カレンダーの「今日は何の日」で盗難防止の日という名前を見かけて、どうしてこの日なのだろうと気になった方もいるのではないでしょうか。ゴミ出しのついでに玄関の鍵を開けたままにしたり、自転車にひとつしか鍵をかけていなかったりと、盗難への備えはつい後回しになりがちです。
この記事では、盗難防止の日の日付と由来、制定の背景、最近の盗難被害の傾向、住まい・車・自転車ごとの対策、記念日に家族でできる防犯チェックまでをまとめました。
盗難防止の日は毎年10月7日です。「とう(10)なん(7)」の語呂合わせから、日本損害保険協会が2003年(平成15年)に制定しました。
盗難防止の日は10月7日|「とう(10)なん(7)」の語呂合わせ
盗難防止の日は、毎年10月7日です。日付は固定されていて、年によって動くことはありません。国民の祝日ではないので、学校や会社が休みになることもありません。10と7を「とう」「なん」と読ませて「盗難」にかけた、覚えやすい語呂合わせの記念日です。
記念日の名前にある「盗難」は、警察の統計では「窃盗」として数えられる犯罪です。警察庁によると、2024年に全国で認知された刑法犯73万7,679件のうち、窃盗は50万1,507件でした。刑法犯のおよそ7割を窃盗が占めている計算で、罪種の分類の中で最も件数の多いグループです。
日本損害保険協会が2003年に制定
盗難防止の日を定めたのは、損害保険会社でつくる一般社団法人・日本損害保険協会です。2003年(平成15年)に制定し、一般社団法人・日本記念日協会に記念日として登録されています。
目的は、自動車の盗難や車上ねらい、住宅への空き巣といった盗難の被害を防ぎ、こうした犯罪をなくすことです。記念日の前後には、各地で盗難防止を呼びかける啓発活動が行われてきました。電器店などで防犯グッズの売り場が設けられるなど、身近なところで盗難への備えを見直すきっかけの日にもなっています。
制定の背景は自動車盗難の多さ
制定された2003年は、自動車盗難や車上ねらいが最も多かった時期にあたります。この年の自動車盗の認知件数は6万4,223件にのぼりました。損害保険の現場でも盗難による保険金の支払いが増えていて、業界として対策を呼びかける必要があったのです。
その後、警察の取り締まりや、鍵の情報が一致しないとエンジンがかからない「イモビライザー」の普及などが進み、件数は大きく減りました。警察庁の統計では、2024年の自動車盗の認知件数は6,080件で、ピークのおよそ10分の1です。ただし、検挙率は4割台にとどまっていて、盗まれた車が戻らないケースも少なくありません。
盗難防止の日の基本
- 日付:毎年10月7日(祝日ではない)
- 由来:「とう(10)なん(7)」の語呂合わせ
- 制定:日本損害保険協会(2003年)
- 目的:自動車盗難・車上ねらい・住宅への侵入盗などの被害を防ぐ
数字で見る盗難被害|住まい・車・自転車の今
盗難と一口にいっても、狙われるものによって手口はまったく違います。対策を考える前に、住まい・車・自転車のそれぞれで、どのような被害が多いのかを見ておきましょう。数字を知ると、どこに気をつければよいかがはっきりします。
警察庁の犯罪統計は、窃盗を手口の性質で大きく分けて集計しています。住宅や事務所などに入り込む「侵入窃盗」、自転車・オートバイ・自動車を盗む「乗り物盗」、万引きや車上ねらいなどの「非侵入窃盗」です。2024年は侵入窃盗が4万3,036件、乗り物盗が19万1,741件、非侵入窃盗が26万6,730件でした。乗り物盗は、建物に入り込む侵入窃盗の4倍を超える件数です。
住まいの侵入は「無締り」と「ガラス破り」が多い
住宅に忍び込む侵入窃盗で、侵入の方法として最も多いのは「無締り」、つまり鍵のかけ忘れです。警備会社が警察庁の2024年の統計をもとにまとめた資料では、無締りが約4割、窓などのガラスを割って入る「ガラス破り」が約4分の1を占めています。ピッキングのように鍵そのものを開ける手口は、思われているほど多くありません。
住まいの形によっても傾向は変わります。一戸建てでは窓のガラス破りが多く、4階建て以上のマンションなどの共同住宅では、玄関の鍵のかけ忘れによる被害が目立ちます。「高い階だから大丈夫」と油断しがちな場所ほど、狙われやすいということです。
車はランドクルーザーが盗難ワースト1位
日本損害保険協会は、保険金が支払われた自動車盗難の実態を毎年調べています。2025年の調査では、車両本体の盗難は2,746件で、そのうちトヨタのランドクルーザー(プラドを含む)が約3割を占めて最も多くなりました。アルファード、プリウス、クラウンと、人気の高い車種が続きます。
海外でも人気があり、部品や車体を高く売れる車ほど狙われやすいといわれています。件数そのものは2003年ごろより大きく減ったものの、特定の車種に被害が集中しているのが今の自動車盗難の特徴です。
自転車盗の6割以上が無施錠
私たちに最も身近な盗難が、自転車盗です。各地の警察が公表している2024年の統計を見ると、盗まれた自転車の6割以上、地域によっては7割以上が鍵をかけていない状態でした。「すぐ戻るから」と数分だけ鍵をかけずに置いたすきに、被害にあうケースが多いのです。
| 対象 | 多い手口・傾向 | まず気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 住まい | 鍵のかけ忘れ(無締り)、窓のガラス破り | 短い外出でも施錠、窓の補強 |
| 車 | 人気車種に集中、電子的な手口も | 物理的なロックの併用 |
| 自転車 | 6〜7割が無施錠のまま被害 | 必ず施錠、鍵を2つかける |
住まいの盗難対策|「5分」で侵入をあきらめさせる
住まいの防犯でよく知られているのが「5分」という目安です。都市防犯研究センターが侵入窃盗の犯人に聞いた調査では、侵入に手間取ったときに5分以内であきらめると答えた人が約7割でした。つまり、侵入に時間がかかる家にしておくことが、狙われにくさにつながります。
住宅への侵入窃盗には、入り込むときの家の状況による呼び名があります。住人の留守中に入る「空き巣」、夜間に住人が寝ている間に入る「忍込み」、在宅中のすきを突く「居空き」です。警察庁の統計では、近年は空き巣が6割台、忍込みが2割台を占めています。侵入の機会は留守の時間に限らず、就寝中の夜にもあるということです。
ゴミ出しや短い外出でも鍵をかける
侵入の方法で最も多いのが鍵のかけ忘れである以上、いちばん効果的でお金もかからない対策は、家を離れるときに必ず鍵をかけることです。ゴミ出しや近所への届け物、子どもの送り迎えなど、数分の外出こそ鍵をかけずに出てしまいがちです。
在宅中でも、2階の窓や浴室の小窓、勝手口の鍵が開いたままになっていないかを見直しましょう。夏のあいだに開ける習慣がついた窓は、秋になっても閉め忘れが起きやすい場所です。鍵の置き場所を植木鉢の下や郵便受けの中にするのも避けてください。
窓は補助錠と防犯フィルム、CPマークの部品
一戸建てで多いガラス破りへの備えには、窓に後から取りつける補助錠や、ガラスを割れにくくする防犯フィルムがあります。補助錠を窓の上下に付けると、ガラスの一部を割られてもクレセント錠(窓の中央の鍵)を開けただけでは窓が動かず、侵入に時間がかかります。
ドアや窓、錠前を選ぶときの目安になるのが「CPマーク」です。CPは防犯を意味する英語「Crime Prevention」の頭文字で、警察庁や関係団体でつくる官民合同会議の試験で、侵入されるまでに5分以上かかると確かめられた「防犯性能の高い建物部品」に付けられています。住まいのリフォームや鍵の交換の際は、このマークを確かめるとよいでしょう。
長く留守にするときの郵便物と照明
旅行や帰省で家を空けるときは、留守だと気づかれないようにする工夫も役立ちます。郵便受けに新聞やチラシがたまっていると、留守の目印になってしまいます。新聞は販売店に配達を止めてもらい、郵便物は郵便局に不在届を出すと、最長30日間局で預かってもらえます。
夜に家が真っ暗なままにならないよう、タイマーで照明がつくようにしておく方法もあります。人が近づくと明かりがつくセンサーライトを玄関や勝手口に付けておくと、暗い場所に身を隠しにくくなります。留守にすることをSNSで知らせるのも、出かける前は控えましょう。

車・自転車の盗難対策
件数が多いわりに検挙に結びつきにくいのが、車や自転車を盗む「乗り物盗」です。2024年の乗り物盗の検挙率は8.6%で、侵入窃盗の57.8%を大きく下回りました。件数の内訳では、9割を超える17万4,020件が自転車盗です。盗まれたあとの解決を期待しにくいため、盗まれる前の備えがいっそう大切になります。
車と自転車は、家の外に置いておく時間が長いぶん、盗難の機会にさらされやすいものです。車は電子的な手口が増えている一方、自転車は鍵のかけ忘れが圧倒的に多く、気をつけるポイントが違います。それぞれの対策を見ていきましょう。
電子的な手口には物理的なロックも組み合わせる
最近の自動車盗難では、鍵を壊さずに車を動かす手口が知られるようになりました。スマートキーが出している電波を特殊な機器で中継してドアを開ける「リレーアタック」や、車の配線に機器をつないで電子的に鍵を開けてしまう「CANインベーダー」と呼ばれる手口です。
電子的な手口には、ハンドルを動かなくするハンドルロックや、タイヤを固定するタイヤロックのような目に見えるロックを組み合わせると、持ち去るまでに時間がかかります。家ではスマートキーを電波を遮るケースに入れる、使わないときは節電モードにするといった方法もあります。車種ごとの対応はメーカーや販売店で確かめてください。
車上ねらいを防ぐ:車内に物を見せない
車そのものではなく、車の中の物を盗む車上ねらいも、盗難防止の日が呼びかけてきた被害の一つです。窓から見える場所にバッグや財布、スマートフォン、買い物袋を置いておくと、短い時間の駐車でもガラスを割られるおそれがあります。
車を離れるときは、貴重品は持って出るのが基本です。荷物を置いていく場合も、外から見えないようにしましょう。ドアのロックと窓の閉め忘れがないか、車を離れる前に確かめる習慣をつけると安心です。
自転車はツーロックと防犯登録
自転車の盗難を防ぐ第一歩は、どんなに短い時間でも鍵をかけることです。そのうえで、もとから付いている鍵に加えてワイヤー錠などをもう1つかける「ツーロック」にすると、盗むのに手間がかかり、狙われにくくなります。自宅でも、敷地の中だからと鍵をかけずに置くのは避けましょう。
自転車を買ったときの防犯登録は、法律で義務づけられています。登録しておくと、盗まれた自転車が見つかったときに持ち主を確認する手がかりになります。登録カードの控えは、なくさないように保管しておきましょう。
盗難防止の日にやりたい「10分の防犯チェック」
記念日は、ふだん後回しにしている確認をまとめて行うよいきっかけです。10月7日の盗難防止の日には、家族で家のまわりを歩きながら、10分ほどで防犯の点検をしてみてはいかがでしょうか。秋は日が短くなり、夕方の帰宅時間が暗くなる季節でもあります。
国立天文台の暦要項で東京の日の入りを見ると、10月7日ごろは17時20分前後、11月下旬には16時30分ごろです。1か月半あまりで、日の入りが50分近く早まります。点検の一部を日が沈んだあとに回すと、外から見えにくい暗がりが家のまわりのどこにできるかを確かめられます。
家族で確かめたいチェックリスト
10分でできる防犯チェック
- 玄関・勝手口・窓の鍵は、きちんとかかるか
- 浴室やトイレの小窓、2階の窓を開けっぱなしにしていないか
- 合鍵を植木鉢の下や郵便受けに置いていないか
- 窓の近くに、足場になる物置や脚立を置いていないか
- 玄関や駐車場のライトは切れていないか
- 自転車の鍵は2つあるか、防犯登録カードの控えはあるか
- 車内に貴重品や荷物を置いたままにしていないか
子どもがいる家庭では、「家を出るときは鍵をかける」「自転車には必ず鍵をかける」を家族の約束にしておくと、習慣になりやすくなります。点検で気になる場所が見つかったら、補助錠やセンサーライトなど、取り入れやすいものから少しずつ対策しましょう。
もし盗まれたら:110番と保険会社への連絡
万一、空き巣に入られたと気づいたら、家の中に犯人が残っているおそれもあるので、無理に入らず安全な場所から110番通報します。警察が来るまでは、部屋の物に触らずそのままにしておくことが大切です。車や自転車が盗まれたときも、まず警察に届け出ます。自転車の場合は防犯登録番号を伝えると、照会がしやすくなります。
火災保険や自動車保険の契約によっては、盗難の被害が補償されることがあります。警察に届けたら、加入している保険会社や代理店にも早めに連絡しましょう。鍵ごと盗まれた場合は、鍵の交換も忘れずに行ってください。
10月7日の前後にある防犯・安全の日
盗難防止の日のすぐあとには、地域ぐるみで犯罪を防ぐ全国的な運動も始まります。防犯や暮らしの安全にまつわる日を表にまとめました。1年のうちに何度か、防犯や備えを見直すタイミングを持っておくと、対策を忘れにくくなります。
| 名前 | 日付 | 内容 |
|---|---|---|
| 盗難防止の日 | 10月7日 | 「とう(10)なん(7)」の語呂合わせ。日本損害保険協会が制定 |
| 安全・安心なまちづくりの日 | 10月11日 | 全国地域安全運動の初日 |
| 全国地域安全運動 | 10月11日〜20日 | 地域で犯罪を防ぐための全国的な運動 |
| 110番の日 | 1月10日 | 110番の正しい使い方を広める日 |
| 防災の日 | 9月1日 | 1923年9月1日の関東大震災にちなむ |
4日後から始まる全国地域安全運動
毎年10月11日から20日までの10日間は、全国地域安全運動の期間です。全国防犯協会連合会や警察庁などが主催し、各地で防犯パトロールや防犯教室、詐欺の被害を防ぐ呼びかけなどが行われます。2026年も10月11日(日)から20日(火)までの日程です。初日の10月11日は「安全・安心なまちづくりの日」とされています。
2026年の運動では、特殊詐欺やSNSを使った詐欺の防止と、子どもと女性を犯罪から守ることが全国の重点として挙げられています。近年の運動では、自転車盗や万引きの防止も重点の一つとして呼びかけられてきました。盗難防止の日に家の点検をして、続く運動の期間に地域の防犯活動にも目を向けると、防犯を考える秋の10日あまりになります。
備えを見直す日として防災の日もあわせて
盗難への備えと同じように、災害への備えも「いつかやろう」と思いながら後回しになりがちです。9月1日の防災の日は、関東大震災にちなんで定められた日で、非常用持ち出し袋や家族の連絡方法を確かめるきっかけになります。家の点検をするなら、防犯と防災をまとめて見直すのも効率のよい方法です。

同じ10月7日は、推理小説の祖とされるエドガー・アラン・ポーの命日にちなむ「ミステリー記念日」でもあります。10月にはほかにも、スポーツの日や十三夜、ハロウィンなど季節の行事が続きます。月全体の行事を知りたい方は、一覧の記事もあわせてどうぞ。

翌日の10月8日は、「米」の字を「十」と「八」に分けた形や、新米の季節にちなんだ「焼きおにぎりの日」です。秋の食卓を楽しむ記念日として、あわせてどうぞ。

2日後の10月9日は、「ト(10)ラック(9)」の語呂合わせから全日本トラック協会が制定した「トラックの日」です。各地のイベントでは、大型トラックの運転席から見えにくい場所を確かめる死角体験など、交通安全を学べる催しも開かれます。

4日後の10月11日は、全国地域安全運動が始まる日であると同時に、「10」と「11」を横に倒すとウインクした顔に見えることにちなむ「ウインクの日」でもあります。数字の形を人の顔に見立てた、遊び心のある記念日です。

盗難防止の日についてよくある質問
- 盗難防止の日はいつですか?
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毎年10月7日です。日付は固定で、年によって変わることはありません。国民の祝日ではないため、休みにはなりません。
- なぜ10月7日なのですか?
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10を「とう」、7を「なん」と読むと「とうなん(盗難)」になる語呂合わせが由来です。
- 盗難防止の日は誰が決めたのですか?
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損害保険会社でつくる一般社団法人・日本損害保険協会が、2003年(平成15年)に制定しました。自動車盗難や車上ねらいが特に多かった時期で、盗難の被害を減らすことを目的としています。
- 空き巣はどこから入ることが多いですか?
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侵入の方法で多いのは、鍵のかけ忘れ(無締り)と窓のガラス破りです。一戸建てでは窓から、マンションなどでは玄関からの侵入が目立ちます。短い外出でも鍵をかけ、窓には補助錠を付けるなどの備えが役立ちます。
- 自転車の防犯登録はしないといけませんか?
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はい。自転車の防犯登録は法律で義務づけられています。自転車を買った店などで登録でき、盗まれた自転車が見つかったときに持ち主を確認する手がかりになります。
まとめ
盗難防止の日は毎年10月7日です。「とう(10)なん(7)」の語呂合わせから、自動車盗難が最も多かった2003年に日本損害保険協会が制定しました。自動車盗の件数はピークの約10分の1まで減りましたが、特定の車種への集中や電子的な手口など、形を変えた被害は今も続いています。
住まいでは鍵のかけ忘れと窓のガラス破り、自転車では無施錠のままの被害が目立ちます。短い外出でも鍵をかける、窓に補助錠を付ける、自転車はツーロックにするなど、侵入や持ち去りに時間がかかるようにしておくことが基本です。
10月7日の盗難防止の日には、家族で10分の防犯チェックをして、続く全国地域安全運動の期間とあわせて、住まいと持ち物の守り方を見直してみてください。
