5月の二十四節気が何かご存じですか。実は5月には「立夏(りっか)」と「小満(しょうまん)」という2つの節気があり、暦の上で夏の始まりを告げる大切な時期にあたります。
この記事では、2026年の正確な日付や、それぞれの意味・読み方・由来を、初めての方にもわかりやすく整理しました。七十二候や、暮らしへの取り入れ方まで一気にわかる内容です。
5月は「立夏(5/5)」と「小満(5/21)」の2つの節気で、夏の入り口を感じる季節。手紙の時候挨拶や旬の食材選びにも役立ちます。
5月の二十四節気は「立夏」と「小満」の2つ
結論から言うと、5月の二十四節気は立夏と小満の2つです。立夏は夏の始まりを、小満は万物が満ち始める頃を表しています。
2026年は5月5日に立夏、5月21日に小満を迎えます。どちらも季節の移ろいを感じる節目で、農作業や暮らしの目安として古くから親しまれてきました。

2026年の立夏・小満はいつ?
2026年の二十四節気の日付は、国立天文台が発表する暦要項で正式に決まります。5月の節気は次のとおりです。
| 節気 | 2026年の日付 | 期間 |
|---|---|---|
| 立夏(りっか) | 5月5日(火) | 5月5日〜5月20日 |
| 小満(しょうまん) | 5月21日(木) | 5月21日〜6月5日 |
節気の日付は太陽の動きで決まるため、年によって1日前後することがあります。手帳やカレンダーに書き込む際は、その年の暦要項を確認すると安心です。
そもそも二十四節気とは
二十四節気は、1年を太陽の動きに合わせて24等分し、それぞれに季節を表す名前をつけた暦です。約2000年前の中国で考案され、日本には平安時代までに伝わりました。
農業の目安として暮らしに根づき、現在も「立春」「夏至」「冬至」など、馴染み深い言葉が日常に残っています。月ごとに2つの節気が割り当てられているため、5月にも当然2つ存在するわけです。
なぜ5月に2つあるのか
1年を24で割ると、ひと月あたり2つの節気が並ぶ計算になります。前半に「節(せつ)」、後半に「中(ちゅう)」が配置され、5月では立夏が節、小満が中にあたります。
つまり立夏は「夏の入り口」、小満は「夏に入って少し進んだ頃」を示しているのです。2つをセットで覚えると、5月の季節感がぐっと立体的になります。
立夏(りっか)|夏の始まりを告げる節気
立夏は、暦の上で夏が始まる日です。春分と夏至のちょうど真ん中に位置し、ここから立秋の前日までが「夏」とされます。
2026年の立夏は5月5日。ゴールデンウィークの最終盤と重なり、新緑が一気にあざやかさを増す時期にあたります。
立夏の意味と読み方
立夏は「りっか」と読みます。「立」は新しい季節が始まることを示す字で、立春・立秋・立冬と並ぶ「四立(しりゅう)」の1つです。
この日を境に、暦の上では春が終わり夏が始まります。実際の気温はまだ初夏の心地よさですが、日差しは確かに強くなり、夏の気配が肌で感じられるようになります。
立夏の由来と暦上の位置づけ
立夏は、太陽黄経が45度に達した日と定められています。太陽黄経とは、地球から見た太陽の通り道を360度で表したときの角度のことです。
春分(0度)から数えてちょうど1/8進んだ位置にあたり、これが「夏が立つ」という名の由来になっています。古代中国の農耕社会で、種まきや田植えの目安として重視されてきました。
- 太陽黄経45度の日(2026年は5月5日)
- 春分と夏至のちょうど中間
- 暦の上ではこの日から夏が始まる
立夏の頃の自然・暮らしの風景
立夏の頃は、若葉の緑が日に日に濃くなり、風がさわやかに吹き抜ける季節です。「風薫る五月」という言葉どおり、青葉の香りを含んだ風が心地よく感じられます。
田んぼに水が張られ、田植えの準備が始まる地域も多く見られます。鯉のぼりが空を泳ぎ、八十八夜の新茶が出回るのもこの時期で、暮らしのなかで「夏が来た」と実感できる瞬間が増えていきます。
小満(しょうまん)|万物が満ち始める節気
小満は、草木や生き物がぐんぐん成長し、天地に生気が満ちてくる頃を表す節気です。立夏から数えて15日目、5月後半に訪れます。
2026年の小満は5月21日。気温が日ごとに上がり、自然界のエネルギーがあふれ出す季節の入り口にあたります。
小満の意味と読み方
小満は「しょうまん」と読みます。「小さく満ちる」と書くこの言葉には、「ひとまずほっと安心できる」という穏やかな意味合いが込められています。
秋にまいた麦の穂が無事に育ち、今年も収穫できそうだと農家の人々が安堵した、という由来が広く知られています。完全な満ち足りた状態ではなく「小さな満足」を表す、控えめで奥ゆかしい名前です。

「小満」って名前、なんだか可愛らしいですよね。麦の穂が育って、ホッとひと息つける季節なんです。
小満の由来「麦秋至る」との関わり
小満の由来をたどると、古代中国の農業文化に行き着きます。麦の穂が実る初夏の風景は、当時の人々にとって1年のなかでも特別な節目でした。
日本でも麦畑が黄金色に色づく時期を「麦秋(ばくしゅう)」と呼び、初夏なのに「秋」という字を使う独特の言い回しが生まれています。小満の終わりごろには「麦秋至る(ばくしゅういたる)」という七十二候が控えており、暦の言葉としてつながっています。
小満の頃の自然・暮らしの風景
小満の頃は、田植えの準備が本格化し、西日本では走り梅雨(梅雨の前ぶれの雨)が見られることもあります。野山の緑は深さを増し、紅花が咲きはじめ、蚕が桑の葉を食べて育つ季節でもあります。
沖縄では小満から芒種にかけての時期を「小満芒種(スーマンボースー)」と呼び、本格的な梅雨入りの時期を指す言葉として使われています。地域ごとに小満の感じ方が違うのも、この節気の面白いところです。


立夏・小満の七十二候を知ると季節がもっと楽しい
二十四節気をさらに3つに分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」です。1つの節気に3つの候があり、5日ごとに季節の細やかな変化を表します。
立夏と小満にもそれぞれ3つの候があり、生き物や植物の様子が美しい言葉で描かれています。
立夏の七十二候(蛙始鳴・蚯蚓出・竹笋生)
立夏の期間にめぐる3つの候は、初夏の生き物の活動を表しています。
| 候 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 蛙始鳴 | かわずはじめてなく | 蛙が鳴き始める頃(5月5日〜9日頃) |
| 蚯蚓出 | みみずいずる | みみずが土の中から地上に出てくる頃(5月10日〜14日頃) |
| 竹笋生 | たけのこしょうず | たけのこが顔を出す頃(5月15日〜20日頃) |
水田に蛙の声が響き、土が温まってみみずが動き出し、たけのこがすくすく伸びる。命がいっせいに活動を始める初夏の風景が、わずか3つの候で見事に切り取られています。
小満の七十二候(蚕起食桑・紅花栄・麦秋至)
小満の3つの候は、農業や養蚕とのつながりが色濃く感じられる内容です。
| 候 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 蚕起食桑 | かいこおきてくわをはむ | 蚕が起きて桑の葉を盛んに食べる頃(5月21日〜25日頃) |
| 紅花栄 | べにばなさかう | 紅花が一面に咲く頃(5月26日〜30日頃) |
| 麦秋至 | むぎのときいたる | 麦が黄金色に色づき収穫期を迎える頃(5月31日〜6月4日頃) |
蚕の繭、紅花の染料、麦の収穫。かつての暮らしを支えた営みが、そのまま暦のことばになっているのが小満の七十二候です。日本人の感性が凝縮された、味わい深い言葉が並びます。
5月の二十四節気を暮らしに取り入れるヒント
立夏や小満を知っていると、日常にちょっとした季節の彩りを加えることができます。手紙・食事・装いの3つの場面で、気軽に取り入れる方法を紹介します。
節気を「知っている」だけで、5月の景色や食卓が、いつもと違って見えてきます。
時候の挨拶として使う
5月の手紙やメールでは、立夏や小満を時候の挨拶に取り入れると、季節感のある文面になります。たとえば次のような表現があります。
- 「立夏の候、若葉がまぶしい季節となりました」
- 「新緑の候、いかがお過ごしでしょうか」
- 「小満を迎え、爽やかな日が続いております」
- 「青葉の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます」
ビジネス文書では「立夏の候」「小満の候」がフォーマル、カジュアルなお便りには「新緑の候」「風薫る五月」が使いやすいでしょう。
旬の食材を意識する
5月は、初夏ならではの食材が出そろう季節です。立夏・小満のころに旬を迎える食べ物を意識すると、食卓の楽しみが広がります。
| 分類 | 旬の食材 |
|---|---|
| 野菜 | たけのこ、新じゃが、新玉ねぎ、グリーンピース、そら豆、アスパラガス |
| 魚介 | 初がつお、あじ、しらす、きす |
| 果物 | びわ、いちご(晩生種)、メロン |
| 飲み物 | 新茶(八十八夜の頃に摘まれた一番茶) |
立夏には端午の節句にちなんで柏餅やちまきを、小満には新茶を楽しむなど、節気に合わせた食を取り入れると、暮らしの季節感がぐっと豊かになります。
季節の風景を楽しむ
5月は、外に出るのが心地よい季節です。立夏・小満の時期ならではの自然や行事に、少し意識を向けてみましょう。
- 新緑の散歩道や、新茶の茶畑をゆっくり眺める
- こどもの日の鯉のぼり、端午の節句の菖蒲湯を楽しむ
- 田植え前後の水を張った田んぼ「水鏡」を見に行く
- バラ・つつじ・藤など、5月の花を観賞する
節気の意味を知ったうえで季節を眺めると、いつもの景色が少し違って見えてきます。「今は小満だから麦が色づいているのか」と気づくだけで、散歩道がちょっとした発見の場になります。


5月の二十四節気についてよくある質問
- 立夏と立春・立秋・立冬の関係は?
-
立夏・立春・立秋・立冬の4つを合わせて「四立(しりゅう)」と呼び、それぞれが暦の上で四季の始まりを告げる日です。立夏はその中で夏の始まりを示す節気にあたります。
- 5月5日のこどもの日と立夏は同じ日ですか?
-
年によって異なります。こどもの日は5月5日で固定ですが、立夏は太陽の位置で決まるため、5月5日〜7日の間で変動します。2026年はたまたま立夏とこどもの日が同じ5月5日に重なります。
- 小満の時期に特別な行事はありますか?
-
小満そのものに大きな全国行事はありませんが、地域によっては田植えや養蚕の節目として大切にされてきました。沖縄では「小満芒種(スーマンボースー)」と呼び、梅雨入りの時期の言葉として今も使われています。
- 二十四節気と七十二候の違いは?
-
二十四節気は1年を24に分けた季節の区分、七十二候はそれをさらに3つに分けて72にした、より細やかな季節表現です。1つの節気の中に3つの候が含まれます。
まとめ|5月は立夏と小満で夏の入口を感じよう
5月の二十四節気は、夏の始まりを告げる「立夏」と、万物が満ち始める「小満」の2つです。2026年は5月5日に立夏、5月21日に小満を迎えます。
立夏は太陽黄経45度の節目で、春から夏への切り替わりを意味します。小満は麦の穂が育ち、人々がほっとひと息つける頃を表す、奥ゆかしい名前の節気です。
七十二候まで含めて眺めると、蛙が鳴き、たけのこが伸び、蚕が桑を食み、麦が色づく、という豊かな初夏の物語が浮かび上がります。次にめぐってくるのは6月の「芒種(ぼうしゅ)」と「夏至(げし)」。季節の節目を意識しながら、5月の風景や食を楽しんでみてください。





















