6月の時候の挨拶|まずは基本を押さえよう
6月の時候の挨拶は、「時期」と「相手」の2軸で選ぶと迷いません。6月は初夏・梅雨・夏至と季節の表情が大きく変わる月なので、上旬・中旬・下旬で使える言葉が異なります。さらに、ビジネス文書か親しい相手への便りかでも、選ぶ表現が変わります。
この記事では、上旬・中旬・下旬それぞれの時候の挨拶を、ビジネス用とカジュアル用に分けて例文付きで紹介します。書き出しだけでなく結びの言葉もまとめているので、そのままコピーして使える構成になっています。
6月の時候の挨拶は「上旬・中旬・下旬」×「ビジネス・カジュアル」のマトリクスで覚えると便利です。
漢語調と口語調の使い分け
時候の挨拶には、大きく分けて2つのスタイルがあります。「漢語調」と「口語調」です。どちらを選ぶかで、手紙全体の印象が大きく変わります。
- 漢語調:「〇〇の候」「〇〇のみぎり」など、かしこまった表現
- 口語調:「梅雨入りの季節となりました」など、やわらかい表現
漢語調は改まった文書に向いていて、ビジネス文書・目上の方への手紙・お礼状などで使われます。一方、口語調は親しい相手への手紙や、やわらかい印象を与えたいときに向いています。
上旬・中旬・下旬の区分と代表的な時候
6月の時候の挨拶は、おおむね次のように区分されます。
- 上旬:1日〜10日頃(初夏・梅雨入り前)
- 中旬:11日〜20日頃(梅雨・入梅)
- 下旬:21日〜30日(夏至・梅雨明け・向暑)
ただし、天候や地域によって実感は前後します。たとえば沖縄の梅雨入りは5月中旬、北海道は梅雨がありません。相手の住む地域や実際の天気を意識して、違和感のない季語を選ぶことが大切です。
ビジネスとカジュアルで変える理由
時候の挨拶は、手紙やメールの第一印象を決める重要な一文です。ビジネスで漢語調を選ぶのは、礼儀正しさと格式を示すためです。一方、親しい相手に漢語調を使うと、よそよそしい印象になってしまいます。
相手との関係性に合わない挨拶は、かえって違和感を与えます。「誰に向けて書くか」を最初に決めてから、スタイルを選ぶようにしましょう。

6月上旬(1日〜10日頃)の時候の挨拶と例文
6月上旬は、「初夏の候」「薄暑の候」「芒種の候」などが代表的です。まだ梅雨入り前の地域が多く、初夏の爽やかさを感じさせる表現が中心になります。
この時期は、気温がじわじわと上がりはじめ、衣替えの季節でもあります。夏の気配を匂わせつつ、相手の健康を気遣う一文を添えるとバランスがよくなります。
ビジネスで使える書き出し例文
改まった文書では、漢語調の時候の挨拶をそのまま使うと格式が保てます。以下はそのまま使える書き出し例です。
- 拝啓 初夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 薄暑の候、貴社におかれましては益々ご発展のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 芒種の候、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 向夏の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
「芒種(ぼうしゅ)」は二十四節気のひとつで、6月6日頃から夏至の前日までを指します。暦にこだわる相手には「芒種の候」、一般的な相手には「初夏の候」を選ぶと無難です。
カジュアルで使える書き出し例文
親しい相手への手紙では、目に見える風景や体感を描写する書き出しが好まれます。以下のような表現が使いやすいでしょう。
- 衣替えの季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
- 青葉が目にまぶしい季節となりました。いかがお過ごしですか。
- 吹く風に初夏の匂いを感じる頃となりました。
- さわやかな初夏の風が心地よい季節ですね。

「青葉」「さわやか」「衣替え」など、視覚や体感に訴える言葉を選ぶと、手紙全体の印象がやわらかくなります。
6月上旬の結びの言葉
結びの言葉は、相手の健康を気遣うひとことで締めるのが基本です。上旬はまだ梅雨入り前なので、気温の変化に触れるとしっくりきます。
- 時節柄、どうぞご自愛くださいませ。
- 季節の変わり目ゆえ、お身体にお気をつけてお過ごしください。
- 梅雨入り前の爽やかな日々を、楽しくお過ごしください。
- 皆様のますますのご健勝をお祈り申し上げます。
6月中旬(11日〜20日頃)の時候の挨拶と例文
6月中旬は、「入梅の候」「梅雨の候」「紫陽花の候」などが代表的です。多くの地域で梅雨入りする時期なので、雨や紫陽花をモチーフにした表現がよく使われます。
ジメジメとした気候は体調を崩しやすい時期でもあります。書き出しでも結びでも、相手の体調を気遣う一言を忘れないようにしましょう。
ビジネスで使える書き出し例文
梅雨時のビジネス文書では、「入梅」「梅雨」「長雨」などが代表的な漢語調の季語です。
- 拝啓 入梅の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 梅雨の候、貴社におかれましては益々ご発展のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 長雨の候、皆様におかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 紫陽花の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
「入梅の候」は梅雨入りの時期を意識した表現です。地域によって梅雨入りの時期がずれるため、手紙が届く頃に相手の地域で梅雨入りしているか、気になる場合は「梅雨の候」のほうが無難です。
カジュアルで使える書き出し例文
親しい相手には、紫陽花や雨音といった梅雨の風物詩を取り入れると、季節感が豊かに伝わります。
- 雨に濡れる紫陽花が美しい季節となりました。
- 梅雨入りし、しとしとと雨が続く毎日ですが、お元気でお過ごしですか。
- 紫陽花の花が色づき、梅雨の気配を感じる今日この頃です。
- 雨の日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。



雨の描写は少し憂鬱な印象になりがちです。「紫陽花が美しい」「雨音が心地よい」など、前向きな言葉を添えるとバランスがとれます。
6月中旬の結びの言葉
梅雨時は湿気や気圧の変化で体調を崩しやすい季節です。結びには、相手の健康への気遣いを込めましょう。
- 梅雨冷えで体調を崩されませんよう、くれぐれもご自愛ください。
- 長雨で足元の悪い日が続きますが、どうぞお気をつけてお過ごしください。
- 梅雨の晴れ間に、ほっと一息つかれますよう。
- ジメジメとした日が続きますが、お健やかにお過ごしください。
6月下旬(21日〜30日)の時候の挨拶と例文
6月下旬は、「夏至の候」「向暑の候」「短夜の候」などが代表的です。夏至を過ぎると日が少しずつ短くなり、本格的な夏に向かう時期にあたります。
夏至は毎年6月21日頃で、一年で昼の時間がもっとも長い日です。この時期を境に、挨拶のトーンも「梅雨」から「夏の到来」へと移り変わります。
ビジネスで使える書き出し例文
下旬のビジネス文書では、「夏至」「向暑」「短夜」を使った漢語調が定番です。
- 拝啓 夏至の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 向暑の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 短夜の候、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 拝啓 初夏の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
「向暑(こうしょ)」は、これから暑くなっていく時期を意味します。6月下旬から7月上旬にかけて使える便利な表現です。
カジュアルで使える書き出し例文
親しい相手には、夏至の話題や梅雨明けへの期待を盛り込むと、前向きな印象になります。
- 夏至を過ぎ、夏本番も近づいてきましたね。
- 一年で最も昼が長い頃となりました。いかがお過ごしですか。
- 梅雨明けが待ち遠しい季節となりました。
- 日に日に夏らしさが増してくる今日この頃です。
6月下旬の結びの言葉
これから暑さが本格化する時期なので、結びには夏バテや暑さへの配慮を入れるとしっくりきます。
- 暑さに向かう折、どうぞご自愛くださいませ。
- 夏本番を前に、くれぐれもお身体をおいといください。
- まもなく本格的な夏となります。お元気でお過ごしください。
- 蒸し暑い日々が続きますが、健やかな毎日をお祈り申し上げます。


シーン別|6月の時候の挨拶テンプレート
ここでは、よくあるシーン別に、そのまま使える完成例文を紹介します。書き出しから本題への導入、結びまで一貫した流れで書くと、丁寧な印象の手紙になります。
お礼状・案内状での使い方
お礼状や案内状は、ビジネスでも個人でもよく書く機会があります。以下はお世話になった相手へのお礼状の例です。
拝啓 紫陽花の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日は大変お世話になり、誠にありがとうございました。〇〇様の温かいお心遣いに、心より感謝申し上げます。
梅雨冷えで体調を崩されませんよう、どうぞご自愛くださいませ。まずは書中をもちまして御礼申し上げます。 敬具
親しい相手へのお便り
友人や家族など、親しい相手への手紙では、カジュアルな口語調の時候の挨拶がしっくりきます。
紫陽花が色づく季節になりましたね。お元気でお過ごしでしょうか。
こちらは毎日雨続きで、少し気分が沈みがちですが、庭の紫陽花が色とりどりに咲いて楽しませてくれています。〇〇さんの近況も、ぜひ聞かせてください。
梅雨冷えで体調を崩さないよう、お互い気をつけて過ごしましょうね。
メールで使う場合の簡易版
ビジネスメールでは、手紙ほどかしこまった時候の挨拶は不要です。短く簡潔にまとめるのがマナーです。
- 梅雨入りし、雨の日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨空が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 夏至を過ぎ、日ごとに暑さが増してまいりました。
6月の時候の挨拶でよくある質問
- 「梅雨の候」はいつまで使えますか?
-
一般的には、梅雨入りから梅雨明けまでが目安です。地域によって梅雨の時期が異なるため、相手の住む地域の梅雨が明けていないかを意識して使いましょう。関東であれば、おおむね6月上旬から7月中旬頃までが使える期間です。
- 「初夏の候」と「向暑の候」はどう違いますか?
-
「初夏の候」は5月から6月上旬にかけて、夏の気配を感じ始めた頃に使います。「向暑の候」は6月下旬から7月上旬にかけて、これから暑くなっていく時期を指します。時期の重なりはなく、6月中の使い分けとしては「上旬=初夏」「下旬=向暑」が目安です。
- 結び文に天候への気遣いを入れるべきですか?
-
入れたほうが丁寧な印象になります。特に6月は梅雨・湿気・気温変化で体調を崩しやすい時期なので、「ご自愛ください」だけで終わらせず、「梅雨冷えで体調を崩されませんよう」のように具体的に触れると、より心のこもった結びになります。
- ビジネスメールでも「拝啓」は必要ですか?
-
メールでは通常、「拝啓」「敬具」は省略します。時候の挨拶から自然に本題へ入るのがマナーです。一方、手紙や改まった文書では、「拝啓」で始めて「敬具」で結ぶのが基本形になります。
まとめ|6月の時候の挨拶は時期と相手で選ぶ
6月の時候の挨拶は、「上旬・中旬・下旬の時期」と「ビジネス・カジュアルの相手」の2軸で選ぶと、迷わず使いこなせます。上旬は初夏の爽やかさ、中旬は梅雨と紫陽花、下旬は夏至と向暑、それぞれの季節感を取り入れることで、手紙の印象が豊かになります。
書き出しだけでなく、結びの言葉もセットで用意しておくと、手紙全体がまとまりやすくなります。特に6月は体調を崩しやすい季節なので、相手の健康を気遣う結びを忘れないようにしましょう。
「時期」と「相手」で選べば、6月の時候の挨拶はもう迷わない。コピペできる例文を手元に置いて、心のこもった手紙を書きましょう。
二十四節気や旧暦の月の名前を知っておくと、時候の挨拶の表現の幅がさらに広がります。気になる方は、あわせてご覧ください。
























