納豆の日」
1月10日は「糸引き納豆の日」です。こちらは「い(1)と(10)」で「糸」と読む語呂合わせから来ています。全国納豆協同組合連合会が定めた記念日です。
7月と1月、半年ごとに納豆の日が巡ってくると考えると、なんだか楽しくなりますね。
「糸引き納豆」とわざわざ呼ぶのは、粘らない別系統の納豆と区別するためです。パックで買うあの粘る納豆が、分類上は「糸引き納豆」にあたります。この違いは後半の豆知識でもう少しくわしく見ます。
毎月10日を納豆の日とする動きも
「10日=とう(豆)」の語呂合わせから、毎月10日を納豆に親しむ日として扱う売り場や取り組みも見られます。ただしこれは7月10日や1月10日のように広く定着したものではありません。
スーパーの棚で「10日は納豆の日」といった表示を見かけたら、そうした販促の一環かもしれません。
なお、10を「と」と読む語呂合わせは納豆だけのものではなく、8月10日にも同じ読み方の食べものの記念日が存在します。


納豆の日に何をする?家庭での楽しみ方
納豆の日に決まった作法はありません。せっかくの記念日ですから、いつもの朝食を少しだけ特別にするくらいの気持ちで十分です。
7月10日は、台所に長く立ちたくない時期にあたります。火を使わずに一品増やせる納豆は、この季節の食卓には使い勝手のよい食材です。
買い物のついでに売り場をのぞく、薬味をひとつ変えてみる。その程度のことでも、いつもの朝とは違う一日になります。家族に「今日は何の日か知っている?」と聞いてみるだけでも十分です。
スーパーの特売・キャンペーンをチェックする
7月10日前後は、納豆売り場に特設コーナーが組まれることがあります。メーカーの企画や試食、値引きが行われる場合もあるので、買い物のついでにのぞいてみるとよいでしょう。
展開は当日1日だけとはかぎらず、前後の週末に合わせて数日続くこともあります。7月10日が平日にあたる年は、直前の土日に企画が寄せられることも考えられます。
棚には、いつもは選ばない商品が並ぶこともあります。地元メーカーの銘柄や、大粒・小粒・ひきわりといった種類の違いを試す機会にすると、記念日らしい買い物になります。
いつもと違う食べ方を試してみる
ごはんにのせるだけでなく、少し違う食べ方に挑戦してみるのもおすすめです。冷やしうどんやそばに合わせたり、卵焼きの具にしたりと、7月らしい涼しげな一品にもなります。
- 冷やしうどん・そばにのせる
- 納豆入りの卵焼きにする
- トーストにチーズと合わせてのせる
- 薬味を変えてみる(大葉・みょうが・のり)
香りの強い薬味を足すと、同じ納豆でも印象が変わります。においで好みが大きく分かれる食材つながりでいえば、8月9日は「パクチーの日」です。


子どもと一緒に「なっとう」の語呂合わせを楽しむ
「7と10でなっとう」という語呂合わせは、子どもにも伝わりやすい話題です。カレンダーを見ながら数字遊びのように話すと、暦への興味につながります。
カレンダーに丸をつけておき、家族の誕生日や引っ越し記念日にも数字の読み方を当てはめてみると、遊びとして続けやすくなります。
1月10日の「糸引き納豆の日」もあわせて教えてあげると、記念日の作られ方そのものが面白く感じられるはずです。



数字の読み替えで記念日ができるって、考えてみると不思議ですよね。
納豆の日を知るともっと面白い、納豆の豆知識
記念日の背景を知ったところで、納豆そのものの歴史にも少し触れておきましょう。ただし、その起源については確かな記録が残っておらず、はっきりしたことは分かっていません。
もうひとつ押さえておきたいのは、「納豆」という言葉が粘る食べものだけを指すわけではないという点です。名前の由来をたどると、粘らない納豆の存在が見えてきます。
1月10日の記念日に付いていた「糸引き」という言葉も、そこにつながっています。
納豆はいつから食べられている?
納豆の起源には複数の説があり、どれが正しいかは定まっていません。煮豆を藁(わら)に包んでおいたところ偶然できた、という偶然説がよく知られていますが、これも確定した史実ではありません。
文献に納豆らしきものが登場するのは平安時代以降とされます。少なくとも、かなり長い時間をかけて日本の食卓に定着してきた食べ物だといえるでしょう。
文字として残る古い例では、11世紀半ばに藤原明衡が書いたとされる『新猿楽記』に「塩辛納豆」の語が見えます。ただしこれは寺で作られた別系統の納豆を指すと見られており、粘る納豆がいつからあったのかは、この記述からは分かりません。
「納豆」という名前の由来
名前の由来にも諸説あります。寺院の台所である「納所(なっしょ)」で作られた豆だから、という説が代表的ですが、これも有力な説のひとつという位置づけです。
由来がはっきりしないまま親しまれ続けているところも、納豆という食べ物らしいと言えるかもしれません。
この説にそって考えるなら、「納豆」という名前はもともと粘る納豆ではなく、寺で作られていた塩辛い納豆に付けられた呼び名だったという見方ができます。
「糸引き納豆」と寺納豆(塩辛納豆)のちがい
ふだんパックで買う粘る納豆は、分類のうえでは「糸引き納豆」と呼ばれます。煮た大豆に納豆菌を働かせたもので、あの糸と香りはここから生まれます。
一方、京都の大徳寺納豆や静岡の浜納豆に代表される寺納豆(塩辛納豆)は、麹菌で発酵させて塩を加え、乾かして作ります。粘りはなく、色は黒っぽく、味は塩辛い。ごはんにのせてかきこむというより、そのままつまんだり、料理の味付けに使ったりする食べものです。
先ほどの「納所」の説も、この寺納豆に結びついた話です。1月10日の記念日がわざわざ「糸引き納豆の日」と名乗るのも、こうした別系統の納豆があるからです。
7月の行事をもっと知りたい方へ
7月10日という日付そのものにも、納豆以外の顔があります。東京・浅草寺では7月9日と10日が「四万六千日」の縁日にあたり、あわせてほおずき市が開かれます。この日に参拝すると四万六千日分のご利益があるとされることから、その名が付いたと伝えられています。同じ日に、片方は台所の記念日、片方は江戸から続く縁日が並んでいることになります。
翌日の7月11日も、数字の読み替えで名づけられた食べものの日にあたります。7月の前半は、暦の上でも売り場の上でも、記念日が立て込む時期なのです。


七夕の飾りが片づくころに納豆の日が来て、そのあとは海の日や土用の丑の日へと続きます。7月の行事をまとめて眺めると、納豆の日の位置づけも見えやすくなります。
納豆の日は7月10日ですが、7月には七夕やお中元、ほおずき市など、暦にまつわる行事がほかにもたくさんあります。あわせて読むと、7月という月の輪郭がより鮮やかに見えてきます。




納豆の日に関するよくある質問
- 納豆の日は毎年7月10日ですか?
-
はい。語呂合わせで決められた記念日のため、年によって日付が変わることはありません。
- 納豆の日を作ったのはどこの団体ですか?
-
1981年に関西納豆工業協同組合が制定し、1992年に全国納豆協同組合連合会が全国的な記念日として改めて制定しました。
- なぜ納豆の少ない関西で記念日が生まれたのですか?
-
当時の関西に納豆を食べる習慣が根づいていなかったため、消費を広げる目的で制定されたからです。
- 1月10日の記念日との違いは何ですか?
-
1月10日は「い(1)と(10)」の語呂合わせによる「糸引き納豆の日」です。7月10日の納豆の日とは由来となる語呂合わせが異なります。
- 納豆の日は祝日ですか?学校や会社は休みになりますか?
-
休みにはなりません。祝日は法律で定められていますが、納豆の日は業界団体が独自に定めた記念日だからです。暦の上ではふつうの平日で、売り場の企画や話題で楽しむ日という位置づけになります。
まとめ|7月10日の納豆の日は関西生まれの記念日
納豆の日は「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせから生まれた、7月10日の記念日です。1981年に関西納豆工業協同組合が制定し、1992年に全国納豆協同組合連合会が全国の記念日としました。
納豆をよく食べる地域ではなく、当時あまり食べられていなかった関西から始まった。この由来を知ると、7月10日の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。
1月10日の「糸引き納豆の日」もあわせて覚えておくと、暦を眺める楽しみがひとつ増えます。今年の7月10日は、いつもの納豆を少しだけ味わって食べてみてください。
- 日付は毎年7月10日で固定。変わるのは曜日だけ(2026年は金曜日)
- 生まれたのは関西。全国の記念日になったのは11年後のこと
- 冬にも1月10日の記念日があり、どちらも「10日」が軸
- 粘らない寺納豆(塩辛納豆)という別系統の納豆もある
- 当日にすることは自由。決まった行事食も作法もない
まずはカレンダーの7月10日に印をつけるところから。当日は買い物のときに納豆売り場をのぞいてみれば、それだけで記念日らしい一日になります。
納豆の日=7月10日。語呂合わせが由来で、関西で生まれ、のちに全国の記念日になりました。





















