「処暑」という言葉を見かけて、読み方や意味が気になった方も多いのではないでしょうか。処暑は二十四節気のひとつで、ちょうど夏の暑さがやわらぎ、秋の気配が見え始める季節の節目を表します。
この記事では、処暑の意味と読み方、2026年の日付、七十二候、旬の食べ物、暮らしの楽しみ方までをやさしくまとめました。読み終わるころには、夏から秋への移ろいがいっそう味わい深く感じられるはずです。

処暑とは?読み方と意味をやさしく解説
処暑は「しょしょ」と読み、暑さがおさまり始める時期を意味します。「処」という字には「とどまる」「落ち着く」といった意味があり、文字どおり夏の盛りが一段落するころを指す言葉です。
「処暑」の読み方と漢字の意味
処暑の読み方は「しょしょ」です。少し改まった響きがありますが、カレンダーや時候の挨拶で目にする機会が多い言葉です。
「処」には「居る場所」「落ち着くところ」といった意味のほかに、「とどまる」「やめる」という働きがあります。「処暑」は、この「とどまる」の意味から「暑さが止む」「暑さが落ち着く」と読み解くことができます。

「暑さの行き場が決まる頃」とイメージすると、処暑の語感がぐっと身近に感じられますね。
二十四節気での位置づけ(立秋・白露との関係)
処暑は二十四節気の14番目にあたり、立秋のあと、白露の前に位置します。順番でいうと「立秋 → 処暑 → 白露」となり、暦のうえで秋が深まっていく流れの中間地点です。
立秋でこよみのうえの秋が始まり、処暑で暑さが落ち着き、白露で朝露が目に見えるようになる――そんな段階的な秋の歩みを表しています。
2026年の処暑はいつ?期間と日付の決まり方
2026年の処暑は8月23日です。期間として捉える場合は、8月23日から次の節気である白露の前日、9月6日までが処暑にあたります。
2026年の処暑は8月23日〜9月6日
国立天文台が公表している「令和8年(2026年)暦要項」によると、2026年の処暑は8月23日です。お盆を過ぎて少し落ち着いたころ、まだ残暑は厳しいものの、朝晩には風の感触が変わり始めるタイミングといえます。
処暑から白露までの約2週間は、夏の名残と秋の予感が同居する独特の時期です。この時期の天気予報やニュースで「処暑」という言葉を耳にしたら、季節の切り替わりが進んでいるサインと受け取れます。
毎年日付がずれる理由(太陽黄経150度)
処暑の日付は毎年同じではなく、年によって8月22日や8月23日と変動します。これは、二十四節気が太陽の動き(太陽黄経)を基準に決められているためです。
処暑は太陽黄経が150度に達した日と定められており、地球の公転周期と暦のずれを調整するうるう年の影響もあって、1日前後する年があります。日付の細かい違いは気にせず、「8月下旬の節目」と覚えておくと暮らしに使いやすくなります。
処暑の七十二候|3つの時期で見る季節の移ろい
処暑の期間は、さらに「初候・次候・末候」の3つに分けられます。これは「七十二候」と呼ばれる、二十四節気をより細かく区切った季節の指標です。
初候:綿柎開く(わたのはなしべひらく)
処暑の初候は「綿柎開く(わたのはなしべひらく)」で、おおむね8月23日から27日ごろにあたります。綿の花が終わり、実を包むがくが開いて、ふわふわとした綿が顔をのぞかせる時期を表しています。
かつての日本では、この時期の綿の収穫が暮らしと深く結びついていました。手芸や和の素材に親しむ方は、綿の花を思い浮かべながら過ごしてみるのもおすすめです。
次候:天地始粛(てんちはじめてさむし)
次候は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」で、8月28日から9月1日ごろを指します。「粛」には「しずまる」という意味があり、ようやく暑さが鎮まり始めるころを表しています。
日中はまだ汗ばむ陽気でも、夕方の風や朝の空気にふと涼しさを感じられるのがこの時期です。空の色が高く澄んでくる変化にも注目してみてください。
末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)
末候は「禾乃登(こくものすなわちみのる)」で、9月2日から6日ごろにあたります。「禾(のぎ)」は稲などの穀物を指し、田んぼで稲穂が黄金色に色づき始めるころを表しています。
稲作の現場ではこの時期、台風への備えと収穫の準備が同時に進みます。お米を炊くときに「もうすぐ新米の季節だな」と思いを巡らせるだけでも、暮らしの中で季節を味わう時間になります。


処暑の頃に旬を迎える食べ物
処暑の時期は、夏の名残と秋の走りが食卓で出会う豊かな季節です。果物・魚介ともに見どころが多く、献立に取り入れるだけで季節感を楽しめます。
果物:梨・ぶどう・無花果
処暑の頃にとくに目を引くのが、みずみずしい梨です。シャリッとした歯ざわりと豊富な水分が、まだ続く残暑にぴったり。8月下旬から9月にかけて、幸水や豊水といった品種が出回ります。
ぶどうも房ごと冷やしておくと食後のデザートに重宝します。無花果(いちじく)は秋果が出始めるころで、そのまま食べるほか、サラダやコンポートにすると食卓が華やぎます。
魚介:秋刀魚・鱸(すずき)・鰯
魚介では、秋の味覚として知られる秋刀魚(さんま)が早いものは店頭に並び始めます。脂のりは盛りの時期にゆずるものの、「はしり」のさっぱりとした味わいが楽しめます。
鱸(すずき)は夏から初秋が旬で、薄くそぎ切りにして氷水にくぐらせる「洗い」がおすすめです。鰯(いわし)も脂がのる時期で、塩焼きや梅煮で楽しむと残暑にも食が進みます。
旬を取り入れた献立アイデア
処暑の食卓は、暑さで疲れた体にやさしい献立を意識すると満足感が高まります。たとえば、次のような組み合わせが手軽です。
- 主菜:鱸の洗い、または鰯の梅煮
- 副菜:きゅうりとみょうがの和え物
- 汁物:とうもろこしのすり流し
- デザート:冷やした梨、または無花果のヨーグルト添え
旬の食材は栄養価が高く、価格も手に取りやすいのが魅力です。スーパーの旬コーナーをのぞいて、目に留まったものを一品取り入れるところから始めてみてはいかがでしょう。
処暑の過ごし方と暮らしのヒント
処暑は、夏の疲れがじわりと出やすい時期でもあります。涼を楽しみつつ、無理なく秋へ体を切り替えていく過ごし方が向いています。


朝夕の涼しさを楽しむ「夕涼み」
処暑の頃は、夕方になると風がふっと涼しくなる日が増えます。古くからの「夕涼み」は、日が傾いた時間に縁側や戸外に出て涼を楽しむ習慣で、現代の暮らしにも取り入れやすい過ごし方です。
マンションのベランダで夕日を眺める、近所を一周散歩する、窓を開けて虫の声に耳を澄ます――気軽な工夫で十分。日中の冷房疲れをリセットする時間にもなります。
- 夕方の涼しい時間帯に、軽い散歩で気分転換する
- 窓を開けて、虫の声や風の音に耳を傾ける
- 旬の梨やぶどうを冷やして、食後のデザートに
- 夏物の整理を少しずつ進めて、衣替えの準備を始める
残暑を乗り切る体調管理のポイント
処暑の時期は、暦のうえで秋に入っているとはいえ、日中はまだ真夏のような暑さが続きます。一方で朝晩との寒暖差が大きくなり、体調を崩しやすいタイミングでもあります。
こまめな水分補給を続けつつ、冷たい飲み物ばかりに偏らないようにすると胃腸への負担が和らぎます。冷房の効いた部屋で過ごす時間が長い方は、薄手の羽織りものを一枚そばに置いておくと安心です。
処暑は「夏のがんばりを少しゆるめる時期」。無理に予定を詰め込まず、体の声に合わせてペースを整えていきましょう。
処暑の候|時候の挨拶の使い方
処暑は時候の挨拶としてもよく使われ、ビジネス文書や手紙の書き出しに「処暑の候」と添えると季節感が伝わります。使える期間は、処暑(8月23日ごろ)から白露(9月7日ごろ)の前日までが目安です。
具体的な書き出しとしては、次のような表現が自然です。
- 処暑の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 処暑の候、朝夕には涼しさも感じられる頃となりました。
- 処暑のみぎり、暑さもようやく落ち着いてまいりました。
「処暑の候」のほか、「残暑の候」「晩夏の候」も同時期に使える時候の挨拶です。文章のトーンに合わせて使い分けると、季節感のある一文に仕上がります。


まとめ|処暑を知ると秋の訪れがもっと楽しくなる
処暑は、暑さがやわらぎ秋の気配が見え始める二十四節気の節目です。最後に要点を振り返っておきましょう。
処暑を暮らしに取り入れる4つの視点
- 読み方は「しょしょ」。「暑さがとどまる・落ち着く」という意味
- 2026年の処暑は8月23日、期間としては9月6日まで
- 初候・次候・末候の七十二候で、夏から秋への移ろいを感じる
- 梨・秋刀魚など旬を味わい、夕涼みで体をやさしく秋へ切り替える
暦の名前を一つ知っているだけで、いつもの夕方の風や食卓の果物が、ぐっと味わい深く感じられるものです。今年の8月下旬は、ぜひ「処暑」という言葉を意識しながら、季節の移ろいを楽しんでみてください。




















