招き猫の日は9月29日|由来は「来る福」と招き猫の起源

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「9月29日は招き猫の日」と聞いて、なぜこの日なのか気になった人もいるのではないでしょうか。お店の入り口や家の棚でおなじみの招き猫ですが、いつから作られるようになったのか、右手と左手で何が違うのかは、意外と知られていません。

この記事では、招き猫の日の由来と制定の経緯、記録に残る最古の招き猫、各地に伝わる発祥の説をまとめました。招き猫の選び方や、伊勢と瀬戸で開かれる「来る福招き猫まつり」、家でできる過ごし方もあわせて紹介します。

招き猫の日は毎年9月29日です。「く(9)る・ふく(29)」と読んで「来る福」になる語呂合わせから、1995年に日本招猫倶楽部が制定しました。

目次

招き猫の日は9月29日|「来る(9)福(29)」の語呂合わせ

招き猫の日は、毎年9月29日に固定されている記念日です。数字の9を「く」、29を「ふく」と読むと「来る福(くるふく)」になることから、この日付が選ばれました。福を招く縁起物として親しまれてきた招き猫に、ぴったりの語呂合わせです。

項目内容
日付毎年9月29日(固定)
日付の由来9(く)29(ふく)で「来る福」と読む語呂合わせ
制定した年1995年(平成7年)
制定した団体日本招猫倶楽部
認定一般社団法人日本記念日協会が認定・登録
祝日かどうか日本の祝日ではない

1995年に日本招猫倶楽部が制定した記念日

招き猫の日を定めたのは、招き猫の愛好家でつくる「日本招猫倶楽部」です。1995年(平成7年)に制定され、一般社団法人日本記念日協会に記念日として認定・登録されています。

目的は、招き猫の魅力を多くの人に知ってもらうことです。あわせて、日ごろ福を招き続けてくれる招き猫に感謝する日ともされています。制定から30年ほどの、比較的新しい記念日です。それでも招き猫の産地や門前町では、この日に合わせたおまつりが毎年開かれ、秋の恒例行事として定着しています。

2027年〜2029年の招き猫の日は何曜日?

招き猫の日は日付が決まっているので、毎年9月29日です。曜日は年によって変わり、2027年は水曜日にあたります。

年招き猫の日
2027年9月29日(水)
2028年9月29日(金)
2029年9月29日(土)

平日に重なる年は、家の招き猫を拭いて飾り直したり、帰りに雑貨店で招き猫を眺めたりと、小さな楽しみ方が向いています。記念日にちなむおまつりは週末をはさんで開かれることが多いので、出かけたい人は開催日を早めに確かめておきましょう。

招き猫はいつから?江戸時代に生まれた縁起物

招き猫がいつ生まれたのかを、直接書き留めた文献は見つかっていません。古い手がかりのひとつとして、京都市左京区の檀王法林寺には、江戸時代の中ごろから、右手を上げた黒猫の像を「招福猫」として信徒に授けてきたという寺伝があります。ただ、その年代を裏づける記録は確かめられていません。

招き猫は、江戸時代の後期には江戸の町で売られていたことが記録から確かめられます。ただし、どこで最初に生まれたかについては複数の説があり、ひとつに決まってはいません。ここでは、記録に残る姿と、各地に伝わる伝説を分けて紹介します。

記録に残る最古は浅草の「丸〆猫」

文献と出土品の両方から実在が確かめられている最古の招き猫は、「丸〆猫(まるしめのねこ)」とされています。江戸の今戸周辺で焼かれた今戸焼の土人形で、浅草寺の境内などで売られていました。背中の腰のあたりに「○」の中に「〆」を書いた印があり、「お金や福を丸くせしめる」という縁起をかついだ名前です。

江戸の町名主だった斎藤月岑がまとめた記録『武江年表』には、嘉永5年(1852年)の項に丸〆猫の話が出てきます。浅草の花川戸に住む老婆が、貧しさから愛猫を手放したところ、夢に猫が現れて「自分の姿を人形にすれば福を授かる」と告げたという内容です。老婆がその姿を今戸焼の人形にして売ると評判になり、江戸で大流行したと伝えられています。

素朴な土人形の招き猫が、古い木の棚の上に落ち着いた光の中で置かれている写真風のイメージ

猫が福を招く縁起物になった背景には、米や蚕をネズミから守ってくれる身近な生き物だったことがあると考えられています。養蚕がさかんな地域では、ネズミよけの猫の絵が大切にされてきました。

発祥の地は一つではない|豪徳寺・今戸神社・自性院の説

招き猫の発祥については、東京を中心に、いくつものお寺や神社に伝説が残っています。代表的なものを表にまとめました。

場所伝わる話
豪徳寺(東京都世田谷区)彦根藩主の井伊直孝が寺の前を通りかかったとき、白猫に手招きされて立ち寄ったところ雷雨を避けられた。これが縁で井伊家の菩提寺になったという話
今戸神社(東京都台東区)今戸焼の産地にある神社で、丸〆猫の話とゆかりが深い。招き猫発祥の地のひとつとされ、縁結びの神社としても知られる
自性院(東京都新宿区)室町時代、太田道灌が戦のさなかに道に迷ったとき、黒猫に手招きされて寺に導かれ、助かったという話。猫地蔵が祀られている

どの話も「猫の手招きで幸運に恵まれた」という点で共通しています。どれが本当の発祥かを決めるのは難しく、各地の伝説がそれぞれに招き猫の人気を支えてきたと考えるのが自然でしょう。

豪徳寺の伝説や、豪徳寺の招き猫が小判を持たない理由については、次の記事でくわしく紹介しています。

明治以降は瀬戸・常滑で量産され全国へ

江戸の土人形だった招き猫は、明治時代になると焼き物の産地でも作られるようになります。愛知県の瀬戸では、明治30年代後半(1900年代初め)に招き猫の生産が始まったとされ、100年を超える歴史があります。

戦後には、同じ愛知県の常滑でも招き猫がさかんに作られるようになりました。大きな目で小判を抱えた、いまおなじみの姿の多くは常滑で広まったものです。型を使って数多く作れるようになったことで、招き猫は商店や家庭に広く行き渡りました。

招き猫の日に迎えたい招き猫の選び方|手・色・産地

招き猫の日をきっかけに、新しく招き猫を迎えたいと考える人もいるでしょう。招き猫は、上げている手、体の色、作られた産地によって、表情や込められた意味が変わります。意味には諸説あって決まりではないので、目安として知っておき、最後は気に入った姿を選ぶのがいちばんです。

招き猫というと焼き物の置物を思い浮かべがちですが、素材は焼き物に限りません。多くは陶器で作られているものの、張り子や木彫り、漆器、ガラス、プラスチックの招き猫もあり、ヒスイや金を使った高価な品まであります。大きさも、手のひらにのる小さなものから、店先に据える大きなものまで幅があります。置く場所の広さから逆算すれば、素材と大きさの候補をしぼり込めます。

右手と左手で招くものが違う

一般に、右手を上げた招き猫はお金を、左手を上げた招き猫は人(お客)を招くといわれます。商売をする店では、お客を呼ぶ左手の招き猫が好まれる傾向があります。両手を上げた招き猫もあり、お金と人の両方を招くという意味が込められています。

一方で、両手を上げた姿は「お手上げ」に見えるとして避ける人もいます。手の高さについても、高く上げているほど遠くの福を招くという説があります。猫が前足で顔をなでると客が来る、という言い伝えは古く、唐の時代の中国の書物『酉陽雑俎』にも見られます。

右手を上げた招き猫と左手を上げた招き猫が並んで置かれた、落ち着いた色調の写真風イメージ

色ごとに込められた意味

招き猫の色は、白地に黒や茶のぶちが入った三毛猫が定番です。そのほか黒や赤、金などの色があり、それぞれに願いが込められています。

色込められた意味(一例)
白・三毛開運招福。もっとも定番の色
黒魔除け・厄除け
赤病除け(昔は疱瘡除けの色とされた)
金金運
ピンク恋愛・縁結び

色ごとの意味には、後の時代になって広まったものも多く、決まった定義があるわけではありません。願いに合わせて選ぶのもよいですし、部屋の雰囲気になじむ色を選んでもかまいません。飾る場所の壁や家具の色と合わせると、置物として長く楽しめます。

産地で顔立ちが違う|今戸・瀬戸・常滑

招き猫は、作られた産地によって顔立ちや体つきに個性があります。代表的な産地の特徴を知っておくと、選ぶときの楽しみが増えます。

  • 今戸焼(東京):素朴な土人形で、丸〆猫の流れをくむ。体を横に向けて座る古い型も残る
  • 瀬戸(愛知):なで肩でほっそりした体つき。上げた手が耳より低い位置にあるものが多い
  • 常滑(愛知):二頭身の丸い体に大きな目。小判を抱えた姿が多い

瀬戸の招き猫は、上品で落ち着いた印象のものが多く、昔ながらの招き猫らしさを残しています。常滑の招き猫は、にっこりした表情と大きな小判が特徴で、商店の店先でよく見かける姿です。各地の作家が手がける一点ものもあり、並べて見比べると違いがよくわかります。

招き猫の日のイベント|伊勢と瀬戸の「来る福招き猫まつり」

招き猫の日の前後には、各地で招き猫にちなむ催しが開かれます。なかでも規模が大きいのが、三重県伊勢市と愛知県瀬戸市の「来る福招き猫まつり」です。どちらも例年9月29日の前後に開かれ、全国から招き猫のファンが集まります。

2つのまつりは、会場になるまちの成り立ちが大きく異なります。伊勢の会場のおかげ横丁は、内宮の宇治橋前から続く「おはらい町」の中ほどに、1993年に赤福が開いた一角で、江戸から明治にかけての伊勢路の町並みを再現しています。瀬戸のまつりは、名鉄瀬戸線の終点、尾張瀬戸駅の周辺が会場です。駅の周辺には招き猫ミュージアムや昔ながらの商店街もあり、おかげ横丁の再現された町並みとはまた違う、焼き物の町の暮らしの中を歩けます。

三重・伊勢おかげ横丁の来る福招き猫まつり

伊勢神宮内宮の門前町、おかげ横丁では、招き猫の日に合わせて「来る福招き猫まつり」が開かれます。2026年は第32回として、9月19日(土)から9月29日(火)まで開催されました。全国の招き猫作家による作品の展示や限定品の販売、作家の実演、招き猫の絵付け体験など、さまざまな催しが行われます。

招き猫の日の当日、9月29日は「来る福の日」として、招き猫巡行や吉兆招福鈴の授与など、この日ならではの催しも用意されています。伊勢神宮への参拝とあわせて訪れやすいのも魅力です。

石畳の門前町の軒先に、大小さまざまな招き猫が並ぶ秋の風景の写真風イメージ

愛知・瀬戸の来る福招き猫まつり in 瀬戸

焼き物の町として知られる瀬戸市でも、1996年から「来る福招き猫まつり in 瀬戸」が開かれています。2026年は第31回として、9月26日(土)と27日(日)の2日間に行われました。

目玉は、全国の作家が手がけた招き猫を集めた展示「日本招き猫100人展」です。招き猫づくりの体験やグッズの販売のほか、招き猫のメイクや仮装をして町歩きを楽しむ人の姿も見られます。招き猫の産地ならではの、町全体を使ったおまつりです。

どちらのまつりも、開催日やプログラムは年によって変わります。2027年以降に出かける場合は、おかげ横丁や瀬戸市の観光公式サイトで最新の日程を確かめてください。

招き猫ゆかりの寺社を訪ねる

招き猫の日に、発祥の説が残るお寺や神社を訪ねるのもおすすめです。豪徳寺には、参拝者が奉納した数多くの招き猫が並ぶ一角があり、その光景を目当てに訪れる人も少なくありません。今戸神社には寄り添う2匹の招き猫の像があり、縁結びの神社として親しまれています。

参拝するときは、写真撮影のきまりや授与所の受付時間を事前に確かめておきましょう。お寺や神社は祈りの場なので、ほかの参拝者の迷惑にならない心配りも大切です。それぞれの伝説を思い浮かべながら歩くと、招き猫を見る楽しみが一段と深まります。

家でできる招き猫の日の過ごし方

家で迎える招き猫の日は、手に取れる距離で招き猫と向き合える日です。土人形の招き猫は、粘土を型に押し当てて形をとり、焼き上げてから一体ずつ筆で色を付けて仕上げられます。同じ型から生まれた猫でも表情が少しずつ違うのは、この手作業の絵付けがあるためです。店先に並んだ姿を眺めるだけでは気づきにくい筆の跡も、手元に土人形の招き猫があれば、時間をかけて確かめられます。

おまつりに出かけなくても、招き猫の日は家で楽しめます。手元の招き猫を大切にしたり、自分で作ってみたりと、気軽に取り入れられることを3つ紹介します。

(1) 手持ちの招き猫を拭き清めて飾り直す

玄関や棚に置いたままの招き猫は、気づかないうちにほこりをかぶっているものです。招き猫の日を「年に一度の手入れの日」と決めて、やさしく拭いてあげましょう。釉薬のかかった陶器の招き猫なら、固くしぼった布で汚れを落とし、乾いた布で水気をとります。

素焼きや土人形の招き猫は水に弱いので、乾いた筆や柔らかい布でほこりを払う程度にとどめます。きれいになったら、飾る場所も見直してみましょう。お客を招く左手の招き猫は玄関に、お金を招く右手の招き猫は落ち着いた棚の上に、と意味に合わせて置き場所を考えるのも楽しいものです。

(2) 絵付けや手作りで「うちの招き猫」をつくる

白い素焼きの招き猫に色を塗る絵付けキットは、雑貨店や通販で手に入ります。好きな色や模様で仕上げれば、世界にひとつだけの招き猫になります。子どもと一緒に作れば、招き猫の由来を話すきっかけにもなるでしょう。

粘土や紙粘土で、一から形を作るのもおすすめです。右手と左手のどちらを上げるか、小判を持たせるかどうか、込めたい願いを考えながら作ると、手や色の意味も自然と覚えられます。

紙粘土や樹脂粘土は、窯で焼かなくても、置いておくだけで乾いて固まります。紙粘土は軽くて扱いやすく、樹脂粘土は乾くとプラスチックのような硬さになって、紙粘土より丈夫に仕上がります。長く飾る一体なら樹脂粘土、子どもと気軽に作るなら紙粘土、と目的で使い分けられます。

(3) 1年の「福」を振り返る日にする

「来る福」の日にちなんで、この1年に訪れたうれしい出来事を振り返ってみるのもよい過ごし方です。新しい出会いや、人に助けてもらったことなど、小さな福を書き出してみると、身の回りの縁にあらためて気づけます。

9月の終わりは、1年の4分の3が過ぎる節目の時期でもあります。残りの3か月で招きたい福を考え、招き猫の前で言葉にしてみるのも、気持ちを新たにするきっかけになります。

日数で数えると、9月29日は元日から272日目(うるう年は273日目)にあたります。大みそかまでは平年もうるう年も93日で、週にするとおよそ13週が残っている計算です。

9月29日はほかにもこんな記念日

9月29日には、招き猫の日のほかにもいくつかの記念日があります。語呂合わせにちなむ日と、歴史的な出来事にちなむ日が並んでいます。

記念日由来
招き猫の日「く(9)る・ふく(29)」=「来る福」の語呂合わせから
クリーニングの日「ク(9)リーニ(2)ング(9)」の語呂合わせから。全国クリーニング環境衛生同業組合連合会が1982年に制定
洋菓子の日菓子職人の守護聖人とされる聖ミカエルの祝日にちなむ
日中国交正常化記念日1972年9月29日に日中共同声明が調印されたことから

同じ日付に「来る福」と「クリーニング」という2つの語呂合わせが並ぶのはおもしろいところです。招き猫をきれいに拭いて手入れする日にすれば、2つの記念日をいっしょに楽しめます。

前日の9月28日は、じゃんけんの手を数字に見立てた「まけんグミの日」です。

同じ9月28日は、狂犬病のワクチンを開発したパスツールの命日にちなむ「世界狂犬病デー」でもあります。動物と人とのかかわりを考える記念日として、あわせて読んでみてください。

猫にまつわる記念日には、2月22日の「猫の日」もあります。「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせで、こちらは猫と人との共生を考える日です。招き猫の日が「縁起物としての猫」の日なら、猫の日は「生き物としての猫」の日といえます。

招き猫の日についてよくある質問

招き猫の日はなぜ9月29日なのですか?

9を「く」、29を「ふく」と読むと「来る福」になる語呂合わせからです。1995年に、招き猫の愛好家でつくる日本招猫倶楽部が制定しました。

招き猫の日は祝日ですか?

祝日ではありません。日本記念日協会に認定・登録された民間の記念日で、学校や会社が休みになることはありません。

招き猫はいつからあるのですか?

江戸時代の後期には、江戸で売られていたことが記録から確かめられます。『武江年表』の嘉永5年(1852年)の項に、浅草で流行した「丸〆猫」の話が記されています。発祥の地については、豪徳寺や今戸神社、自性院などに諸説があります。

右手と左手の招き猫は、どちらを選べばよいですか?

一般に、右手はお金を、左手は人(お客)を招くといわれます。ただし決まりがあるわけではないので、願いや好みに合わせて選んでかまいません。

招き猫の日のイベントはどこで開かれますか?

代表的なのは、三重県伊勢市のおかげ横丁と、愛知県瀬戸市で開かれる「来る福招き猫まつり」です。開催日は年によって変わるため、公式サイトで確認してください。

まとめ|招き猫の日は9月29日、「来る福」に感謝する日

招き猫の日は毎年9月29日です。「く(9)る・ふく(29)」の語呂合わせから、1995年に日本招猫倶楽部が制定しました。2027年は水曜日にあたります。

招き猫は、江戸時代の後期には浅草で「丸〆猫」として売られていました。発祥の伝説は豪徳寺や今戸神社、自性院などに残っています。明治以降は瀬戸や常滑でも作られるようになり、手や色、産地によってさまざまな姿が生まれました。

招き猫の日は、日ごろ福を招いてくれる招き猫に感謝する日です。手元の招き猫を拭いてあげたり、伊勢や瀬戸のまつりに出かけたりして、「来る福」の一日を楽しんでみてください。

9月にはほかにも、由来を知ると楽しみが増える行事や記念日が並んでいます。あわせてご覧ください。

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