11月の七十二候|立冬・小雪に巡る6つの候の意味と2026年の日付

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朝の吐く息が白くなりはじめ、街路樹の葉が足もとに積もっていく11月。カレンダーでは「立冬」「小雪」と冬の名前が続きますが、その間をさらに細かく刻んだ季節の区切りがあります。1年を72に分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」です。

この記事では、2026年11月に巡る6つの候について、読み方・意味・その年の日付を一覧表と解説でまとめました。あわせて、中国の七十二候と比べると見えてくる日本ならではの11月の描き方や、時候の挨拶・行事への取り入れ方も紹介します。

先に要点です。2026年11月は、11月2日の「楓蔦黄」から11月27日の「朔風払葉」まで、約5日ごとに6つの候が移り変わります。中心になるのは立冬(11月7日)と小雪(11月22日)の2つの節気です。

目次

11月の七十二候とは|霜降の終わりから小雪までを巡る

11月の七十二候は、秋の最後の節気である霜降の末候から始まり、立冬・小雪という冬の最初の2つの節気を通って、12月の大雪の手前までを流れていきます。色づく葉、咲きはじめる山茶花、凍る大地、香る水仙、姿を消す虹、葉を払う北風。並べてみると、秋の名残が冬の入口へと切り替わっていく様子が、そのまま言葉になっていることがわかります。

この切り替わりを後ろで動かしているのは、大陸から流れ込む冷たい空気です。11月になると、シベリア方面で育った高気圧が日本付近へ張り出しはじめ、西に高気圧、東に低気圧が並ぶ「西高東低」の冬型の気圧配置が現れる日が出てきます。冬型の日は、日本海側で雨や雪が増え、太平洋側では乾いた北西の風と晴天になりやすいのが特徴です。

そもそも七十二候とは

七十二候は、二十四節気のひとつひとつをさらに3つに分けた暦です。24×3で72になるため、この名がついています。1つの候はおよそ5日間。「初候(しょこう)」「次候(じこう)」「末候(まっこう)」の順に移り変わり、5日ごとに季節の名前が変わっていきます。

もとは古代中国で生まれた暦ですが、中国の気候をもとにした表現には日本の風土と合わない部分がありました。そこで江戸時代に日本の自然に合わせた改訂が重ねられ、現在よく目にするものは明治7年(1874年)の「略本暦(りゃくほんれき)」に載った名称がもとになっています。動植物や気象の変化を3〜5文字の短い文で言い切るのが特徴です。

七十二候の名称は改訂の歴史があるため、資料によって表記や読み方が異なる場合があります。この記事では略本暦にもとづく一般的な表記を用いています。

11月は6つの候が移り変わる

2026年の11月には、6つの候が始まります。内訳は、霜降の末候がひとつ、立冬の3候、小雪の初候と次候です。小雪の末候「橘始黄」だけは12月2日ごろからになるため、11月の暦には顔を出しません。ただし11月から続く流れの締めくくりにあたるので、この記事でも最後に触れておきます。

11月は、暦のうえで秋から冬へ季節が切り替わる月でもあります。11月7日の立冬を境に、候の名前も「秋の名残」から「冬の兆し」へとはっきり色を変えていきます。立冬・小雪という節気そのものの意味や、日付が年によって前後する理由は、別記事で詳しく整理しています。

11月の七十二候 一覧表【2026年の日付つき】

2026年11月に始まる6つの候を、読み方・属する節気・期間とあわせて一覧にしました。日付は国立天文台が発表する暦要項にもとづく2026年の節気日から算出したもので、年によって1日前後します。

候読み方属する節気2026年の期間
楓蔦黄もみじつたきばむ霜降・末候11月2日〜11月6日ごろ
山茶始開つばきはじめてひらく立冬・初候11月7日〜11月11日ごろ
地始凍ちはじめてこおる立冬・次候11月12日〜11月16日ごろ
金盞香きんせんかさく立冬・末候11月17日〜11月21日ごろ
虹蔵不見にじかくれてみえず小雪・初候11月22日〜11月26日ごろ
朔風払葉きたかぜこのはをはらう小雪・次候11月27日〜12月1日ごろ

この6つに続く小雪の末候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」は、2026年は12月2日ごろから12月6日ごろまで。翌12月7日の大雪(たいせつ)で、冬はさらに一段深まります。

なお、前月の10月最後の候は霜降の次候「霎時施(こさめときどきふる)」で、2026年は10月28日ごろから11月1日ごろまで。通り雨の候が明けた翌日から、11月の候が始まるという順番です。

霜降・立冬の候|11月2日〜11月21日ごろ

11月前半は、色づく葉で秋を見送り、立冬とともに冬の花と冷え込みを迎える流れです。紅葉、山茶花、凍る地面、水仙。4つの候を並べると、目線が木の梢から生垣、そして足もとへと下りていくのがわかります。

4つの候のうち3つは、葉や花といった植物が題材です。そのひとつの山茶花は、もともと九州や四国などの暖かい地方に自生する木です。各地で目にする山茶花の多くは庭木や生垣として植えられたもので、冬の寒さが厳しい北の地方ほど見かける機会は少なくなります。立冬の初候を近所の生垣で確かめられるかどうかは、住んでいる土地の冬の冷え込みにも左右されます。

末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)

霜降の最後の候で、2026年は11月2日ごろから6日ごろまで。楓(もみじ)や蔦の葉が色づくころを表し、七十二候のうち秋の最後を締めくくる候にあたります。翌11月7日が立冬なので、この5日間が暦のうえでの「秋の見納め」です。

名前が「赤らむ」ではなく「黄ばむ」になっている点に目を向けると、この候の観察の細かさが見えてきます。葉の色づきは、まず緑が抜けて黄色みを帯びるところから始まります。真っ赤な紅葉になる前の、その最初の段階を捉えた名前です。実際の紅葉の見ごろは、京都などでは11月下旬ごろ。暦は、景色が完成する少し手前で名前をつけています。

初候 山茶始開(つばきはじめてひらく)

立冬の始まりとともに巡ってくる候で、2026年は11月7日ごろから11日ごろまで。冬の最初の候は、意外にも花が咲く場面から始まります。

読み方でとまどいやすいのが「山茶」の字です。「山茶」はもともと中国でツバキを指す漢字で、候の名前でも「つばき」と読ませています。ところが、立冬のころに咲いているのはツバキではなく山茶花(さざんか)のほう。ツバキの花期はおもに冬の終わりから春にかけてなので、この候の花は山茶花と考えるのが一般的です。

山茶花とツバキは見分けにくい花ですが、散り方に違いがあります。山茶花は花びらが1枚ずつばらばらに散り、ツバキは花の形を保ったまま丸ごと落ちます。生垣の下に花びらが散り敷いていたら、山茶花だと見当をつけてよいでしょう。童謡「たきび」に山茶花が歌い込まれているように、落ち葉と山茶花は日本の初冬を代表する取り合わせです。

初冬の生垣に咲く山茶花と、足もとに散った花びら・落ち葉

次候 地始凍(ちはじめてこおる)

2026年は11月12日ごろから16日ごろまで。大地が凍りはじめるころ、という意味です。冷え込んだ朝、土の表面がしゃりっと固くなっていたり、畑や公園の土から霜柱が顔を出していたりする情景を思い浮かべるとわかりやすい候です。

霜柱は、地中の水分が地表近くで凍りながら、細い氷の柱となって土を押し上げたものです。水分を含んだやわらかい土ほどよく立ちます。もっとも、11月中旬に霜柱が見られるのは北日本や内陸の冷え込む地域が中心で、関東や近畿の平野部ではまだ先の話。七十二候はもともと京都あたりの気候を基準に整えられた暦なので、地域によっては「これから来る冷え込みの予告」として受け取るのが実情に合っています。

朝晩の冷え込みが強まるこの時期は、家庭菜園やベランダの鉢植えの霜よけ、屋外の水まわりの冷え込み対策を考えはじめる目安になります。

末候 金盞香(きんせんかさく)

立冬の最後の候で、2026年は11月17日ごろから21日ごろまで。「金盞(きんせん)」は水仙のことで、水仙の花が咲き、香りはじめるころを表します。「香」と書いて「さく」と読ませるところに、花の姿だけでなく香りにまで季節を感じ取ろうとする細やかさが表れています。

「金盞」は金の盃という意味です。水仙の中央にある黄色い副花冠を金の盃に、まわりの白い花びらを銀の台に見立てて「金盞銀台(きんせんぎんだい)」と呼んだことに由来するとされます。読みが同じキク科のキンセンカを指すとする説もありますが、七十二候の金盞香としては水仙と読む解釈が広く紹介されています。

水仙の見ごろは、暖かい海沿いの産地では12月から2月ごろ。11月中旬はまだ咲きはじめで、つぼみがふくらんでくる時期です。ここでも暦は、満開より少し早く名前をつけています。立冬の3つの候については、立冬当日の過ごし方や旬の食べ物とあわせて、こちらの記事でも紹介しています。

小雪の候|11月22日〜12月上旬

11月22日の小雪(しょうせつ)からは、空と風が主役になります。虹が消え、北風が葉を払い、柑橘が色づく。3つの候はいずれも、日差しが弱まり冬らしい空気に入れ替わっていくことを、別々の角度から描いています。

日差しの弱まりは、太陽の高さにも表れています。東京で昼に太陽がいちばん高く上がったときの角度は、小雪の入りのころで約34度です。1年でもっとも低くなる冬至の日でも約31度なので、差は3度ほど。日差しの角度でいえば、小雪に入った時点で、すでに冬至とほとんど変わらない低さになっています。

初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)

2026年は11月22日ごろから26日ごろまで。虹を見かけなくなるころ、という意味です。「蔵」は「隠れる・しまわれる」の意味で、夏のあいだ空にかかっていた虹が、どこかへしまい込まれてしまう、という言い回しになっています。

この候には対になる候があります。春の清明・末候「虹始見(にじはじめてあらわる)」で、こちらは虹が見えはじめるころ。春に現れて冬に隠れる、という往復が七十二候のなかできちんと対応づけられています。冬は日差しが弱まり、夕立のようなにわか雨も減るため、虹が出る条件がそろいにくくなるのです。

ただし、まったく見えなくなるわけではありません。日本海側では冬の時雨(しぐれ)のあとに虹がかかることもあり、俳句では「冬の虹」が冬の季語になっています。めったに見られないからこそ、見つけたときに心に残る。そんな冬の虹の性格を、この候は裏側から言い当てているともいえます。

次候 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)

2026年は11月27日ごろから12月1日ごろまで。北風が木々の葉を吹き払うころ、という意味です。「朔(さく)」は北の方角を表す字で、「朔風」は北風のこと。楓蔦黄で色づいた葉が、およそ25日後のこの候で吹き払われていく、という流れになっています。

この時期を代表する風が「木枯らし」です。晩秋から初冬にかけて吹く、冷たく強い北寄りの風で、東京と近畿ではその年に初めて吹いたものを気象台が「木枯らし1号」として発表しています。枝に残っていた葉が一気に落ち、見通しのよくなった並木の向こうに冬の青空が広がる。朔風払葉は、そんな景色の切り替わりを捉えた候です。

末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)※12月初旬

2026年は12月2日ごろから6日ごろまでで、11月内には入りません。橘(たちばな)の実が黄色く色づきはじめるころを表し、小雪の締めくくりにあたる候です。

橘は、日本に古くから自生している柑橘の一種です。京都御所の紫宸殿の前に植えられた「右近の橘」で知られ、『古事記』『日本書紀』には、田道間守(たじまもり)が常世の国から持ち帰った「非時香菓(ときじくのかくのこのみ)」が橘だという伝承が残っています。冬でも葉を落とさない常緑の木であることから、長寿や繁栄を願う縁起のよい木とされてきました。葉を払われた木々のなかで、黄色い実をつける橘が目立ちはじめる。前の候と対照をなすような締めくくりです。

冬枝に実った黄色い橘の実と、濃い緑の葉

中国の七十二候と比べてわかる、日本の11月

七十二候は中国から伝わった暦ですが、日本では江戸時代前期の貞享暦(じょうきょうれき)への改暦にあわせて、天文学者の渋川春海(しぶかわはるみ)が日本の風土に合わせた「本朝七十二候」を編んだのが始まりとされます。その後も改訂が重ねられ、略本暦の名称に落ち着きました。11月の候を中国のものと並べてみると、その「日本化」の跡がよく見えます。

節気・候日本(略本暦)中国(宣明暦など)
霜降・末候楓蔦黄蟄虫咸俯(虫がみな穴にこもる)
立冬・初候山茶始開水始氷(水が凍りはじめる)
立冬・次候地始凍地始凍(同じ)
立冬・末候金盞香雉入大水為蜃(雉が海に入って大蛤になる)
小雪・初候虹蔵不見虹蔵不見(同じ)
小雪・次候朔風払葉天気上騰地気下降(天の気が昇り地の気が下る)

6つのうち中国と同じなのは「地始凍」と「虹蔵不見」の2つだけ。残りの4つは日本独自の名前に置き換えられています。とくに目を引くのが立冬の初候で、中国では「水が凍りはじめる」と冷たさで冬の入口を示すのに対し、日本では「山茶花が咲きはじめる」と花で冬の始まりを告げています。冬の入口を寒さではなく、そのなかで開く花に見いだしたわけです。

立冬の末候の「雉入大水為蜃」も印象的です。雉が海に入って大きな蛤(はまぐり)になる、という古代中国の言い伝えにもとづく候で、「蜃」は蜃気楼の「蜃」と同じ字です。実際の観察というより伝説を取り込んだ表現で、日本の改訂ではこれを水仙の開花という身近な植物の観察に置き換えています。日本の七十二候が「庭先で確かめられる季節」を重んじていることが、11月の候からも読み取れます。

中国の七十二候も時代によって表記に違いがあります。上の表は、日本で長く使われた宣明暦などに見られる一般的な表記にもとづいています。

11月の七十二候を暮らしに取り入れるヒント

七十二候は覚えるための知識というより、季節に目を向けるための手がかりです。5日ごとに名前が変わるので、「いまはどの候だろう」と確かめるだけで、見過ごしていた変化に気づきやすくなります。手紙と年中行事は、そのとっかかりにしやすい2つの場面です。

2026年の11月は、上旬・中旬・下旬のそれぞれに、ちょうど2つずつ候の始まりが入ります。下旬なら虹蔵不見と朔風払葉というように、旬ごとの組み合わせを頭に入れておくと、手紙を書く日や行事の日付がどの候に入るのか、見当がすぐにつきます。

時候の挨拶・手紙に使う

手紙の書き出しには「立冬の候」「初冬の候」といった定型がありますが、候の名前を自分の言葉にほどいて使うと、ぐっと具体的になります。たとえば11月中旬なら「山茶花の咲く道に冬の訪れを感じます」、下旬なら「木の葉を払う北風に、冬の到来を感じるころとなりました」といった調子です。

11月の書き出し例(時期別)

上旬(立冬前):木々の葉が色づき、秋も深まってまいりました。/晩秋の候、いかがお過ごしでしょうか。

中旬:山茶花の花がほころびはじめました。/立冬を過ぎ、朝夕の冷え込みが身にしみるころとなりました。

下旬:木枯らしが吹き、冬の足音が近づいてまいりました。/小雪の候、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

注意したいのは、「立冬の候」は立冬の当日以降に使う表現だという点です。11月の手紙でも、2026年なら11月6日までに出すものは「晩秋の候」などを選ぶと季節感がずれません。候の名前と同じく、冬の言葉は暦が冬に入ってから使う、と覚えておくと迷いません。初冬の季節感を表す言葉は、季語の一覧からも探せます。

11月の行事を候と重ねて楽しむ

11月の主な行事を候の期間に当てはめると、季節の流れがより立体的に見えてきます。2026年は、酉の市の一の酉が11月7日でちょうど立冬の日、つまり「山茶始開」の初日に重なります。縁起物の熊手を求める人で神社がにぎわう日に、暦のうえの冬が始まる組み合わせです。

11月15日の七五三は「地始凍」の期間にあたり、晴れ着の上に羽織るものが欲しくなる時期です。二の酉の11月19日は「金盞香」のころ。そして11月23日の勤労感謝の日は、小雪の初候「虹蔵不見」の2日目にあたります。勤労感謝の日はもともと、その年の新穀を神々に供えて実りに感謝する新嘗祭(にいなめさい)の日でした。収穫の祭りを終えて、空から虹が消え、冬ごもりへと向かう。行事と候を重ねると、11月が「実りの締めくくり」の月であることがよくわかります。

食卓では、白菜・大根といった冬野菜、早生みかんやゆず、脂ののりはじめたぶりなどが出回りはじめます。12月初旬の「橘始黄」を前に、店頭に柑橘が増えていくのも、候の流れと重なる楽しみです。11月のほかの行事や記念日は、こちらの記事で一覧にしています。

11月の七十二候に関するよくある質問

11月の七十二候はいくつありますか?

2026年の場合、11月中に始まる候は6つです。霜降の末候「楓蔦黄」、立冬の3候「山茶始開」「地始凍」「金盞香」、小雪の初候「虹蔵不見」と次候「朔風払葉」という内訳になります。小雪の末候「橘始黄」は12月2日ごろからで、11月には入りません。

「山茶始開」はツバキと山茶花のどちらですか?

山茶花と考えるのが一般的です。「山茶」は中国でツバキを指す漢字で、候の名前も「つばき」と読ませますが、立冬のころに咲くのは山茶花です。山茶花という和名は、「山茶花(さんさか)」の読みが転じたものという説が有力で、もとの漢字の意味と実際の花がずれて見えるのはこのためです。

「金盞香」の金盞は水仙ですか、キンセンカですか?

水仙と解釈するのが一般的です。水仙の黄色い副花冠を金の盃、白い花びらを銀の台に見立てた「金盞銀台」という呼び名に由来するとされます。読みが同じキク科のキンセンカを指すという説もありますが、11月中旬に香りとともに咲きはじめる花として、水仙と読む解釈が広く紹介されています。

七十二候の日付は毎年同じですか?

年によって1日ほど前後します。七十二候の区切りは、もとになる二十四節気の日付から決まり、その節気の日付は太陽の位置で決まるためです。2026年は立冬が11月7日、小雪が11月22日ですが、2027年は立冬が11月8日になる見込みで、立冬の3候もそれにあわせて1日ずつ後ろへずれます。

11月の七十二候で、中国と同じものはありますか?

11月に始まる6つの候のうち、中国の七十二候と同じ名前なのは立冬の次候「地始凍」と小雪の初候「虹蔵不見」の2つです。残りの4つは、江戸時代以降の改訂で日本の風土に合わせた名前に置き換えられています。たとえば立冬の初候は、中国では「水始氷(水が凍りはじめる)」ですが、日本では「山茶始開(山茶花が咲きはじめる)」になっています。

ひとつ前の10月に巡る候(寒露・霜降の6つ)は、こちらの記事でまとめています。

まとめ|11月の七十二候で冬の入口を感じる

2026年11月に巡る候は、11月2日の「楓蔦黄」に始まり、立冬の「山茶始開」「地始凍」「金盞香」、小雪の「虹蔵不見」「朔風払葉」と続く6つでした。葉が色づき、山茶花が咲き、地が凍り、水仙が香り、虹が隠れ、北風が葉を払う。5日ごとの名前を追うだけで、秋が冬に入れ替わる11月の輪郭がはっきりしてきます。

中国の候と比べると、日本の11月は冬の入口を「寒さ」ではなく「咲く花」や「香り」で描いているのが特徴でした。霜柱がまだ立たなくても、水仙がまだつぼみでも、それは暦がずれているのではなく、これから訪れる季節を先に告げる暦だからだと考えると腑に落ちます。

11月の候をひとつ覚えるなら、立冬の日の「山茶始開」から。通りがかりの生垣に山茶花を見つけたら、その日から暦の冬が始まっています。

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