9月23日が「テニスの日」だと知ると、少し意外に感じるかもしれません。大きな国際大会が開かれる日でもなければ、有名選手の誕生日でもないからです。
ところがこの日付には、「全国どこでもテニスがいちばん気持ちよくできる日」という、はっきりした理由があります。決めたのも一社ではなく、立場の違う13の団体でした。
この記事では、テニスの日が9月23日になった経緯と、全国で開かれるイベントの中身を整理します。あわせて、秋分の日とずれて「祝日ではない年」が来ることもお伝えします。
テニスの日は1998年に定められた、毎年9月23日固定の記念日です。ラケットを持っていない人でも参加できる体験イベントが、各地で開かれています。
テニスの日は毎年9月23日|1998年に13団体が制定
テニスの日は毎年9月23日です。年によって日付が動くことはありません。1998年(平成10年)に、日本テニス協会を中心とするテニス関係13団体が協力して定めました。
記念日というと企業が自社商品にちなんで作るものも多いのですが、テニスの日はそうした成り立ちではありません。競技を運営する側が横に並んで決めた、いわば業界ぐるみの記念日です。
記念日の活動をとりまとめているのは、いまは「テニスの日推進協議会」です。2025年4月には、制定からの27年を振り返りながら「新たなスタート」に向けたメッセージを出し、同じ年の6月に公式サイトも新しくしました。

2027年のテニスの日は9月23日(木)
2027年のテニスの日は、9月23日の木曜日にあたります。この年は秋分の日も9月23日なので、テニスの日は祝日と重なります。敬老の日は9月20日の月曜日で、18日の土曜日からの3連休とは、21日と22日の平日をはさんで離れています。
週の後半に祝日が1日だけ入る並びです。翌24日の金曜日に休みを取れば、26日の日曜日まで4連休にできます。遠出の予定を入れず、祝日の午前中だけコートで体を動かすといった使い方もしやすい日どりです。
制定したのは日本テニス協会など13団体
名を連ねたのは、日本テニス協会のほか、日本女子テニス連盟や日本プロテニス協会といった団体です。プロの大会を動かす組織から、愛好者をまとめる組織まで幅があります。
競技団体はふだん、それぞれの持ち場で動いています。その13団体が同じ日を掲げたという事実が、この記念日の性格をよく表しています。強い選手を育てるためではなく、テニスに触れる人を増やすための日だということです。
日付は毎年固定で動かない
記念日のなかには「◯月の第◯日曜日」のように曜日で決まるものもありますが、テニスの日は9月23日で固定です。そのため年ごとに曜日が変わり、平日に重なる年もあります。
曜日は1年ごとに1つずつ進み、あいだに2月29日が入る年は2つ進みます。2027年の木曜日の次は、うるう年の2028年で土曜日です。1901年から2099年までは曜日の並びが28年ごとにくり返すため、制定の1998年と28年後の2026年は、9月23日がどちらも水曜日でした。
ちなみに前日の9月22日は「フィットネスの日」です。体を動かすことにちなんだ記念日が、2日続けて並んでいることになります。

テニスの日の由来|なぜ9月23日が選ばれたのか
9月23日が選ばれた理由は、大きく分けて2つあります。制定当時この日が秋分の日で国民の祝日だったこと、そして全国どこでもテニスに向いた気候だったことです。
2つの理由は、どちらも「秋分」という暦の節目につながっています。秋分の前後は「暑さ寒さも彼岸まで」と言い習わされてきた時期で、夏から秋へ季節が切り替わる目安とされてきました。この「彼岸」は秋分の日をはさむ7日間を指し、制定当時の9月23日はその真ん中の日でした。
当時の秋分の日=国民の祝日だったから
記念日を作っても、その日が平日では多くの人が参加できません。イベントを開く側も、人が集まらなければ意味がありません。
1998年当時の9月23日は秋分の日で、国民の祝日でした。仕事や学校が休みなら、会社員も学生も家族連れもコートに立てます。「誰もが参加できる日であること」が、日付を決めるうえでの前提条件になりました。
制定された1998年の時点で、秋分の日は1980年から19年続けて9月23日でした。日付を9月23日に固定しても毎年祝日と重なる、と見込める状況だったわけです。
北海道から沖縄まで気候的に最適な時期だから
もうひとつの理由が気候です。テニスは屋外で長時間動き続ける競技なので、真夏も真冬も向いていません。
9月下旬は、北海道でもまだ寒さが厳しくなく、九州や沖縄でも真夏の暑さが和らぐころです。全国いっせいにイベントを開くなら、南北どちらにも無理のないこの時期がちょうどよい、という判断でした。「同じ日に、全国で」という発想があったからこそ、気候が決め手になったわけです。
「テニスの楽しさを広める」という制定の目的
テニスの日には、「テニスの楽しさ、おもしろさをさらに多くの人たちに広めて、健康で明るく生き甲斐ある社会造りに寄与したい」という目的が掲げられています。
注目したいのは、競技力の向上がうたわれていない点です。軸足はあくまで裾野を広げるところにあります。この方針は、いまも各地のイベントの中身にそのまま表れています。
テニスの日が9月23日になった理由
- 制定当時の秋分の日にあたり、国民の祝日だった
- 北海道から沖縄まで、全国で気候がちょうどよい時期
- 「誰もが同じ日に参加できること」が重視された
テニスの日は祝日?秋分の日とずれる年がある
テニスの日そのものは祝日ではありません。9月23日が休みになるのは、その年の秋分の日が9月23日と決まったときだけです。つまり両者はたまたま重なっているだけで、いつも同じ日とは限りません。
9月23日が秋分の日という並びは、制定後も2011年まで毎年続きました。初めて途切れたのは2012年で、秋分の日が9月22日になったのは1896年以来116年ぶりのことです。その後も2016年、2020年、2024年と、うるう年のたびにテニスの日と秋分の日は別々の日になっています。
秋分の日は9月22日になる年がある
秋分の日は、太陽が秋分点を通過する瞬間を含む日をもとに決まります。地球が太陽をまわる周期は365日ちょうどではないため、その瞬間は年ごとに少しずつずれていきます。
結果として、秋分の日は9月22日になる年と23日になる年があります。正式な日付は前年の2月に官報で公表されるしくみです。テニスの日が9月23日で固定なのとは、決まり方がそもそも違います。

22日に移った年でも、23日が休みになる場合があります。2024年は秋分の日の22日が日曜日にあたったため、翌23日の月曜日が振替休日になりました。計算上は2044年まで、うるう年は22日、それ以外の年は23日という並びが続く見込みです。
2026〜2030年のテニスの日と秋分の日
2026年から2030年までの5年間で、テニスの日と秋分の日がどう並ぶかをまとめました。
| 年 | テニスの日 | 秋分の日 | 祝日と重なるか |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 9月23日(水) | 9月23日(水) | 重なる |
| 2027年 | 9月23日(木) | 9月23日(木) | 重なる |
| 2028年 | 9月23日(土) | 9月22日(金) | 重ならない |
| 2029年 | 9月23日(日) | 9月23日(日) | 重なる |
| 2030年 | 9月23日(月) | 9月23日(月) | 重なる |
2028年だけ秋分の日が9月22日に前倒しになり、テニスの日と分かれます。なお2029年は秋分の日が日曜日と重なるため、翌24日の月曜が振替休日になります。
祝日と重ならない年の楽しみ方
2028年のテニスの日は祝日ではなくなりますが、この年の9月23日は土曜日です。週末には変わりないので、イベントへの参加に支障はありません。
問題になるのは、将来9月23日が平日に当たり、なおかつ秋分の日が22日に移る年です。その場合、各地のイベントは前後の土日にずらして開かれることがあります。参加を考えているなら、日付だけでなく開催日を確かめておくと確実です。
テニスの日に全国で行われるイベント
テニスの日には、全国各地のテニスクラブ・スクール・自治体・地域の協会が、それぞれにイベントを開きます。中身は試合形式の大会よりも、体験会や講習会が中心です。
テニスの日の公式サイトには、各地のイベントを都道府県・市町村ごとに探せる情報ページがあります。日時や会場に加えてプログラムの中身も載っているので、ラケットの握り方から教わる初心者向けの会なのか、経験者どうしでゲームを楽しむ会なのかを、申し込む前に見分けられます。

中央イベントと各地の地域イベント
大きく分けると、主催団体が開く中央のイベントと、各地で独自に開かれる地域イベントの2種類があります。中央のイベントは東京・有明のテニス施設で開かれてきました。
一方で数のうえで多いのは地域イベントです。地元のクラブが自分たちの判断で企画し、開催情報を登録するかたちを取っています。そのため会場も規模も年によって変わります。
中央と地域のほかに、都道府県のテニス協会が開く「テニスの日共同イベント」もあり、2021年や2022年の会場の様子が公式サイトに残っています。各地の会場では、ボールを地面に落とさずにボレーを続けた時間で、初段から達人までの段位を認定する「ボレーボレー」という企画も行われてきました。
初心者・子ども向けの体験会が中心
プログラムの多くは、テニスをやったことがない人に向けたものです。子ども向けのミニテニス、親子で参加する教室、大人向けの初心者レッスンといった内容が並びます。
「裾野を広げる」という制定時の目的を思い出すと、この構成には理由があるとわかります。すでにテニスをしている人を集める日ではなく、まだ触れていない人に向けた日だということです。無料や低額で開かれるものが多いのも、同じ考え方からです。
ラケットがなくても参加できる
初心者向けのイベントでは、ラケットの貸し出しを用意している会場が少なくありません。道具をそろえてから行く必要はない、という前提で組まれています。
用意しておきたいのは、動きやすい服装と運動靴、それに飲み物です。コートによっては、靴底の種類が指定されることもあります。申し込みのときに持ち物を確認しておくと安心です。

テニスの日の楽しみ方|初心者・家族・観戦派
テニスの日推進協議会が掲げる合言葉は、「始めよう!続けよう!もっとテニスを!!」です。これから始める人だけでなく、すでにラケットを握っている人や、学生時代にやめてしばらく離れていた人にも向けた呼びかけと読めます。2025年には公式のSNSも始まり、会場に足を運ぶ以外の関わり方も用意されています。
イベントに行かなくても、テニスの日を意識して過ごす方法はあります。自分の立ち位置に合わせて選んでみてください。
ラケットを握ったことがない人向け
初めての人がいきなりコートに立つのは、心理的な壁が高いものです。その点、テニスの日の体験会は「初めての人が来る前提」で運営されています。周りも同じ立場なので気が楽です。
公営コートを時間貸しで借りて、壁打ちから始めるという手もあります。自治体が運営するコートなら、数百円から借りられるところもあります。
打ち合いに進むと、次に出てくるのが独特な点数の数え方です。0点を「ラブ」と呼び、1点目を15、2点目を30、3点目を40と数えます。40対40は「デュース」と呼ばれ、そこから2点続けて取った側がそのゲームを取ります。
家族で楽しむ
小さな子どもがいる家庭なら、スポンジボールを使うミニテニスが向いています。ボールがゆっくり飛ぶので、ラリーが続きやすいのが特徴です。
日本テニス協会は、子どもの成長に合わせてボールとコートを段階的に変える「TENNIS PLAY & STAY」をすすめています。通常のボールより球速がおよそ75%遅いレッド、50%遅いオレンジ、25%遅いグリーンの3段階があり、それぞれ小さめのラケットやコートと組み合わせて使います。
親子向けのプログラムは、テニスの日のイベントでも定番です。公園の広場で柔らかいボールを打ち合うだけでも、9月下旬の気候なら気持ちよく過ごせます。
観戦・応援で楽しむ
自分で動かなくても、試合を見て過ごすという楽しみ方もあります。9月下旬は秋のツアーが動き出す時期で、放送や配信で試合を見られる機会があります。
ルールを知らなくても、ラリーの応酬は見ていて飽きません。せっかくの記念日なので、一試合だけでも通して見てみると、コートの広さや球の速さが体感として伝わってきます。
スポーツにまつわる記念日は、ほかの月にもあります。由来をたどると、その競技が日本に根づいた経緯が見えてくるのがおもしろいところです。

テニスの日についてよくある質問
- テニスの日は毎年9月23日で変わりませんか?
-
変わりません。1998年の制定時から9月23日で固定されています。日付が年によって動くのは、同じ日に重なることが多い秋分の日のほうです。
- 3月の「ワールドテニスデー」とは違うものですか?
-
別のものです。日本のテニスの日は9月23日で、国内のテニス関係団体が1998年に定めました。国際的なテニスの日として知られるワールドテニスデーは、これとは主催も日付も異なります。
- イベントの参加に費用はかかりますか?
-
会場によって異なります。無料で開かれるものもあれば、コート使用料や保険料として少額を集めるものもあります。主催が地域のクラブや自治体に分かれているため、申し込み先で確認してください。
- 雨が降ったらイベントは中止になりますか?
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屋外コートの場合は中止や延期になることがあります。屋内コートや体育館を使う会場では、雨でも予定どおり行われます。前日までに主催者の告知を見ておくと確実です。
- テニスの日は学校や会社が休みになりますか?
-
テニスの日そのものは祝日ではないため、休みにはなりません。9月23日が休みになるのは、その年の秋分の日が9月23日と定められた場合です。2027年も両者が重なります。
まとめ
テニスの日は毎年9月23日、1998年に日本テニス協会などテニス関係13団体が定めた記念日です。この日が選ばれたのは、制定当時の秋分の日で国民の祝日だったことと、北海道から沖縄まで気候がちょうどよい時期だったことによります。
テニスの日そのものは祝日ではないため、秋分の日が9月22日になる年には休みと重なりません。直近では2028年がそれにあたります。
全国のイベントは、経験者よりも初めての人に向けた体験会が中心です。ラケットの貸し出しがある会場も多いので、道具をそろえてからと構える必要はありません。
テニスの日は「全国どこでも、誰でも参加できる日」として設計された記念日です。9月下旬のちょうどよい気候を、コートで過ごしてみてはいかがでしょうか。
9月にはほかにも、由来をたどると背景の見えてくる行事や記念日が並びます。あわせてご覧ください。

